文:見る聴く「キミと京都できゅんきゅんデート!ー小野塚晃×大楠雄蔵 鍵盤祭りvol.3@京都RAGー」(配信にて)



 小野塚さんのインスタより。素敵な写真だなあ。


 仕事上、1月は毎年多忙である。しかし今年程多忙だったことは近年なかった。そのため、見るはずだった配信ライブのチケットを買う暇(いとま)さえなかったくらいだ。


 が、何があってもこれだけはじっくりと堪能したかった!我らが愛しのインストバンドSensationのキーボーディスト!大楠雄蔵さんと、大楠さんのレーベルメイト兼大楠さん憧れのピアニスト、小野塚晃さんの、ツイン鍵盤弾きサマがお送りする「鍵盤祭り」の第2回目のライブの配信である。


 忘れるといけないので先に言っておく。「京都RAG」様、いつも素晴らしい音での配信、ありがとうございます。映像も美しく、配信が途切れることも全くなく、大変リーズナブルな価格で1週間見せて頂けるなんて、こんなライブハウス他にございません。これからもどうか宜しくお願いします。


(ところで我が山梨は甲府の「桜座」さまにも配信を行える設備があり、音も映像もなかなかいいので、小野塚さん大楠さん、次回以降、海の近くのライブでお魚とお酒を十二分に堪能して頂いてからで構いませんので、いつか!いつの日か!桜座にも!山の幸ならあるので!ワインも美味しいので!どうかどうか!新酒なら秋がお勧め!←切実すぎw)


 また、ライブのダイジェスト動画を大楠さんがインスタにあげてくれているので、是非見て頂きたい。





 さて、ライブ。

 1曲目と2曲目は前回(昨年10月)もプレイされた小野塚先輩オリジナルの「ものしりBird」と「セカンド・ライン」。前回と同じと言ってもライブなので、アドリブなんかは当然前回とは違うバージョンで聞かせてくれる。前回の配信もほんとによく聞いた。


 小野塚先輩用の、真上から映すカメラがあって、これがブルーノートっぽくて素敵。鍵盤を真上から映す。これは弦楽器にはない楽しみのひとつだと思う。ドラムも真上からっていいよね。大楠くんを映すカメラも前回よりグレードアップした気がした。角度とか増えたような気がしたんだけど、違うかなあ?

 そのカメラだけど、1曲目終わった後でお店の方がポジションを直しに来てくれるところなんか、またレア感というかリアル感があって、配信ながら距離感が縮まって嬉しい。



 小野塚先輩曰く、鍵盤祭り=「デートバージョン」。前日の大阪のライブにはドラムに梶原大志郎さんが、そしてベースには我らがSensationのベーシスト、麻井寛史さんが入ってたんだよねえ(このライブの告知をインスタでする際、大楠さんが麻井さんのことを「バンドメイト」という言葉で呼んだのね。私その言葉が余りに嬉しくて泣きそうになってしまったw いい言葉じゃない?バンドメイトって)。いっや〜、これ、ほんと、見たかったわぁ。会場のhillsパン工場様はあまり配信を積極的にされないハコなので、すごーぉく残念ではあったが、こうしてお二人がお話してくれるので、様子を伺えて嬉しい(とはいえヒルパン様、どうか今後、配信も多めにお願いできないでしょうか)。そして、このデートバージョンも、私はこれはこれで好きなのである。大好きなミュージシャンの仲睦まじいデートっぷりが見られるなんて最高じゃない?





 この2枚は麻井さんのTwitterより。盛り上がってるなあ〜。


 で、3曲目からが「未開の地」(笑)。まずは大楠くんが持ってきたBob Jamesの “MIND GAMES”!おおボブ・ジェームス!去年見たよブルーノートの配信!などと興奮して見始める。原曲はメロディをサックスが奏でており、なかなかゴージャスなイメージなのだけど、そこをあえてピアノとキーボードで演る訳よ。


 大楠くん曰く「小野塚さんに弾いて欲しい曲が浮かんじゃうんですよね」これは解るなあ。自分が一番いいポジションで聴ける訳じゃない?勿論自分も演るんだけど。でも、「この人のこれを聴きたいなあ〜」という気持ちは、とても理解できる。


 でさ、これがさあ。もうさあ、最高な訳よ!!!


