短歌:暮らす




西洋のお盆なんでしょハロウィンってかぼちゃ見に来て、ねえお母さん



食い違う気持ちぶつけて嫌になってまた朝が来ておはようと言う



月曜日たまには思考を手放してみたく大根一本おろす








文:創る「ハロウィン前日のサークル棟1階105号室」(虚構大学シリーズ)







虚構大学・妄想学群キャンパス内 サークル棟3105号室(通称3150)にて



Part 8 : 

Title : “Vampire Hunter D”


  「こんにちはー」

「こんにちはーって、あ!Geometric先輩!」

「Geo(ジオ)先輩!お久しぶりです!」

「どうも。今日はね、プロフェッサーTKの特別講座の準備が早く終わってね」

「TKって…」

「そう、僕の所属するファンタジー学科の名誉教授。教授の講演の時には、院生はみんな駆り出されるのさ」

「そうなんだ」

「ちなみに今回のテーマは、ハロウィンにちなんで、教授の昔の作品の、『Vampire Hunter D』。昨日、妹から連絡もらって、それで寄ったんだ」

「Axisさんから?」

「うん。ROOMのみんなが今日、大賀くんに内緒でなんかするって聞いて、面白そうだから覗きにきた。Axisは家庭教師のバイトが終わってから来るって」

「先輩!折角来たなら覗くだけじゃなくて手伝ってください」

「何してるの?」

「ハロウィンの飾り付けです」

「大賀くん、日曜だけど31日に来るって言ってたから、彼が来る前に部室を飾り付けして、みんなで驚かそうって」


「ハロウィンってさ、絶対ホラー映画見たくなるよね」

「ええ?Kaleidoscopeさん、怖いじゃないですか」

「そうかなあ?面白いじゃない、みんなでキャーキャー言って」

「私はディズニーランドとか行って、キラッキラのファンタジーな世界に浸りたいなあ」

「もうちょっと情緒的な感じに行かない?」

「情緒的って?」

「『フランケンシュタイン』とか『狼男』とか、怖いけど悲しい物語を、読んだり、映画見たりさ」

「あ、僕、『ウルフマン』って映画見たことあります。最後切なかったです」

「マーヴェル系は?仮装のヒントにもなるし」

「仮装ならハリーポッターみたいなファンタジーものも」


「ところでさあ、なんでハロウィンって、怖くて切なくてファンタジーで楽しいっていう、矛盾した世界観が見事にマッチしちゃうの?」

「え、考えたことないです」

「ハロウィンってパーティしてみんなで楽しむもんだから、なんでもありってことじゃないの?」

「Kaleidoscopeも、雪華コンビも、stormくんも、みんな合ってるけど、みんな間違い。ハロウィンってのはね、簡単に言えば、日本のお盆と同じなんだよ」

「お盆?」

「最近じゃあ、高校の授業でネタになってることが多いんだけど」

「…」

「日本では、亡くなった人の魂が、空から降りてくるようなイメージがあるだろう?それが海外だと、亡くなった人はそのままお墓から出てくるって考える」

「ゾンビじゃないですか!」

「だからゾンビ映画が流行るんだよ。ハロウィンっていうのは、その亡くなった人の魂が年に1度地上に戻ってくる日のことでさ」

「ああ、だからお化けとか、死神とか、黒猫とか」

「メイドとか、ナースとか」

「それ絶対違うから」

「そういうコスプレが出てくる訳ですね」

「だから怖いってイメージ」

「じゃあ、切ないは?」

「お盆が終わるってことは、ご先祖が帰って行くことだろう?再会できたけど、また向こうに戻っていく。再会と別れだよね。それに、野獣とか妖怪とかいうものには、悲しみがつきものじゃないか」


「じゃあGeo先輩、ファンタジーは?」

「うーん、僕が思うにはさ、亡くなった人が生き返るなんて、非科学的=ファンタジーって、考えられるかなあって」

「じゃあなんで、お祭り騒ぎ?」

「日本だって、お盆の時期に、夏祭りがあったりするだろう?祭りっていうのは、鎮魂のイメージにも繋がるんじゃないかなあ」

「海ドラの『NCISニューオーリンズ』でやってたけど、ニューオーリンズでは海兵隊の葬儀の帰りにみんなでパレードするって文化があるらしいです。賑やかに送るんだって」

「魂を送る方法は、いつもひとつじゃないんだろうね」

「そういうのいいなあ」

「昔存在していた魂を迎えて、お祭りして、楽しんで、別れる。また来年ねって」

「方法が違うだけで、どこの国でも同じなんだね」

「だから、怖くて、切なくて、ファンタジーで、楽しい」

「悪いー遅れた!あ!Geometricさんどうも!みんな!遅れてごめん、お詫びにたくさんお菓子買ってき…ちょ!雪華!それ全部持ってく気かよ!待て!そっちは大賀くんの分だぞ!」




ハロウィンにちなんだお話を、ということで書いてみました。

虚構大学シリーズがすっかり板についてしまってw







文:見る “Root 109 DAY2”








虚構大学・妄想学群キャンパス内 サークル棟3階150号室(通称3150)


Part 8 

Title : 



