文:行く見る聴く食べる泊まる「ちいさなアラシ(と呼ぶには余りに衝撃的な来県でした)ー大賀好修presents, ギターセミナー@山梨・島村楽器イオンモール甲府昭和店」(2023年10月21日)


ある休日の午後4時。

掃除機をかける手をふと休めて(休めるなw)スマホでSNSをチェックすると、思いがけない告知がなされていた。

お、大賀さんが、山梨に、来るの⁈

人間は本当に驚くと声が出なくなるのだとその時初めて知った。床にへたり込みながら、出ない声を振り絞って予約の電話をした(本当の話、手が震え過ぎてウェブからの申し込みが出来なかったのだw)。


あれから数週間。

10月21日、島村楽器イオンモール甲府昭和店に、ギタリストの大賀好修さんがセミナーをしに来てくれた。


って書くけどさあ笑、こんなことが起こるなんて、思いもしなかった訳よ。

だって山梨だよ?人の住めるスペースより山野の面積のが広いんだよ?w

そんな自然がいっぱい=要はカントリーサイドに、あの憧れのギタリスト様が、向こうからやって来て下さるなんて誰が予想出来る?




お店には以前、庄ちゃんことベーシストの満園庄太郎さんが来てくださった時にも伺っているので、セミナー会場のどこに座っても至近距離であることは知っていたため、あまり慌てずに済んだ。


お店のご配慮で開場時間をだいぶ早めて下さったため、誰しもが少し余裕を持って大賀さんを待つことが出来た。

マネージャーの田辺さんのMCで注意事項などがアナウンスされた後、「リハーサルを見たのですが…ヤバいです」と会場の期待を更に煽る麗しいお言葉が。


その後間も無く大賀さんが会場イン。薄いブルーのデニムシャツにフェンダージャズマスターのTシャツ、シルバーのロングネックレスはダブルにして首元に。それに濃い目の紺地にグリーンのチェックっぽいラインの入った細いパンツ。足元は黒×白のスニーカー。明るい感じの髪色と眩しいような笑顔が照明にキラキラと反射している。


この辺から既に意識がぶっ飛んでいることを自覚する(爆笑。

メモするものを忘れたことに気づき、事前に周りの皆様からメモパッドやボールペンを頂いたりお借りしたり(で結局借りパクw)したので、何やら書いてはいるものの判別不能文字多数。ああなんて役に立たない自分。





ニコッと笑って、山梨を「いいとこですね」と言って下さる大賀さん。それだけで拝みたくなる。

1曲目、「僕といえばこの曲」と言って始まったのは、控えめに言って100万回は聴いた、Sensationのあの大好きな曲。ああ見える、私には見える。今はいないけど大賀さんの後ろに、大楠さんも麻井さんも車谷さんも見える。

冴え渡り炸裂する大賀さんのソロ。そこで涙腺が決壊した。なんでギターセミナーで嗚咽するんだ私w バッグからタオルハンカチを出して流れる涙をマスク越しに拭う。それを見ていた友人Kちゃんがなぜかもらい泣きしている。歳を重ねるとどうしても涙脆くなるらしい。


そら泣くよ。

どんだけこの瞬間を待っていたことか。

それもさあ、こっちから遠くへ行くんじゃなくて、あちらから来て下さったんだよ?泣くに決まってんじゃん。

まあ、私に会いに来た訳じゃないけど(爆笑。


いろんなギターサウンドを紹介して下さるのに「海を渡りたい〜♪」という台詞を使って歌って表現してくれるのが楽しい。というか面白い。至近距離すぎて緊張している観客も、この辺から段々とリラックスしてくる。大賀さんお得意のジャズの話題へと進み、マイナー9th、11thのお話を挟んで、2曲目も自身のバンドのナンバーから、これぞジャズ!な、4枚目のアルバムのあの曲。


録音から流れてくる、最初の車谷さんのシンバルの音がこれでもかという程気持ちいい。そこから大賀さんの、滑らかで柔らかなフィンガープレイが始まる。麻井さんのソロに大賀さんがユニゾンで乗っかる。大楠さんの優雅なソロパートは、今日は大賀さんバージョンで。

ほんと何度も言うけどさあ、100万回は聴いた曲が目の前で再現されるって、ものすっごい感動だよ。ここでは泣きこそしなかったけれど、胸というかもう全身が嬉しさでいっぱいで堪らない気分だった。


お次は「ポップ」の一種に関するお話。ある曲がシティ・ポップからファンクにアレンジされて華麗に変身。これはカッコ良かった!大賀さんのアレンジ才能が遺憾なく発揮されたナンバー。






