文:行く見る聴く泊まる「『本日の主役』は誰だ!-Rock’n Hotel 2023 ~OSAKA GIGS~ (2023年8月19日@センタラグランドホテル大阪)」


 5月に行われた、夢にまで見たランチ&ディナーショー=ライブ@ホテル、題して「B'zのサポートをしたことのある増田隆宣さんはじめ実力派の皆さんが集まって今度は主役になってライブしましょうフェス」(勿論こんなタイトルじゃない)の第2弾が、こんなに早く、この夏に大阪で開催されるとはそれこそ夢にも思わなかった。必ずやあるだろうとは思っていたけれど、早くても今年の冬辺りかと勝手に想像していた。


 次も絶対参加したいな、でも冬だったら仕事的に無理だろうなと漠然と考えていたので、夏にやるんだってよ、と聞いた時には是が非でも行きたいと、いや行こうと思った。たとえその日にはずっと前からの「予定」があったとしても。


 その日の予定=某大物ライブ(苦笑)に心から行きたいと願っていた親友Kちゃんには本当に申し訳ないと思った。思ったがここは譲れない。

 この日に某大物ライブのチケットを取ったのは、私が仕事的に最も楽に行けるであろう日程だったからだ。増田さんは、わざわざその「私的に一番外出しやすい日」を選んでライブして下さると言うのである。勿論増田さんの勝ち(笑。


 寛大で人間の出来たKちゃんは、こんな我儘でクズの私を許してくれた。そして我々はその後即、某大物ライブの別日程のチケットを取り直すことで無事解決に至ったのであるw

 私が取った、結構いいはずのシートにはどなたが座ったんだろう。会うことなど叶わないが、どんな風に見えたかだけでも是非聞いてみたい。





 「前から欲しかったいい車(中古)買ったんだから、長距離ドライブに行ってみたいでしょ?」と再び夫を騙くらかし、大阪までの道中を車で移動する約束を取り付けた。ちなみに夫は毎年一人で鈴鹿にF1を見に行っているので、何もここで長距離ドライブに行かなくてもよかったのだろうが。

 今回、往復の疲れと引き換えに彼もライブを、そして大阪トリップを楽しんでくれていたならいいなと思う。


 ライブ約1ヶ月前、チケットを無事ゲットし、会場となったセンタラグランドホテル大阪の宿泊予約を済ませると、途端にいろんな考えが湧き出てきた。

 夏のお祭りイベントといえばやはり「フェス」。今回のショーもある意味ではフェス。フェスは参加者がどれだけ自発的に楽しむかが鍵となる。そこで、前回と同じようにランチショーとディナーショーの間に着替えることを含め、様々な方向からの楽しみ方をしようという気になった。ライブ前から、自宅であれやこれや仕込んでいる間もとても楽しかった。


 当然ながらコロナ禍は未だ完全収束とは行かず(相手はウイルスなので収束はしても終息はしないんだろう)、セルフ判断でマスク片手に参加な訳だが、それでも気をつけてさえいれば向こうもこっちに近づきにくくなることは確かで、自分が安心してエンジョイ出来るのなら、この先も「マスク完全撤廃」にならなくてもいいくらいに思っている。友達とお酒を自由に酌み交わせる時期が来ただけで私には御の字。





 8月19日当日。

 4時起床。

 夜逃げでもするのかというくらいの大荷物を車に詰め込み、5時に出発。行きは静岡側から入ろうと決めている。出掛けは曇っていて富士山も恥ずかしげにしか見えない。新東名の静岡方面に乗ったのが5時32分。朝もやのかかる山々を超えて漸く見えた朝日が眩しい。


 6時22分清水。静岡のFMを聞いていると、ゴルファーのための情報だけが流れる早朝の番組があり、ナビゲーターのお兄さんがいきなり「オッケー牧場!」と二度も言うのには死ぬ程笑った(朝が早過ぎて笑いの沸点が低かったこともある)。