 「ねえ、stormくん、DJ曼荼羅、突然だけどさ」

「何ですか?」

「マーヴェルのキャラで誰が1番好き?」

「突然過ぎんだろ」

「いいじゃん、昨日無事レポート出し終わってハレな気分だったから『アイアンマン』見直したの。そしたら楽しくて楽しくて」

「そうだなあ、じゃあ、Kaleidoscopeは誰が好きなの」

「私?ねえ主人公じゃなくてもいい?」

「全然いいよ」

「私イチオシは、ロキ様」





「きたよーイケメン好み」

「いいじゃん別に!トムヒめっちゃカッコいいんだもん」

「トムヒ?」

「トム・ヒドルストンだから、トムヒ。ロキってさ、悪役のくせに実は兄貴のソーが好きじゃない?そういう、ちょっと斜に構えたっぽいところも好き。世界を自分から変えなくても、その手助けができればいいじゃん?」

「結構見てるんですか?映画」

「海外ドラマも好き。トムヒが出てた『ナイト・マネジャー』なんて必見よ。DJ曼荼羅は?」

「じゃあ俺も脇役で行く。コレクターって解る?」





「『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のですよね?」

「お、storm、知ってるねえ」

「僕、好きなんですあの映画。音楽がめっちゃ良くて。サントラDLしました」

「さすが!お前解ってるねえ!70年代の曲ばっかかかるんだよな。俺がコレクターが好きな理由は、単に面白いから。やっぱし悪役だし、ちょこっとしか出ないんだけど、インパクト大でさ」

「あれでしょ?ベニチオ・デル・トロが演ってんでしょ?」

「確かそう。顔、コワモテなんだけど演技面白くて」

「ダヨネ」

「突然そばに立ってたりして驚かせたり。ちょっと不気味で、永遠の命持ってるっぽいイメージ」

「でも、よく見るとすっごくイケメンなんだよ、知ってた?」

「お前ほんっとにイケメン好きだなあ」

「ルンルン」

「で、stormは誰が好きなの」

「僕ですか?マニアックなの行きますよ。僕の贔屓キャラは、ジャーヴィス」





「ってお前あれ、声だけだろ?」

「だけど無茶苦茶カッコよくないですか?声だけしか出ないけど、アイアンマンの執事で相棒だし、いつも冷静で、でもすこーしお茶目っていうか」

「ちょっとした恋人みたいなのもいいのよー」

「なんだよKaleidoscope、今度はBLかよ」

「海外ではBromanceっていうのよ。単語として成り立ってるんだからね」

「いや、別に僕はそういう意味じゃなくて…」

「解ってるけど盛り上がってみたの。で?stormくんの意味は?」

「えーと、あの、表立ったヒーローもかっこいいけど、そのそばにいる人ってのが1番かっこいいなあって僕は思ってて。まるで本物の…」

「英雄?」

「そうそう!ヒーローたちが明日へ橋をかけられるのは、彼らのお陰じゃないですか」

「まあ確かにねえ」

「主人公がいくら拳を握ったって、1人じゃ解決できないって話のくだりも多いもんな」

「キャプテン・アメリカが千年の眠りから覚めて現世にDIVE出来たのだって、1人の力じゃないでしょう?」

「千年も寝てたっけか?…まあいいか」

「ねえ、なんだか私、マーヴェルの映画また見たくなってきちゃった。なんか借りてってみんなで一緒に見ない?」

「いいねえ。じゃあstormんち行って見ようぜ」

「DADADAダメですよ僕んちなんて!全然掃除してないし!」

「なんだよ落ち着けよ、気楽に行こうぜ」

「そうよ、連れてって連れてって!」

「マジですかあ?!じゃ、じゃあ先に行って掃除しときますから、なんか借りて後から来て下さい」

「食糧も持ってくから安心しろ」

「あ、ねえ、君んちはここから近いの?」

「ええ。近すぎて、迷う道なんてないですよ」





徳永暁人さんの配信ライブRoot109のDAY2の曲名が全部入っているのですが、お分かりになるでしょうか?w

大変楽しませて頂きました。次は有観客でブルーノートだそうですが、配信もあるといいなあ。




 


文:見る “TM NETWORK streaming live HOW DO YOU CRASH IT ONE”







虚構大学 妄想学群キャンパス内 図書館前


Part7

Title : “I am”


 「あの、Axisさん…Axisさん?」

「…え?あ、ああ、ごめん、stormくん、聞こえてなかった…イヤフォンしてて」

「どうしたんです?こんなとこで。ROOMの日ですよ。大賀くん来ますよ。行かないんですか?」

「うん、行くんだけど、時間あったからこれ見直してたの」

「…ああ、TM NETWORKの配信ライブですね」

「君、TM知ってるの?ジャズが好きなんだと思ってた」

「ジャズが1番好きですけど、僕、鍵盤弾ける人が好きで」

「じゃあ、TKが好きなんだね」

「はい」


「Axisさん、さっき、なんだかぼうっとして見えましたけど」

「うん。考えてたんだ。タイトルのこと」

「タイトル?」

「ほら、この “I am”ってヤツ」

「それが、どうかしましたか?」

「昔のTKの曲にさ、 “I BELIEVE”ってあるの知ってる?」

「ええ、知ってますけど」

「あれさ、最初に聞いた時、私、腑に落ちないっていうか、違和感感じたの」

「なんでですか?」

「believeって単語は基本的には他動詞でしょ?だから目的語がなくちゃおかしい訳よ。こんなとこで切ったりしたら、何が言いたいかわからなくて、中途半端だなあって」