ここからが今回のイベントならでは。お店に置いてあるギターの中でも最近「熱い」と噂の「信州ギター」、その中から2本をピックアップして大賀さんのプレイを交えてご紹介。

これって凄くない?大賀さんが試奏してくれるなんて。ギターがウハウハ言って喜んでる気がした。


1本目は T’s Guitarsさん。お話の通り、ブルーの虎目が美しい。担当の目黒さんの説明を交えて会話しながら、ひょいと足元のエフェクターをカチカチフミフミしながら音色を出す大賀さん。音は厚みがあってロック向き。だけど重過ぎる感じはなく、実に気持ちよく響いた。

もう1本はSuzuka Guitar Designから。ウォームホワイトとでも言いたくなる、温かみのある白いボディが印象的。音は前に出る感じで、好き嫌いが分かれるかも、とのコメントが。


そしてこの2本に囲まれて真ん中にあったのは、ギブソンの「カスタムショップ製のレスポール」、1959年製のクローンモデル。59年製はネックが細いのだそうだ。他にも、大賀さんからのさすがはプロ、な視点のコメントあり。でもご本人はちょっと控えめに言いたかったのか、どんどんマイクからお顔が離れていく(笑。

「後でぜひ、皆さんもこのギターを試奏してみてください」と言いながら、自身のオンラインサロンの紹介と共に、そこがきっかけで作った、大賀さんオリジナルの試奏ソングを1曲。続けて、同じくオンラインサロンで作られた、変拍子ソングへ。クラッピングよりも拍子を感じて聞いてみて、のお話の時にされたドリームシアターの言及。おかしかったなあ。


ギターの話になると長くなんねん、ということでお話が長くなって、ここで漸く、島村楽器イオンモール甲府昭和店のドラム講師、杉山さんが入って大賀さんとのツーピースバンドでの1曲へ。これが!堪らなくカッコよかった!ベースがないということではあったけど、そんなこと全く感じさせない。

始まる前に「あ、また長くなる」と言いつつも、スケールの話から♭5の音について語る大賀さん。お話の内容から、ふと「あ〜きっと♭5ってのは、峰不二子的音色なんだな」と考えてしまった。合ってんのか?笑






いよいよ始まる、という時、ドラムセットの前に置いてあったギターを指して、ここに置いといて大丈夫?とスタッフさんに確認する大賀さん。バターンって倒れるといけないからと。すると田辺さんはちょっとだけ、「大丈夫じゃない?」という素振りに見えたが目黒さんが「じゃあ」という感じでステージに上がってどかしにかかる笑。さすがはお店のギター担当。


曲の頭。派手な音もアクションも実にサマになって良く似合う大賀さん。これは痺れたねえ。ギタリストの真骨頂だった。

で、この時、大賀さんは先程書いたT’s Guitarsの青虎目を使ったのだけど(どんだけプレミアつくだろうこれ)、これがまたカッコいい音だったのよ。紫炎も紫煙も感じられる大人のロック感満載。思わず、あ〜これ大賀さん、買って帰らないかな〜なんて思ってしまった笑。


その後はQ&Aコーナー。皆さんあらかじめ書かれた質問が上手。そしてKちゃんが何より質問上手。伝授してくれ笑。大賀さんの「みんなです♪」の一言、嬉しかったなあ。


で、ここで終わってしまうとだら〜っとなってしまうので、とお店からのリクエストで、ギターを大賀さんご持参の4号機に変えて、最後のナンバーへ。運動会シーズンだし、みんな絶対知ってる、というSensationのカバーバージョンのアレ。

まさかこれで泣くとは思わなかったけど、これでも泣いた。だって100万回聴い(もうええっちゅうねん。

それでなくても至近距離だけど、みんなの方へと少し歩みを寄せて間近でギターを弾いてくれる大賀さん。触ろう思えば触れる距離感が凄い。うわあああああと心で言ってる間に至福の時間が過ぎる。






田辺さんの仕切りで大賀さんが手を振りながら会場を出た後、我々も一旦会場からアウト。暫くして戻った大賀さんのサイン会が始まる。

何かグッズがあって、それを購入してサイン会になるのかと思っていたKちゃんは、大賀さんにそんな話をすると、「山梨グッズ作ろうか?」と、横にいた杉山さんと田辺さんに話を振る。ぜひ作って欲しいほんと。2万までなら買う(爆笑。


私も持参した何やらをお渡しすることが出来た。あるものに関しては、「どこに売ってるの?」と、大賀さんだけでなく山梨スタッフ組も興味がありそうだった。サインも無事頂くことが出来た。して下さいと言って渡したもの2つとも笑われた。特に2つ目は山梨スタッフさんにも笑われた。