 6時半過ぎにもう一人のヤングな同行者Pちゃんから、また7時を過ぎた辺りでKちゃんからメッセージ。今はこちらのが大阪に近いが、新幹線には敵わない。

 同じ頃こちらは浜松サービスエリアで朝食。新しいのだろうか、とても綺麗で充実のラインナップ。特に入り口付近のベーカリーが素晴らしい。夫はコロッケサンド、私はタルタルフィッシュサンドをチョイス。


 表に出て、日差しを避けながら食べていると、人懐こいスズメが1羽すぐ近くまでやってきて、足元に落ちていたパン屑を器用に食べている。テーブルの周りをチョンチョンとステップして暫く遊んだかと思うと隣のテーブル周りへ。こんな警戒心のないスズメ初めて見た。




 その後名古屋方面へ向かう。7時49分愛知県突入。四日市方面へ。圧巻の、大きな大きな橋。8時41分、「名港潮見」と書かれた案内板が現れ、左側には海が。高速なので窓は開けなかったが、多少は潮の匂いがするんだろうか。




 飛島ジャンクションの付近、シュークリームのような雲の下に観覧車が見える。調べるとどうやらアンパンマンのミュージアムのようなものやアウトレットなどが入ったアミューズメントプレイスだ。近づくとジェットコースターまである。真っ白い観覧車が青空によく映えていた。

 四日市ジャンクションまで1キロ。新名神を突っ走り車は京都・大阪へ。








 と、ここで休憩。9時24分、新名神高速道路、鈴鹿パーキングエリア。

 夫は鈴鹿へ行く際にはここは通らないという。だからこのPAへ降りるのは初とのこと。

 売店の入り口にかつて中嶋悟さんの乗ったロータスが展示され、ハミルトン、ヴェッテル、マックスの手形と、F1にちなんだものが見放題。みんな記念撮影。







 が、ここで遊んでいる暇はない。店内をすすっと流して車に乗り込み9時44分、信楽まで23キロ地点。ここで滋賀県の某FMをかけると

「あ~すーぱちゃーん♪」

 なんとカルロス・トシキ&オメガトライブの曲がかかっているではないか(爆笑。狭い日本ではあるが、令和の今オメトラの曲が聴けるFM局は滋賀県にしかない(奈良でも聞けた局だった気がするが笑)。


 信楽を過ぎた頃、Kちゃんから大阪なう、のメッセージ。まじか。ほぼ同時にPちゃんから連絡あり。お、ミッション完了だね。メッセージ内容に結構爆笑。10時6分大津。10時17分、京都山科。ああ何という趣きのある文字だろう。FMも相変わらず昭和テイスト。






 10時34分、いよいよ大きく吹田の文字が。茨木まで2キロというところで、やや上空を優雅に横切るジェット機。この高さのところを飛行機が飛ぶ辺りも、アジアの大都市の雰囲気たっぷりなんだよなあ。





 10時49分大阪市内へ突入。阪神高速入り口へ。車の窓から見上げると、どことなく見慣れたような雲と青空。今日の立役者のひとりであり、私のイチオシギタリスト大賀好修さんの大事なバンドメイト、Sensationのベーシスト麻井寛史さんがSNSで時々上げている空はこんな風で、ああ、これがあの写真の大阪の空なんだなと思うと感慨深い。





 10時57分梅田出口まで600メートル。カップヌードル、シオノギ、学習塾、不動産、ラブホテル。林立する大都会の高層ビルと雑多な匂いのする看板が絶妙なバランス。これぞ大阪。


 11時1分、道頓堀出口まで350メートル。なんば出口200メートル。急カーブに気をつけて。で、さあホテルだ目の前だってとこでどこに止めたらいいのか迷うお約束コース。





 しかしそのお陰で、東京とも横浜とも全く違う大阪の街をじっくり眺めることが出来た。様々な店のありようを見ても、物凄い都会なのに冷たさが余り感じられない。実際、夫は自由行動となったこの日の夜、ホテル近くのガード下で生中と一緒につけ麺を食したとのことだが、店に入りにくい感じはなかったようだ。