「…Axisさんらしいですね…」

「だってさ、何を信じればいいの?そこがなくちゃ、わからないでしょ?」

「…まあ、そうとも言えますけど…」

「で、そこからの、I am じゃない」

「もっと腑に落ちないんですか?」

「ううん、逆に解ったの」


「何をですか」

「何を信じればいいかわからなかった過去はもういいのよ。そうじゃなくて、今ここに『ある』ことが大事なのかなって」

「どういうことですか」

「be動詞ってのは、存在を表す動詞なの。I amだけじゃ文章にはならないけど、自分がここにいるよって言ってることは確かだろうと思う。とすれば、今のTMが言いたいのは、何を、誰を信じるにしても、大事なのは、『ここにいる』ってことだよって、そういうメッセージなのかなって」

「…そんな難しいこと言ってます?この曲…」

「いや、本当のとこはわからないわよ、私だって。でも、少なくとも私には、そう思えたの。自分を信じることも大事だけど、もっと大事なのは、今自分がここにいること、そう思ったらなんか、『大丈夫だよ、前向きになろうね』って背中押された気がして」

「…Axisさん」

「何」

「それ以上前向きにならなくて大丈夫ですから」

「何それ!?」

「さ、行きましょうよROOMへ」

「ちょっと!ねえstormくん!」





TM NETWORKが「再起動」しました。彼ららしい姿でした。

年を重ねても、さまざまな波があっても、彼らは彼らでした。

それがとても嬉しくもありました。

彼らを好きだった自分を以前よりも好きになれました。

TWOも楽しみです。


文:見る “Root 109 DAY1”







虚構大学 妄想学群キャンパス内 生協2F カフェグリル


Caution

#Route109 2021年Part1の、ある意味完全なるネタバレを含みます。

ご了承の上お進みください。


Part 6

Title: 気分はSuper  Boy!


 「こんにちは、『雪華』コンビ」

「あ、こんにちは、Axisさん!相変わらず髪、超キレイー」

「今からバイトですか?家庭教師の」

「うん。2人は?もう授業終わりでしょ?ここでお茶しなくてもスタバとか行けばいいのに」

「DJ曼荼羅さんを待ってるんです。今夜約束してて」

「曼ちゃんと?」

「ええ。Axisさんは、徳ちゃんの配信ライブって見ましたか?」

「ああ、それさあ、時間あるかわからなくて申し込んでないんだよね…」

「えええ!あれは絶対見るべきですよ!」

「そうなの?心揺れるなあ。で、それが曼ちゃんとどう関係があるの?」


「実は、こないだ配信初日に、私達と曼荼羅さんと、私たちの友達で徳ちゃんファンのはるかぜちゃんと一緒に見たんです」

「そのつもりだったんです」

「ところが」

「はるかぜちゃんったら」

「私達にも内緒で」

「いきなり」

「彼氏を!」

「連れてきて!」

「それも!」

「社会人の!」

「彼氏ですよいきなり!」

「Axisさん!」

「どう思います?!」

「…あんた達2人、息合い過ぎでしょ…」


「で?それに曼ちゃんはどう絡むの」

「曼荼羅さん、はるかぜちゃんが好きだったみたいで」

「ええ!?」

「最初はもうノリノリで、気分いいぜ!って感じで来たんですよ」

「なんなら俺、今日彼女のことロックしちゃうぜ!ってくらい意味不明な感じで」

「でも曼ちゃんのことだから、きっと心のどこかではビクビクしてたと思うよ~。俺をガッカリさせないでって思ってたんじゃない?」

「多分そうです」

「で、始まって少ししてはるかぜちゃんの彼氏が遅れてきて…」

「いつもこころそばにいたって思ってたら」

「そうじゃなくって」

「気分は」

「飛び散るバタフライ」

「実写ヒーローが手強い敵に会った時みたいな落ち込み方でした」

「いつも彼女を思ってた時は」

「幸せだったはずなのに」

「突然吹きすさぶ風の中で」

「彼女と伝達破綻ですからね」

「…なるほど。それは曼ちゃんもショックだったわね」


「ええ、はるかぜちゃんの彼氏が社会人だったから」

「小声で、大人が大嫌いだったとか言い出して」

「でも、一緒にライブ見ていくうちに、徳ちゃんカッコいいし、神戸校舎から来てくれたKEIさんのギターもめちゃ渋いし」

「雪ちゃんイチオシの車谷くんもめっちゃカッコよくて!さらに選曲すっごくよかったからからか、段々元気になってきて」

「まだ負け犬なんかじゃねえ!って一緒に歌い出して」

「そうだ俺の旅は今からなんだ!って」

「まるで火ノ鳥みたいな復活劇!」

「最後にはニッコリ笑ってはるかぜちゃんと彼氏を送り出して」

「それで私達に、今日は俺は普通じゃなかったから、よかったら一緒にもう一回見ないかって」

「提案してくれたんです」

「あ!そうだAxisさんもよかったら一緒に見ませんか?」

「え?」

「そうですよ!私達、今夜夕飯にサムゲタン作るんで、バイト終わったら食べに来てください!それで、DJ曼荼羅さんと4人で一緒に見ましょうよ!徳ちゃんの配信ライブ1回目!」

「で、でもあなた達がお金払って見るんでしょう?私、悪いわよ」

「何言ってるんですか!」

「そうですよ!」

「もしよかったら!」

「2回目の配信の時!」

「Axisさんが!」

「お金払ってください!」

「…あ、あんた達2人、息合い過ぎだから…」





徳永暁人さんの配信ライブRoot 109 に寄せて書きました。

なぜか見ているのはROOM OHGAのメンバーという(笑)。

インスタに載せたものの再録です。




文:見る三連発「ONE・#01・109」UNITE#01@YOKOHAMA, ROUTE 109 DAY1, HOW DO YOU CRASH IT (ONE)