 大楠くんの演奏後の一言を聞けば、どのくらい素晴らしいプレイだったかが解ろうというもの。


「おお〜(笑)。おお〜です!ありがとうございます!聴きたかったもの以上の、なんでしょう?この張り詰めた緊張感と、この、間を楽しむ、音が鳴ってないところこそ、なんかもう、なんかそういう時、内股になってます僕は!きゅん!ってなってます!」


 大楠くん、楽しいなwww

 でも本当なのよ。「音の鳴ってないところの、その間」こその味わいっていうのかなあ。そのさあ、なんというか、スリリングな心地よさというかね、そんなのがガッツリと感じられるのよ。

 バンドだからこその良さってのも勿論あるよね?私もバンド贔屓なのでそれもよく解るんだけど、鍵盤の音の潔さが、そのまま伝わってくる、その味わいも堪らなくいい。



 4曲目も大楠くんが持ってきた、Rhythm Logicの “Rhythm Method”という曲。ものすっごくかっこいい曲なんだけど、誰の曲か解らなくて、そしたら後日大楠さんがインスタ投稿で書いてくれていた。本当に嬉しかった。

 前日にはバンドバージョンでプレイしたとのこと。原曲(サブスクにはないので、購入したよ。アルバムごとw)を聴くと、尚のことバンドでも聴きたくなった(麻井さんのベース超絶かっこよかったと想像)が、大楠くんはやっぱしこれも、「小野塚さんのピアノで聴いてみたかった」のだそう。だけどデートバージョンを聴くと、それも理解出来た。確かにこの、音数が少ないからこその良さがあって、原曲より夜が似合う、大人のテイストに仕上がっている。私はこのデートバージョン、マジで音源欲しいと思うくらい好きだ。


 リアルタイム配信中に麻井くんも見ていたのか、「心地いい〜」とツイートしていたけど、まさにそんな感じ。ずっとこの音の中に揺蕩っていたい気にさせられる。大楠くんのいい具合の跳ね方と小野塚先輩の潤ったピアノサウンド、実に最高ですわ。永遠に聴いていられる。鍵盤2台でこのGroovyさ。堪らん。

 演奏後、「汗びしょびしょです」の大楠くんに「今日はヒートテック着てないよね?」と小野塚先輩。ステージでヒートテックは暑かろう笑。



 小野塚先輩曰く「2人でサッカーしてるようなもの」である鍵盤デートライブは大変だとのことだけど、そのハードでエキサイティングなデートの様子、これからも楽しませて頂きたいと思う。


 じゃあ次回から、セットリストのことを「デートプラン」とか呼んだ方がいいのか?w




 5曲目は「園芸用ホース 」(笑)を使った、前回のライブではラストソングだったJoeの “I Wanna Know”  脳が揺れるようになるんだねあれって。結構大変なんだね。「タダでさえ脳みそ人より揺れてる方なのに」って大楠くん!www

 トークボックスのこの曲も、今後定番になるのかも。包み込むように、じゃなくて、「(小野塚先輩に)包み込まれるように」歌う大楠くん、気持ちよさそうだわほんと。聴いているこちらも気持ちいいのだけどね。演奏後「もうどうなってもいい!と思いながら、包み込まさせて頂きました」。どうなってもいい、ってwww



 1stセットラストは前回と同じジョンスコの「ホッテントット」。このオルガンサウンドがまた痺れるのよ。

 で、2ndセット1曲目は、我らがSensationの “Aqua”をデートバージョンで!前もめちゃくちゃよかったけど、今回もすんごくいい。

 さっきも書いたけど、小野塚先輩のピアノの音って潤ってるんだよね。だからAquaにほんとによく似合うの。大楠くんも最後に「お気に入り中のお気に入り」のバージョンって言ってたけど、それは解るわ。Sensationのファンとしても、この曲の美しさを最大限に引き出してくれてるバージョンだと思う。私は、あからさまな泣きの音よりも、こういう、凛とした美しい、涙が流れるのを堪えるような響きがあるのがいい。