 無事にホテルへ到着し、大荷物を出して、KちゃんPちゃんと無事対面し、なんだかんだで漸くホテルの会場へと移動。と思ったら、エレベーターの脇にはライブの予告がばっちし。ものすっごくカッコいい電光掲示板。M Directionって増田さんの会社なのかなあ。こんなの作れちゃうセンスいい人がいるなんて感動。写真の選び方、並べ方、絶妙。






 殆どの人が既に中に入った後、会場入り口でQRコードでチェックイン、の前に、メンバーの皆さん全員へのささやかな差し入れを渡す。お席は横浜よりやや後ろ。今度こそ落ち着いて見られそうだとKちゃんと2人胸を撫で下ろす(笑。


 いや、前なら前でとってもとっても嬉しいのだけど、余り前過ぎると正直声も出せないんだよねw 掛け声とかあるじゃない?そういうのはさ、ちょっと後ろからだから出来るのであって、一番前でヒューヒューとか出来にくい。ライブというものに慣れ親しんだ身としては、前は前で楽しいけど、後ろは後ろで全然楽しめるんだよね。楽しみ方が違うというか。ライブってそういうもんでしょう、と私は思っている。





 お食事の最中、8人掛けの同じテーブルに、増田さんのオンラインサロンの会員の方がいらして、お話をしていたらいつの間にか手を引かれて隣のテーブルの同じく増田会員様たちにご紹介して頂いていた(笑。


 前から思っていたのだが、増田さんのオンラインサロンの皆さんは、落ち着いた方が多く(年齢層のせいじゃないと思う。年齢なんてどこのオンラインサロンに集まってくる方もそうは変わらない)、いつもにこやかで温かくて、新入りの誰にも親切である。「ランチの最後に写真撮りましょうね!」と私にまでお声がけ頂いたのだが、実は我々にはランチ後には速攻でホテルの部屋に戻らねばならぬミッションがあったため、ご挨拶もせずに失礼にもフェイドアウトしてしまったのだけど、もしもいつかまたお目にかかれる日が来たら、お詫びを言いついでに、私も再び仲間に入れてもらえたら嬉しい。


 ちなみにPちゃんもKちゃんも増田さんのオンラインサロンの会員である。Kちゃんは一度辞めそうになったのを私が引き留めた。「まあいいじゃない、あんなにいいものを(横浜で)見せてもらったんだから、もうちょっと入ってようよ。きっとまた面白いことがあるから」と言い、Kちゃんと説得した訳だが、その甲斐あってこうしてここのチケットが無事に入手出来た、というところに繋がってくるんだと勝手に思っている。




 お料理はまたきめ細やか。アジアンキュイジーヌでありながらヨーロピアンな香りが高い。前菜、魚料理、肉料理、バゲット類、デザート、紅茶かコーヒーと続くが、割とさらりと入る量で、内容もバラエティに富んでいる。特に真鯛の皮目が実にパリッと仕上がっており、フレッシュトマトやケッパーの付け合わせとバターのソースが絶妙だった。デザートの大きさはかなりきっぷがいい感じ(これはディナーへの華麗なる伏線ですw)。


 あ、ドリンクの種類も豊富だった。焼酎に「芋・麦」という選択肢があるのも流石。まあ私は白ワイン一択だったけどね(肉でも白しか飲まないという)。夫は食前酒のスパークリングワインの後で赤ワインとビールを貰っていた。昼から飲み過ぎだw





 お食事の後すぐに、当初から予定されていた、ライブの後のメンバーさんとのミーティング&グリーティング=「乾杯の儀!参加券抽選会」が。というか実はもう既に抽選は行われていて、番号の発表が行われる。

 これさあ、もしね、もしも叶うならね、バラバラに1人ずつ3人ってのもサプライズ感あっていいけどさ(全部で3人だけなのよw 当たる訳ないじゃんwww)、出来れば当選者様と同時にチケット取った方はご一緒にどうぞってしてくれるともっと良かった気がする。

 どんなだったんだろうねえ。乾杯の儀。聞いてみたい気もありつつ、いつかの日のためのお楽しみでもいいかなっていう気もする。






 で!

 大変長らくお待たせを致しました。

 やっとやっとのマチネ・ド・ロックンロール・イン・大阪!