 恒例となりつつある、海外ドラマあるある。思いがけないものに出会い、惹かれるということ。例えば「マダム・セクレタリー」。まさかアメリカ大統領のもとで働く国務長官の話がこれ程面白いとは思いもよらなかった。





 ポリティカル・ストーリーは嫌いではない。「ハウス・オブ・カード」なんて夢中になって見た方だ。しかしながら入り組んだストーリーや馴染みのない他国の政治の仕組みなど、理解するだけで一苦労という場合も少なくない。


 その点、「マダム・セクレタリー」は、主人公の主たる任務、つまり「外交」に話を絞り、そこを重点的に描くことで、次第にその周辺の政治の構図も解ってくるという、実に巧みな描き方をしているので、初めて見るモノにも比較的優しい。さすがはベテラン俳優モーガン・フリーマンが製作に絡んでいるだけのことはある。彼はそれぞれのシーズンの第1話目にちょこっとだけ登場するが、出てくるだけで「おお」というオーラがあるのも素晴らしい。


 でも何がいいかって主人公ベスよねえ。声を荒げることなく、時に柔軟に、時に過激に、国を動かしていく。ロシアに頭を悩ませ、中国とギリギリの交渉を重ね、フランスに嫌われ、中東各国の信頼を得る。


 潔癖なだけでない駆け引きにも身を投じ、臆することなく前に進むかと思えば、家では、地球外生物としか思えないほど良く出来た大学教授の夫(スパイになったりもするんだけどね(笑))に愚痴ったり、しょっちゅう喧嘩したりもする。


 3人の子供たちはそれぞれ、惚れてはまずい男にばかり引っかかったり、進路に悩んだり、学校で問題を起こしたりと、それはもう奔放で、親は呆れたり叱ったり褒めたり抱きしめたりと大忙し。


 ベスの元で働く部下達も、疎遠だった息子から急に連絡が来てみたり、殺された恋人は実はCIAの潜入捜査員だったり(このパターン多いよねえ(笑))、別れた妻と親権を争うのに疲れ果ててみたり、自分のセクシャリティを誰にも言えずに悩んだり、自分が辛いからという理由で恋人を捨ててみたりとこれまた大忙し。


 つまり、誰が見ても感情移入できる、そんなドラマだということだ。おススメ。







 普通なら考えられないペースでライブを楽しめる、というのも、配信ならではの特権で、まるで連日フェスにでも来ているかのような感覚でここのところ配信ライブを見ている。


 そんな中、思わぬ拾いものをしたかのような気分にさせられたのが、B'zがオーガナイズしたUNITE#01@横浜での、GLAYのライブだった。


 先に言っておくが、B'zサイドももちろん最高だった。大好きを公言して憚らない大賀くんのプレイや表情はもちろんだが(ぶっちゃけ言えば大阪の時くらいもう少しアップが欲しかった。とはいえ、GLAYとセッションしている時の大賀くんのめっちゃ楽しそうなキラキラした笑顔にはファン以外の人も魅了されたに違いない)、神ドラムと称される青山英樹くんのパワフルなドラミングにもやられたし、キーボードのケンちゃんの手も笑顔もすっごく輝いていたし、激し過ぎるプレイスタイル以外の場面ではちょっと暗めに見えてしまうことの多いYTでさえ、最後に少しだけはにかんだような笑顔が見えて、好感度が上がったのは言うまでもない。とにかく、サポートメンバーは、見応え聞き応え共に充実しまくっていた。





 そして何よりも、大阪・横浜通じて素晴らしかったのは稲葉さんの呼びかけだ。折に触れて唇に指を当てて「シー」とジェスチャーして声を出さぬよう促したり、最後には真っ直ぐ帰ってくださいねと必ず伝えたり、オーディエンスのマスク姿=協力を称えたりと、全編に渡って真剣にこの有観客ライブの成功に心を砕いていたのがよく解った。


 だから、稲葉さんからは特にライブ中にコメントはなかったけれど、きっと、最初から配信ライブを選択した、いわばアウトサイダーであるオーディエンスのことも、心に留めておいてくれたのではないかと勝手に思っている。


 そこにいるだけが観客じゃない。想像力があれば、見えないものがきっと見える。生ライブがいいなんてことは言わなくても誰も解っている。ファンなら誰だってそこに行き着きたい。だからこそあえて言わないだけなのだという、その想いを、稲葉さんはしっかり受け止めてくれていたからこそ、感染対策という一見野暮な約束事について、一瞬たりとも怯むことなく当たり前のように口にし続けてくれていたのだろう。そしてそんな稲葉さんがいるからこそ、私達は、次のB'zも楽しみにすることが出来るのである。




 で、GLAY。

 彼らの作った、最高に楽しい冒頭のビジュアルで、今回のUNITEを「世紀のセメントマッチ!」と謳ってめちゃくちゃ盛り上げてくれていたけれど、こんだけB'zサイド褒めといてなんだけどさ、あのね、今回のライブね、もし勝ち負けがあるのならね、私はね、あえて言うけど、GLAYの勝ちだと思うよ(笑)。


 まずね、彼らは今回きっと、オーガナイズがB'zな訳だから、自分達のがアウェイだと思って来てるんだろうなって思ったの。それはね、頭上のモニターに、自分達の楽曲の歌詞が全部出るのを見たから。