 だから徳ちゃん=徳永暁人さんもこんな風に言ったんだろうけどさ…(笑)


「こちらですね。第1回目の時に、実は後ろの方でね、doaの徳永さんが見にこられてたんですね。遊びに行くよ!って急に連絡が来て。『じゃあ徳永さんの名前で入れるようにしておきますんで』って言ったら『もうチケット買ったから大丈夫!』って来て(笑)。わざわざご自分で予約して来てくださったんですけども。この “Aqua”を聴いてですね、

『大楠ちゃん!なんか、バンドバージョンより良くない⁈』

って(大爆笑)」


徳ちゃああああん!!!wwwwww

もう大ウケwww

私はSensationのファンだけど!でも爆笑した。


「…これはちょっと問題発言にはなるかもしれないんですけれども、ピアノバージョンの美しさがですね、まさかこんなに、このバージョンにぴったりな曲とは気づいてなくって。常にバンドで演奏してたので。小野塚さんのピアノがまた、このAquaを生かしてくれたというか。生まれ変わったかのような感じに、凄い思いまして。そのようなお言葉、頂いております」


と、大楠くんが続けると、小野塚先輩、


「元々の曲がいいんですよ」


と。

 小野塚先輩。Sensationファンとして、一生ついて行きます(笑)。




 いいなあ。こんな素敵なお二人と、飲み会してみたい笑。


 2曲目は前回もプレイされた小野塚先輩の「タイトル未定M9」。タイトル募集中だそうだ。素晴らしいタイトルをつけてください、とのこと。先輩、そんなこと言われたら本気で考えますよ?私、こう見えてタイトルマニアですから(どこで発揮するんだよそのマニアっぷりw)。で、どこに出したらいいんですか?タイトル案www



 3曲目は大楠くんのタイトル未定のオリジナル。前回も演奏されたヤツだね。これ、Electric Circusで演奏されたよね。あの頃全然時間がなくて、結局配信2回くらいしか見られなかったんだけど。ノスタルジーを感じられる、優しい曲。派手さはないんだけど、聴けば聴く程に味わいが増す、そんなメロディが印象的。



 4曲目は小野塚先輩の「風の記憶」。「未来にも過去にも繋がって風が吹いている」という先輩の言葉が心に残る。

 これも前にも書いたと思うけど、小野塚さんは本当に、SNSなどに綴る言葉に無駄がなく、的確だけど、温かみがあって、胸にじんと響く。その言葉通りの音と曲。ピアノだからこそ、鍵盤だからこその表現力を感じる1曲だった。


 こんなお人柄だけど、たま〜にちょい過激な発言があって(笑)、ユーモアがあるなあと思う。そういうところ好きだ。プロフィールを拝見したら、なんと獅子座なのですね⁈星座が一緒なんてちょっと嬉しいサプライズ。


 時間なくてインスタにあげてないんだけど、小野塚さんがピアノで参加されている昨年の渡辺貞夫さんのブルーノート東京でのライブ、実は配信(2日間しかなかったのよ〜!)で見ている。すごくよかったよ。小野塚さん、信頼されてるんだな〜という雰囲気が伝わってきたし。1曲目はナベサダさんのソロだったんだけど、大っ好きなジャズピアニスト、ホレス・シルヴァーの “Peace”という曲で、それも凄く記憶に残っている。

 ピアニストの曲をサックスで演るんだもの、バンドの曲を鍵盤オンリーで演って何がいかんのや〜という感じよね(笑)。



 互いのライブなどの告知を挟んで(大楠さんのThat’s Music! 配信しないの〜⁈)5曲目、前日バンドでもプレイした小野塚先輩オリジナル、タイトル未定のM7。これがまた!タイトかつゴージャスでかっこいいんだ!!!今回めちゃくちゃ気に入った1曲。互いのノリを確かめるみたいに楽しそうにプレイされる2人。このデートバージョンが最高にいいからこそ、これも…ああ、バンドでも聴いてみたかった…。これにドラムなんてどんな風に入るんだろう?凄く興味ある。