 横浜の時と同じようにイントロのカッコいい映像が流れる。1分前カウントダウンの後、今回は、前回気づかなかったSuperb Musicの文字に目が行く。


 演者様方がお入りになるのは今回は後ろのシモテ側ドアから。たくさんの拍手に包まれてメンバー様がステージに上がる。アルコールは飲んでるし(こないだは色んな意味で昼飲みを控えていたが今日は斜め後ろからで位置的には客席の盛り上げ役だし飲まない理由はないw)やたら楽しい。



 さて!最初に前回の記事と同じくお断りを。

 これ以下、メンバーの台詞は当然「原文ママ」ではありません。また編集の都合上、話も多少前後します。大体こんなことを言ったよ!的な感じで受け取って頂けたら幸いです。

 メモはやたらしてあるのですが、判別不能の文字が多々ありw、全部再現出来なかったのが悔やまれるところ。あ、これをお読みの参加者様、訂正箇所ありましたらぜひインスタ経由でご一報を(リンクはブログトップ右上に)。



1.  I Got the Fire 


 昼の御大(by増田さん)こと生沢佑一さま登場で1曲目は横浜と同じナンバー。でもどこか特別な感じがするのは気のせいか?って、あ、いや別にどこが特別かっていえないんだけどさw 

 真ん中の列くらいだったので、見るのに余裕があっていい。徳ちゃんも大賀くんも最初の音から観客を煽る気満々。そして昼の御大・生沢さん、激渋な声が伸びる伸びる。最初から飛ばしまくってボルテージMAX!


 1曲終わって、坊主ヘッドの生沢御大に増田さんが、

「コワモテになって」

とすかさずツッコミw 

「大阪の寺から来ました」

笑。いやでもすっごく似合ってる!


「皆さん、飲んでますか?」


 え?もうここで聞く?w いや、飲んでるけどそんなに最初から飲んだら最後までもたないよw すると生沢さんが増田さんに


「(自分が飲みたいからって)早く終わらさないように(笑。マジで」


 他にも

「(次の曲を始める前に何やら準備?をしている増田さんに)何しとるん?またネタやろうとして?w」

「まだ早いw」

 この2人のツッコミ合いが大好きだ。





2.Fool for Your Loving


これも横浜の2曲目と同じ。とはいえやっぱし響きが違う気がする。正直詳しくは解らないんだけど、ちょっとずつ変えてくれてるんだろうなってことだけは解るのよ。

 EMYさんと拓朗さんの、コーラスのおふたりだけでなく、大賀くんと徳ちゃんの声もよく響いてくる。生沢さんの厚みのある声によく合うボリューミーなハモリが心地いい。


 大賀くんのコロコロ変わる表情。ギターは顔で弾く、とか前にどっかで言ってた気がするけど(笑、まさにそんな感じかも。考えたら大阪は大賀くんにとってはまさにホームグラウンドだよね。増田さんも生沢さんも出身はこちらのようだけど、一番根付いてるのって大賀くんじゃない?


 そういえばどこかのMCで「大阪といえば…徳ちゃん?w」「うんw」なんてボケもあったっけw


 曲の後で増田さんと生沢さんの2人で、Whitesnakeについてのお話が始まる。ロックバンドの歴史とか変遷ってみんな話すの大好きだよね。


 それって、たとえば私達が、Sensationの音楽について長々語ったりするのときっと同じなんだよね。好きなものの話って尽きないじゃない?そういう感じ。だから解る。


 横で大賀くんが黙って聴きながらうんうんと頷いている。すると増田さんがその様子に気づいたのか、こういう話は大賀くんがとても詳しくて、的な発言を。そこで生沢御大が


「大賀が入ると、ライブ3曲くらいしか出来なくなるから」

と的確なツッコミ(笑。増田さん続けて


「大賀くん、ほんと静かですね」

「いや、僕が喋ると(3曲ではなく)2曲しか聞かれへんようになるんで」

「めちゃ楽しみにしてるんですが」

「2時間6分32秒はかかりますよ?」(客席笑)