 あれはすごい心遣いだと思った。ほんと、お見事としか言いようがない配慮。ほら、声出して歌えないじゃない?だからだと思うんだけど、僕たちと一緒に歌詞を、胸の中で歌ってねって、そう言いたかったんだろうなあと。または、B'zのガチのファンに向けて、僕達の歌も味わってみてくださいという、言ってみればお名刺代わりに歌詞を出すという感じだったのかな。凄い気配り。GLAYっていつもこうなの?もうあれ見ただけで拍手だった。


 また、挨拶も素晴らしかった。TERUさんの「僕達の音楽と、音楽を演奏するものたちを守るためにも、どうか対策をしてください」的なことを言ってくれたよね。あのストレートだけど、最も大事なことを、わかりやすく伝える言葉の選び方。天晴。


 またそれでいて、常にB'zに対しての礼儀正しさとリスペクトを忘れない、その腰の低さ。「大好き」「最高」という言葉を一体何回彼らは言ったろう。B'zと共に演奏出来るという、何にも代え難いほどの彼らの喜び、興奮、感謝、全てがこちらに伝わってきて、見ている私達もGLAYが「大好き」になってしまうくらいだった。


 言葉と言えば、後日談だが、TERUは配信初日に自分のTwitterで「一緒に体感したかった人もっとたくさんいたと思いますが、今日やっと体感できます!」と書き込んでくれていた。どうだろう、この思いやりある言葉は。少し泣ける心持ちさえした。


 ステージも素敵だったと思う。アグレッシブなだけでない、少し落ち着いたプレイスタイルがとても心地よかったし、稲葉さんも言っていたように、ルックスも含めて全てに「華」があった。それは一重に、B'zに対して、そして直接間接問わず彼らを「見る」ことになるオーディエンスへの気持ちの表れであったように感じる。


 まあさ、何より、いい曲なのよ。ほんと。気持ちいいコード進行で、明るいだけでない切ない部分がたくさんあって、聞いててとてもしっくり来た。ヒットソングだけじゃなくて、新曲の“Bad Apple”なんて私には結構ツボ。


 でもさ、何より良かったのはさ、「彼女の “Modern…”」でしょ(笑)。いっやあ私あの歌好きだなあ〜!あの歌詞の世界観が好きだし、メロも実にいい。激しいのに切ないのよ。GLAYってそういうの、得意なのかもだけど、この曲大好き。B'zとセッションしてる時のGLAYも良かった。HISASHIが松本さんと演ってると慌ててステージを走って(笑)駆けつけるTAKUROとか、JIROと向き合って歌う稲葉さんとか、TERUが松本さんと背中わせになるとか、見どころが満載で、実際参加した方からのツイートに「どこ見ていいかわかんなかった」と書いてあった気持ちが理解できた(笑)。


 また同じ理由で、「ウルトラソウル」をB'zサイド全員とGLAYが演ったのも最高だった。特にTAKURO、HISASHI、大賀くん、松本さんとギターが4本になる、いや待て、YTもあの時はアコースティックギターだったから全部で5本(笑)ステージに揃ったのも圧巻だった。個人的には大賀くんが満面の笑みでTAKUROやHISASHIと演奏しているのを見て昇天しそうだった。





 美しい花々がぱあっと咲いたようなステージング。見事だった。まあ、お門違いと叶わぬ思いを承知で言うなら、「彼女の “Modern…”」、大賀くんにも入って演奏してほしかったかなと。

 そんな訳で、UNITE GLAY横浜編、心でも身体でも堪能させて頂いた。今までも好きな曲何曲かあったけど、あらためてちゃんと聞こうかなと思った、 GLAYを。

 穴場のオススメとして、GLAYの「残酷な天使のテーゼ」のカバーがあって(今は配信だともうないみたいだけど)、これが悶絶するほどカッコいい。何かのシングルのカップリングだったのかな?私はパソコンに入っているので、今度iPhoneに移そう。






 さて。

 「生も配信もないよね」と言い切り、爽やかな笑顔で配信オンリーライブを大絶賛パフォーマンス中なのが、徳ちゃんこと、doaの徳永暁人さん。ちょうど “Route109 Live”のDAY1が終わり、DAY2の配信を待っているところである。




 業界的に何らかの理由があるのかは知らないが、この時期様々な配信ライブがバタバタと重なり、徳ちゃんのそれはB'zと丸かぶりで、見るのは大変忙しいのだが、実際には不可能なライブの「ハシゴ」が可能になっちゃうのが配信の良さであり、私も徳ちゃん見た後B'zとか、逆のパターンとか、色々と楽しませてもらっていた。


 配信ライブを最初から見据えているためか、ステージは実にシンプルな分、プレイヤーそれぞれの顔や手のアップが多いのが特徴。表情や仕草など、生だとここまで見える訳がない、というところまでしっかりと見えて、ちょっとだけ嬉しさが増す。


 また、楽曲の選び方も秀逸で、聞き応えがあるだけでなく、エンタメとしての役割もしっかり果たしていた。緩急をつけて見るものを飽きさせないのは当然として、凄いなと思ったのは、見ているのではなく「聞いている」、つまり映像を眺める余裕はなくても音声だけは楽しめる、という人にも向いている選曲だったと思う。トークも含めて。結果的に、映像を「流す」回数は増える。私も3日間で、B'zや後述の別の配信もあったにもかかわらず、5回は聞いたり見たりした。時間も1時間強でちょうどいい長さであった。