笑いが取れて何よりだw


また山梨にいらして下さい、と言うと「また来るよ!」とのお返事。田辺さんも杉山さんも笑顔。嬉しかった。本当に嬉しかった。





サイン会終了後、即大賀さんのインスタライブが始まり(ここでセミナーに参加されていた方の可愛いお子さんが訳も分からずぐわあああっとギターをハウらせるというw おいし過ぎるタイミング。良かったよ)、お店の紹介と有名YouTuberの坂本店長とのやり取り(この辺でも何処からかピアノの「猫ふんじゃった」が聞こえるという偶然のナイス演出w 好きだなあ)、そしてお店のギター紹介へ、と進んで行くのだが、その途中、大賀さんがスマホを持ちながら店内を練り歩くシーンで、大賀さん、田辺さん、と並んで歩いていくその後ろをふと見たら。


何故か我が夫がいるではないか(爆笑。


ちょwww

なんでwww

なんでそこにいるのwwwwwwwww


私と友人達を車で迎えに来てくれた夫が、店内で私を探し出す前に大賀さんを探し当ててしまい、気づいたら大賀さんの後ろの方にいたらしい(なんでだよwww


慌ててこちら側に呼んで、大賀さんが先程弾き倒してくれた T’s Guitarsさんの青虎目の逸品を紹介したりするのを一緒に眺める。田辺さん、目黒さんと一緒に映って配信が終了し、店員さん達とお写真を撮り、みんなに笑顔で手を振って別れる大賀さん。


大賀さんが、本当に、ここに来てくれたんだなあ。

その時は実感として湧かなかったけれど、少し時間が経った今、更に感謝の思いは深くなった。

私には奇跡としか言いようのない、大賀さん・イン・山梨。

その奇跡が、いつの日かまた起きますように。





夫の車に乗り込んで、本日の私とKちゃんの宿泊先のホテルへ。実は結婚式をしたホテルで、一度普通に宿泊をしてみたかった。チェックインを済ませて一路本日の晩餐のお店へ。私にとっては実に4年振りの外食(笑。近所に移転してきたイタリアンは、注文も会計もタブレットからと非常にスマート。ビールが美味しくてついつい杯が進む。そして何を食べても美味い。


4人のうち1人を駅まで送り、夫とKちゃんと3人で、以前よく行っていたカフェへハシゴ。つまみが野菜中心で、お酒の種類も実に多くて最高の一軒。ひとしきり飲んでネギとポテトのつまみを頂いて、夫とはそこで別れてKちゃんと2人ホテルへ向かう。今日のメインの一つは、ここの温泉。この街に温泉があるというとみんな驚くのだが、実はある。結構いいお湯。












翌日の予定があったので大人しく2時には寝て(苦笑、翌朝は足も攣らず良き目覚めだったが朝の気温が6度しかなかった(爆笑。半袖着てたんだけどこないだまで。

Kちゃんたっての願いで武田神社まで出向き、快晴の空を仰いで清々しい気持ちになる。駅前に戻り、これもまた駅前に移転してきた別のイタリアンでランチ。昨日はピザとニョッキだったので、今日はドリアとパスタをチョイス。昼からグラスワイン飲むなんて、こんなのも何年振りだろう。











束の間だけどKちゃんに我が家に来てもらい、書いて貰った大賀さんのサインを眺めながら2日間の総括をする(笑。3時過ぎ、また会おうね、と言ってKちゃんと駅で別れた。


いつもなら自分がどこかまで出向き、楽しい時間が過ぎた後で元の場所へ戻るために列車に乗り込むので、こんな風に、大賀さんはじめ、みんなを見送る立場が珍しくて仕方がない。

楽で嬉しくて、でもちょっと寂しい、不思議な感覚。


今回初めてお会い出来た皆様、お話できて光栄でした。またいつの日かお会い出来る日を心待ちにしています。

いつも付き合ってくれる友人達、あなた方の存在がなかったら私の楽しみも半減する筈。感謝しています。

もちろん夫にも。とはいえ飲んだ後自宅でカップ麺を啜るのはやめたまえ。


大賀好修さま。

大賀さんが来て下さると知って、どれ程私が嬉しかったことでしょう。

私の立場では、足繁く大賀さんの出演されるイベント全てに通うことは出来ませんが、その分お会い出来る時間の、出来るだけ瞬間瞬間を、心の中に入れて温めて、時々取り出しては、大事にしていきたいと思います。


きっとまた来て下さいね。白ワイン飲みに。