 生沢さんのお話によると、生沢さんは、お母様がエルヴィスを聞いていたせいで耳に英語の歌が入っているのだという。


「英語は話せないけど歌える。なんで話せないの?って聞かれるんだけど」


 めっちゃ話せそうな気がするんだけどな~。

 で、ゆったり、の前にと始まったのが3曲目。





3.Love Bites


 増田さん曰く「これはTWINZERのバージョンが本当に良くて」の1曲。

 TWINZERの曲は以前、doaの大田紳一郎さんのライブの配信で歌ってくれたのを聞いたことがあるんだけど、本当に渋くてカッコよくて胸に沁みるナンバーが多い。これも本当に良かった。横浜の時素敵だなあ~と思っていた曲なので、今回も生沢バージョンが聞けて嬉しい。


 そして徳ちゃんと大賀くんのコーラスが美しい。この2人、声質違うように思えるんだけど、ハモると物凄く合うよね。相性がいいってヤツなのだろうか。


 徳ちゃんのソロパートがあってね。これがまたカッコいいのよ。ベースだからそんなに長くソロはないんだけど、だからこそ凄く印象的で。とはいえ記録を取った手帳には「徳ちゃんソロかっこいい」と、後で見た時に何の参考にもならないことがメモってあった(爆笑。


 目を脇に逸らす。EMYさんのサラッサラの髪の間から、長いキラキラした飾りのついたピアスが見える。とっても綺麗。ステージ映えするアクセサリーをたくさん知ってるんだなあ。今回のフューシャピンクのショートジャケットも可愛い。大阪らしいゴージャスさも兼ね備えている感じ。





 曲が終わって、生沢さんと増田さんのトークコーナー。今度は「信じられる人は信じられるけど、信じない人は信じない」ってな話を生沢さんがご披露w

 でも増田さんはそういう話を生沢さんがすると「なになに?」と言ってどんどん食いついてくるらしい。「生沢さんの話、つっこみたくなる」と増田さんニコニコ。


 前回より更に増田さんの笑顔が増えているのは気のせいだろうか。2回目で、少しリラックスしているのもあるだろうし、大阪という場所が増田さんにとっても故郷というか、懐かしい場所だからかもしれない。


 で、脇から何か突っ込まれている増田さん。


「ん?何?押してる?」(観客笑)

 お話が弾むんだから仕方がない。つーか私達は別に構わないのだけどw


 ここでしっとりと、生沢さんのソロナンバー。



4.ひといきつきながら


 同行したKちゃんが後から、「この歌好きでさあ。CMソングったのよ。その時から、いい歌だなあ~って思ってたんだ」と教えてくれた。歌詞もメロディもとてもいい。大人の余裕というか、温かさみたいなものをとても感じる曲。


 こういう曲の時の大賀くんのギターっていいんだよねえ。ご本人はやっぱり「ロックだぜ!うりゃああああ!」みたいな時の方が楽しいのかもしれないけどw、それもいいんだけど、こういう、確かボトルネックの音の(ここで使ってたんじゃないかなあ~確か!)、人の心にグッと入り込んでくる音というか、あからさまではない、でもちょっと控えめな、正面ド直球と見せかけて実はカーブみたいなw、まあそんな「心憎い音」が上手いんだよね。




 ここで余談。

 タイミング的には少し前の、多分2曲目が終わった辺りだったと思う。

 同行した4人の中で一番前に座っていたKちゃん(丸テーブルを囲むように座るんだけど、ステージに向かって一番近い席がKちゃんだった。それは、お料理を差し替えた関係で、ホテルの方から最初は絶対ここに座ってねとご指示頂いたからである。それがたまたまその席だった)が、中座したかと思うとススっと後ろの私のところにやって来て、小声で言った。


「ねえ、私のとこ、座ってよ」


 彼女のところからだと、確かに私のとこよりかは大賀くんが大きめに見える。徳ちゃんも大きく見える。

 とはいえ、距離的には1メートルも変わらない。若い頃と違って、相撲取るんじゃないんだからw、そんなにがぶり寄りにいなくても、前でも後ろでも、真ん中でも端っこでも、どこに座っていたって楽しめる。憧れの人と同じ場所で同じ空気吸ったり吐いたりしてるだけで嬉しい。それが大人のライブのマナーってもんだろう。