 「配信も生もないね。同じように興奮するし」というようなことを語ってくれていたように記憶している。きっと、同じように楽しいし、同じように緊張感を持って臨んでいるし、同じように目の前のみんなを感じながら演っているよ、と言いたかったのではないかと想像する。違ったらごめんね徳ちゃん(笑)。


 この時期にライブ、という場合、かなり迷ったのではないかと思う。やろうと思えば出来たかもしれない、有観客で。小さい箱にするとか、やりようはあったろうし。しかしながら、そこをあえて無観客にし、最初から配信オンリーにしたことの潔さを、私は心から讃えたい。少なくとも「観客がどっちにしようか迷う」という命題=ストレスからは、我々も徳ちゃん側も解放される訳である。ある意味では、我々に対しての思いやりとも言える。そしてその分、徳ちゃんはもしかしたら、我慢してくれたのかもしれない。そんなことさえ考える。


 セットリストだが、個人的にはdoaの曲を歌ってくれたのが良かった。大人のあれとかすごく刺さった。デビュー曲もラストの曲もかなりムネアツだった。それと、当ブログでも紹介させて頂いた、英語の歌詞がかなりとんでもないことになっている “Don’t Let Me Down”が聞けて嬉しかった(笑)。


 ドラムの紹介の際、「Sensationの車谷くん」と呼ばれたのを聞き、私まで嬉しくなってしまった。しなやかで、キレが良くて、タイトなのに温かみのある音。青山くんとはまた違った味があり、とても良かった、車谷くんのドラム。KEIくんのギターもちょっと前風に言えば音が「いなたい」感じで私は好き。アメリカンな空気感とでもいうか。さあ、次はDAY2。心から楽しみだ。




 更にもう一つ(うわーここまでで原稿用紙換算で10枚以上書いているw)。


 私の魂のルーツ、とも言えるTM NETWORKが「再起動」した。そのライブ映像の第1回目の配信も同じ時期にぶつけてきた。全く何なんだ、と言いつつやはり見ない訳もにいかず、配信初日に見た。





 TMの場合、元々、観客がいるとかいないとかいうことよりも、ライブ自体が1つの「ショウ」として捉えられてるようなところがあるので、目の前に見ている人がいてもいなくてもあまり関係ないようだった。その「映像美」の中にこそ彼らの特有性が存在するのだし。そう思うと、TMは今この時代に、最もマッチしたライブが出来る=映像を作れるバンドのひとつなのかもしれない。


 最初少し歳を重ねたかに見えたウツだが、曲が進むにつれてどんどん若くなっていくように感じた。これは凄い、さすが、TMのフロントマンはこうでないといけない。そしてそれとは対照的に、最初から全く歳を重ねたように見えなかったのがキネちゃん(笑)。違う意味で凄い。ダブルネックの小さめのエレキギターを見た時、「あ、ダブルネック。大賀くんみたいだ」と一瞬思ってしまったのは私だけだろうか。




 そして、TK。

 私はその昔、3人の中ではTKが1番好きだった。

 多分、本当の意味で「恋」をした最初のミュージシャンではないかと思う。


 やんちゃなくせに繊細で、大胆なのに寂しがりや。太々しいのにお人好し。反発するS極とN極を自分の中に飼い慣らして、弄んでいるうちに、いつしかそれに疲れてしまう。そんな、危うい魅力を持った人に思えた(こんな人に惹かれるくらいだから、私のリアルな恋愛なんて、うまくいくハズがなかったのよねえと、今更ながら思ったりする。嘆息(苦笑))。


 でも今、TKは違った。

 彼の作る歌は、もっと穏やかで、優しくて、少し物憂げで、でも温かい眼差しで世の中を見ていた。懐かしい歌もとても良かったけれど、今の歌かなと思わせるものもあり、それがとても新しく、美しく、心地よく響いた。酸いも甘いも味わってきた人だからこその、視点。そんなのも心を打った。


 人間、いろんな経験をして初めて解ることもある。TKと一回り違う私にも、そのことがうっすら解るようになってきている。だからか、彼の作る楽曲に、昔はなかった魅力を、昔と同じように感じた。今、彼に恋はしないけれど、あの時彼に恋した自分を今なら肯定してもいい。


 最後に思う。TKに、ウツとキネちゃんがいて良かった。本当に良かった。それだけで鼻の奥がツンとした。





 B'zもTMも週末まで。徳ちゃんの2日目は週末からスタート。まだ目が離せない。まだ聴き足りない。そして多分きっとまだ愛し足りない。思いがけないところにまだ気づいてない煌めきがあると思うから。

 さ、今夜も見るかな。









文:見る “Yes, I’m looking for you” B’z presents UNITE #01 @OSAKA streaming live version




 自由英作文の練習のお題に、「過去、または現在の偉人と話せるなら、誰と何を話したいか」というテーマがある。大体100語前後で答えるのが通常で、誰と何を話したいか理由を組み入れるのが模範の書き方である。

 ここには架空の、という設定は含まれないはずなので、例えば「ドラえもん」を挙げるのはお題に反することになる。シャーロック・ホームズもそう。しかしながら、ホームズを生み出したアーサー・コナン・ドイルと答えるのは模範解答例である。

 とはいえ、ドイルといえば当然ホームズな訳だから、この作文をチェックする読み手としては、次に何が語られるか解ってしまう分、サクッと添削できるけど、目新しさはない。そこでここで個性を出したい。例えば次のような質問で。