 あとさ、これさ、ビッグバンドとかでも聴いてみたいんだけど!ブラスバリバリに入れてさ!そういうのどうでしょう⁈ねえ小野塚先輩!(提案するのかw



 6曲目は、これも前回のライブでも演奏してくれた小野塚先輩のヤンチャ曲 “Party Jam” そして!「3回目もある」「もっと長く続けていきたいと思います」との先輩の言葉!感涙!いつかは私も、生演奏を聴ける日が来るかなあ〜なんて、ほんのちょっと希望を持ちたくなるような陽気なサウンド。好きだ。


 で!

 「次はぜひ、お魚とお酒が美味しい日本海方面へ」という、次回ライブの希望なんか出ちゃったりして(笑)、こうなったら全国津々浦々「鍵盤があるところならどこへでも!」で行っちゃってください!と思ってたら小野塚先輩が、


「なので、ぜひ、皆様に応援頂いてね、配信ご覧になってる人の街に、今度は行くかもしれません。その時は生でお楽しみ頂ければなと思います」


 感涙を通り越してココロは号泣だった。

 いやあ…。


 こんなことを、こんなにきちんとした言葉で言って下さるミュージシャン、今まで誰も、本当に誰もいなかった。実現するとかしないとかじゃなくてさ、気持ちがあるからこそ、こういう言葉が出てくるのでしょう?かもしれない、でもいいのよ。希望がもらえれば。

 もうさあ、仕事柄セルフテリトリーからどうしても出られない私のようなヤツにはさ、小野塚先輩のこの言葉が沁みて沁みて仕方がなかった。


 小野塚先輩。一生ついて行きます。大楠さんの後から。

 行きますから、よかったら本当に来てください、美味しいワインを飲みに。つまみもそれなりにありますので(笑)。あ、勿論本当に来てくださったらワイン差し入れさせて頂きます!私の好みではありますが。

 あ〜何持って行こうかな〜(妄想。



 そして!

 本気のサプライズはここからよ。

 最後にもう1曲だけ、のアンコール!の超有名曲。


「みんな知ってるのにうまく弾けた試しがない(笑)」

「あえてそれを(笑)。事故も起こるかもしれない!まさにセッション!ということで」


 で、演ってくれたのが、チック・コリアの “Spain”


 タブレットに向かって部屋で絶叫した。

 

 大楠さんが、1回目のライブの前に、インスタのストーリーでリクエストを募ったのだが、私はアホみたいに、思いつくままに何曲も書いて送信した(迷惑だったろうw)。


 その時、一番最初に書いたのが、Spainだったのだ。


 ベタな選曲だとは思ったが、一流どころの鍵盤2台で聴きたいっつったらこれでしょう!

 小曽根真さんも良くライブのアンコールで演奏されるけれど、この曲は、エレキ的バンドもブラス的ビッグバンドも全部!全部めちゃくちゃ大好きだけど!だけどチック・コリアだよ⁈そらやっぱし鍵盤でしょう⁈と。

 激しくて、切なくて、でもとってもエレガント。この優雅さ。まさにピアノの真骨頂だよなあ。

 画面のこちら側で、あのパートでちゃんとクラップを入れて聴きました。泣いてました嬉しくて。


 私以外にもリクエストされた方、いらしたと思いますが、本当に本当にほんっとうーに、嬉しかったです。小野塚さん、大楠さん、心から感謝します。

 このお二人だからこその美しいSpain、堪能させて頂きました。




 ここのところ疲労感が満載で、楽しいはずのものを見るのにもエネルギー消耗されそうで敬遠していた程疲れが溜まっていたのだが、このライブは、まさに心に栄養をもたらしてくれたように感じた。


「またやりますので、よろしくお願いします」

「ありがとうございました」

 お二人の最後の言葉、楽しみにしております。


 久々に6000字書いたぜぃw


 写真は小野塚さんのインスタ以外は大楠さんのTwitterよりお借りしました。