 それでも、ほんの少しでも大賀くんの近くに私を呼ぼうとするKちゃん。


「いいよいいよ、後で撮影タイムの時にでも、前に出させて貰うから。いいから座ってなよ」

「そう?ほんと?じゃあ後でね」


 Kちゃんはそう言って再び着席した。


 Kちゃんは今回、最初に予定した某スタジアムの方にもっと行きたかった筈である。武蔵野のカドカワ絡みの展示にも足を運んでいたくらいだし。無論私だって行きたくない訳じゃないので、前述の通りそっちもその後キチッとフォローした。

 とはいえ、それでも最初に彼女がそこに行けると解った時の喜びを考えたら、よくぞ私の我儘に耐えてくれたというものである。徳ちゃんめっちゃ好き!ではあるもののw


 自分の座ったいい席を、平気で友人に譲ろうとするKちゃん。

 いつだって、自分そっちのけで、人の気持ちを最優先にして行動するKちゃん。


 そういう、稀有な友人を持てたことが何よりの私の幸せであり、この先も決して手放してはいけない友情なんだと思う。

 つーか私がKちゃんに愛想を尽かされないようにしないといけないと思っている笑。



 ここで御大は一旦フェイドアウト。

 「凄まじい演奏」by増田さん、で何が始まるのかといえば勿論、





5.Spain


 前回も本気で最高だった、ロックアレンジのジャズナンバー、Spain!嬉しいなあ一番聞きたいのが聞けたよ今日も。原曲の懐が深いとどんなアレンジも自由自在。


 徳ちゃんの方に寄って行って、肩を並べてプレイするのが本当に気持ちいいらしく、1曲の中で数回そんなシーンが見られるのが嬉しい。もうさあ、大賀くん徳ちゃんの2人がペアで見られるだけでも嬉しいのに、2人が並んで、肩は組めないけどそんな感じで演奏しているところなんて眺めていて幸せで仕方がない。ああワインが進む。


 この曲は増田さんもイッコーさんもガチで挑んでくるパワフルアレンジの曲なので、増田さんにも2人が寄って行くし、大賀くんが前回よりドラムのイッコーさんの方を向くシーンも多い気がする。いいなあ、これぞバンドの醍醐味。




 で、横浜に行ったりお話を聞いたりした人はみんな、この後何が始まるのかなんとなく解っており、客席はステージの動向を探るように見守っている。そう、所謂「余興」の時間である。大賀くんが自分のギターに手をかけて、何やら動き出そうしているのが見える。


「お!皆さん…大賀くんが、ギターを肩から外しましたよ⁈」

と増田さんの声が。すると大賀くん、


「ギター、一切弾かない曲があってもええかなってw」


そうだね、考えたら横浜もそうだったねw なのに大賀くん


「ギターないのツラいw」

とか言い出すからお客さん大笑い。すると徳ちゃんが横から大賀くんを指差して、


「意外にシャイなんですよ」


と。やだな~もう2人息ぴったしじゃんw  と思ったらMCの合間に大賀くんが増田さんに、


「増田さん、緊張してる?w」


と。え?なんで増田さんが緊張するの?


「これ、失敗出来ないw」


と、大賀くん、徳ちゃん共に


「え~、皆さんの中に、JR大阪駅利用されてる方っていらっしゃいますか?」

「…あっ…意外に少ないw」


 何が始まるんだろうと若干動揺しながら待っていると、増田さんが奏でるメロディ、それはJR大阪駅のメロディ!あっ!この曲って!