「これまで映画やテレビで演じられてきた全てのシャーロック・ホームズの中で、あなたの1番のお気に入りはどれか。それはなぜか」をドイルに聞いてみたいとか。

 ロバート・ダウニーJrの演じた些かマッチョタイプのシャーロックかもしれないし、カンバーバッチくんが演じた繊細さと大胆さが備わったタイプかもしれない。或いは私の大好きな、ジョニー・リー・ミラーのNY版ホームズかも。


 今、私が偉人と話せるなら、即座にこう答えるだろう。

 私は、松本孝弘さんと話をしてみたい。

 偉人と呼ぶにはまだ若過ぎるかもしれない。しかしながら彼は間違いなく、今回のライブを成功に導いた主たる1人として、この先名を残すに違いないと思うので、彼の人生においては少しフライングだが、松本さんをチョイスしたい。

 いつものように軽々しく「まっちゃん」と呼びたいけれど、もしも目の前にいたら絶対そんな風には呼べないので、松本さんと呼びかけてみる。

 松本さん。

 UNITEをオーガナイズすると決め、実行するに至り、無事に終わったと言っていい、今だから聞きたい。その瞬間瞬間、あなたはどんな気持ちだったのか。どんな気持ちでことを運び、実行すると最終的に決定し、リハーサルをし、会場に入り、客席を見た瞬間、どう思ったのかと。そして今、どんな気持ちで配信を迎えているのか。


 いつになく柔らかい笑顔の松本さんを配信で見た瞬間、頭の中にそんな質問が浮かんでいた。





 ここには、配信ライブを見た感想もだが、この配信に至るまでの間の雑感を含めて書きたいと思う。いつか読み返して、ああ、こんなことがあったなと思えれば1番いいと思うから。

 もちろん、大賀くんの話は書くが。



 ライブが行われた日のTwitterを見ていて、ミスチル、B'z双方のファンが、互いに温かいコメントをしたり称えたりするのがとても心地よかった。綺麗事で言ってるんじゃない。その場に行くまでに躊躇いがなかった人ばかりではないだろう。迷いながらも会場に向かい、そこで袖擦りあった客席の人達の真剣さに触れ、自分もその中に入り、ステージ上にいる真剣なミュージシャンとがっぷり四つで組み合い、ライブを成功させた。そのプライドと、思いやりと、興奮とがないまぜになった結果の、讃え合いだったのではないかと思う。


 正直言うと、もっともっと、「まじ行ってよかった」「生はサイコー」「目の前で見てこそライブ」的な、こう、行ったもん勝ちなコメントにバシバシ触れるかとも思っていたのだ。Twitterだし、レアな気持ちがそのまま乗っかる媒体だから。ところがそうでもなかった。みんな、「感染対策しました」とか「ステッカーもらいました」とか、中にはTwitterではなかったと思うが、「声出せなくて苦しかったけど頑張った」とか「知り合いに会ったけど挨拶もそこそこに別れないといけなくて残念だった」といった、ある意味配信組と同じような、痛み分けとも呼べるようなコメントも散見し、ああ、行った人は行った人で大変だったんだなと、むしろこちらが気遣いたくなるような気分にさえなった。

 まあ、それでも行ってすぐ傍で見てるんだからいいじゃんって考え方もあるとは思うけど、いや、そういうもんでもないだろうと思う。彼らは彼らで、すごくキツい思いを強いられて参加したことが読み取れた。


 しかしながら。


 チケットが取れて行こうとしたけど周りに止められた人、自ら踏みとどまった人。

 地方に住んでいてチケットを取るというところにさえ気持ちが行かなかった人。

 行けば行くことの出来る場所に住んでいるけれど、家族や職場のことを考えて遠慮した人。


 理由は様々だろうが、今回、チケットを取ることさえ、会場に足を向けることさえ叶わなかった人が、一体どれくらいいるんだろう。

 その人達の悔しさは、一体如何ばかりか。私も含めてね。


 どこにも書いてないけど、これは私のブログだから書いてもいいかなって思うから、書く。というか、吐く。

 行きたかったに決まってんじゃんよ。どんなことをしてでも行きたかったよ。見たいに決まってるでしょ、そんなもん。触れたいに決まってるよ。

 だって大好きなんだよ?何よりも大好きって言ってもいいくらい好きなんだよ?まあ、狂ったようにとまでは言わないけど、生きる糧になるくらいには大好きな訳よ。その人に会えるチャンスだったんだよ?そんなもん、私だけじゃなくて、誰だって同じはず。


 聞き分けのいい優等生みたいなことばっかしなんて言ってられないことだってあるのよ。人の話を聞いて心から嫉妬することだってあるの。どうしてあの人にできることが自分には出来ないのよって、歯痒く思うこともある。あの人が行けるのにどうして私はダメなのよって、考えても仕方のないことを思う夜もあるの。

 だって人間だもの。by相田みつを。


 ああスッキリした(笑)。

 どっかで吐かないと気が済まないとは思ってたんだよね。ここ、過疎ブログだからいいよね(笑)。


 まあ、行けない、行かないというチョイスをした私のような人の、こんなもどかしい気持ちを、少しでも解って頂けたら幸いに思う。





 とまあ、そんなことを考えながら配信を見たんだけど。


 

「どれだけ離れ 顔が見えなくても 互いに忘れないのは

必要とし 必要とされていること 

それがすべて 他には何もない」


「いままでもこれからも

約束などすることはないだろう

誰にも真似できない 同じ夢を見よう」


「この声が聞こえるかい

今なら聞こえるかい どうか苦しまないで」



 “Calling”を聞いて久しぶりに泣けた。

 これってさあ、無茶苦茶都合いいように解釈するけど、配信組に向けて歌ってくれたのかなって、ふと思った。もちろんもっと広い意味で歌ってくれたんだろうけど、なんかもうやたら端末画面のこっち側にいる自分に向けられているようにさえ思えてね。

 「ミエナイチカラ」もそう。ステージの彼らにとったら、見えないオーディエンスがいる訳じゃない?時空の向こう側にさ(配信日、間隔空いてたしね(笑))。


「会えるさ。てか会ってんじゃん。見えてないだけで」


 そんな言葉をかけられてる気さえした。都合よく、さ。

 幸か不幸か私の趣味のひとつなので、その場にいた自分を空想=妄想?することはできた。友人Kと共に。

 じゃあ、Kちゃんと一緒にいたとして。話も自由に出来る状態だったと仮定して。彼女と何を見て、どんな話をするかと言ったら当然ワタクシは、大賀くんの話しかしない訳ですよ(笑)。


 笑顔が多かったですねえ、今回。というか、いつも同じくらい笑顔なんだけど、カメラで抜かれてるタイミングが最高でしたね。いくつもいい表情があって、見ている方はギタープレイだけじゃなくてそっちでも堪能できたというね。

 “love me, I love you”だったと思うが、最後にめずらしくこう、腰を「キュッ」としたり(見てくださいまじで)、“BANZAI”では1人で大きく抜かれたり、最後の写真のシーンではこれまたテンション上がってか珍しくちょっとだけ顔崩してみたり。

 って、あのさあ、ギターを聞けよギターを(苦笑)。いやいや、聞いてるよ聞いてるって。でもさ、久々にステージの大賀くんだからさ、見てるの嬉しくって嬉しくって。


 …ああ。

 …そうか。


 生だとか配信だとか、関係ないなあ。

 うん。





 大賀くんの見どころのひとつがSwitching。スタンドにセッティングしてあるアコースティックギターを弾いてたかと思えば即座に肩にかけていたエレキに移っているという早業。でさあ、このアコギの音がいいんだまた。あの曲もあの曲も、B'zはイントロにアコギが出てくるのだけど、それを全て彼が担っている。また、イントロといえば、松本さんがグイーンとトーンを伸ばす裏で聞こえる細やかな音ももちろん大賀くんが弾いている。


 なんていうのかしら、そういうさ、これがあるからこそ上で鳴ってる音が気持ちよく聞こえるという、その「これ」の部分を一手に引き受けてるんだよね。松本さんと目を合わせてニコニコしながらタイミングを図るシーンは、様々に注目される場面だけど、あれは抜かりなく隙間なく合わせないと気持ち良くないからなのよね。だから鼓動のタイミングや呼吸のタイミングまで合わせているかの如く、目を合わせて心を合わせて、決して逸らさないんだと思う。美しいよね、あのシーン。どこまでも美しい。松本さんのソロアルバム「Enigma」の特典でついてきた、ブルーノートのライブを見直してみると、それがよく解る。この頃からずっとなのよね、大賀くんは。そして私は、それを見て以来彼を好きになったのよね。と、見直してあらためて思った次第。


 ところで私の注目ポイントはもうひとつ。ドラムの青山英樹くん。最高だったわ。

 タイトなのに力強く、しかもリズミカルに跳ねるような空気感もあるドラミングが、体にも心にもバシバシ響いてくるのよね。さすがは神と崇められるだけの御仁。若いっていいなあ。こんなにも体力使ってんのに、汗ひとつかいてないように見えた。いや、実際はかいてるんだろうけど、涼しい顔してやってるのがいいのよ。そういえば私の好きなドラマーは割とこう、汗かかないタイプかもしれない(笑)。まあ、あくまでもイメージね。

 大賀くんと共に、またB'zでやってくれないかしら。彼のドラムは本気で生で聴いてみたい。生でなくても、配信でもいいから、また聞きたいなあ。ブルーノートで近頃あったライブは配信がなかったんだよね。配信あったらぜひチェックしたい。






 “love me, I love you”で、稲葉さんが松本さんに寄って行き、ギターを弾く松本さんの顔を少し覗くような仕草をする。「ね」って感じで。すると松本さんはふと気付いて、「うん?」って感じで稲葉さんを見て、そして微かに、ほんの少しだけ笑みを浮かべる。

 これはさあ、配信じゃなきゃ解らない、超ド級の幸せを感じるシーンだ。「弾丸」の時に青山くんのドラムの脇にいた大賀くんが見せてくれた極上の横顔の笑顔にも匹敵するくらい。


 ほらね。やっぱし。

 私、楽しんじゃってるじゃん、配信ライブ。

 超ド級に。





 週末土曜日19時から徳ちゃんライブ1回目。その後21時よりTMネットワーク再起動記念配信ライブ。翌日日曜いっぱいまでが今回のB'zのUNITE@OSAKAの配信。翌日月曜よりUNITE@横浜のはじまりはじまり。

 ちなみに。

 UNITE大阪初日は、私にも「初日」だった(夫も)。そして今回の徳ちゃん1回目、つまり「徳の日」が、私の「2回目」。

 UNITEと徳の日が「あの日」とはね。どこまでもイベントライクな私の人生よ。