大賀「え~西九条駅行き、電車が参りま~す!白線の内側まで下がってお待ちくださ~いっ!」

徳永「駆け込み乗車はおやめください!駆け込み乗車は!」





6.やっぱ好きやねん


 大阪のショーでも横浜と同じように余興があるとしたら、大賀くんは何を歌うかなあ~と考えた時に頭の中で候補として上がっていた1曲。


 ちなみに今回、大阪ショータイムということで、個人的に物凄く聞きたかったのは、生沢さんが歌う「悲しい色やね」。絶対似合うと思った。大賀くんのバージョンも聴きたかった。まあつまりこの歌が好きなんだな笑。


 昔やしきたかじんさんのバックを務めていた、と歌の前にお客さんの前でお話ししてくれたが、さすが大賀くん、歌い込んでいるだけあって上手い。節回しも慣れたものだ。


 勿論、横浜と同じようにステージを降りて(この降りていくのもたかじんさんのマネらしい笑)、観客とハイタッチしながら笑顔を振りまいて歌い続ける。


 ステージに戻ってからは、サビの「やっぱ好きやねん~♪」のところを、みんなに回すのも楽しかった。それぞれにキャッチコピーつけたりとかね。こんな感じ。


大賀「やっぱ好きやねん~♪ 徳ちゃん!(と言って顔を向ける)」

徳永「やっぱ好きやねん~♪ 」

大賀「ビューティフルボイス!(で歌に戻る)」


大賀「やっぱ好きやねん~♪ コーラス!」

EMY、拓朗「やっぱ好きやねん~♪ 」

大賀「Great!」


大賀「やっぱ好きやねん~♪ 増田さんっ!」

増田「やっぱ好きやねん~♪ 」

大賀「ええ声や~」


 なんて言ったか忘れてしまったけど、実はドラムの一光さんにも同じことをさせていて(笑、初めてイッコーさんの歌声を聞いたけど、とても力強くていいお声でした。もっと歌ってほしいなあ~。


 歌が終わって増田さんが大賀くんに


「お捻りもらった?」


と聞いたのには笑った。

 実は以前の横浜のことについて書いたブログ記事で、「近くを通ってくれたらお捻りかけてあげたのだが」と書いたので。

 でも残念ながら今回も私の前は通ってはくれませんでしたw


 袖から出てきた生沢御大が大賀くんに向かって


「いいよね、美味しいよね(観客笑)。俺もやってみよう」

「(生沢さんがやるとそうじゃないけど)僕がこれやると笑いになってしまうw」


って、大賀くん、笑わせようとしてやってるじゃん!w


 ということで、御大を交えてのネクストナンバーは





7.Hotel California


ここで大賀くんのギターコレクションの中でも一際目を引く一本、真紅のダブルネックギターがお目見え。増田さんが言う。


「以前大賀くんが(B'zのライブで)僕の近くにいた時、いつもこれを見ていました。かっこええなあ~と思って。Deep Purpleやないけど、こう、バーン!って」


 いいお話の所々にギャグがカットインw


「今からやるこの曲は、ギターがたくさん出てくるのですが、それを1人でやろうという」


 そんなコンセプトの飛び道具!ってこともないか、正統派ギターだし。じゃあ隠し球?いやいや隠してないか笑、まあそんな訳でみんな大注目の大賀くんのダブルネックギターで、生沢さんボーカルでのイーグルス。激渋だった。コーラスワークも相変わらず美しい。大きな盛り上がりのひとつだった。

 の後の!





8.Bad Communication 


   横浜の時は思い切りE. Style だったのだが今回はあえての日本語歌詞。バージョン的には“Loose”の、アコースティックギターバージョンを思い出して頂ければと思う。大賀くんのカッティングに痺れますわ~。相変わらず5メートルくらいある長い脚を捌きながらの徳ちゃん。シャツをお着替えした生沢御大も絶好調。終わった後で「熱くなるよね」の一言。


 あと2曲で終わりなので、と増田さんに言われてえ~⁈という観客に、じゃあ立ってみようかと促されて始まったのが



9.Jump


 みんな知ってるよね?のあのイントロ。増田さんが完璧なあの音を出してくれれば観客だって盛り上がらない訳がないのであり。

 サビでは御大と一緒にみんなで軽やかにジャンプ!と言いたいところだが、かなりワインが回っているのでひとりジャンプが重い自分(苦笑。全然飛ばないんだけど。年なんて取りたくない。



10.I Was Born to Love You


 イントロでは生沢御大から実に心憎い演出が。

 SNSでも写真が出たが、増田さんのキーボードの音が鳴ったところで、御大がステージから降り、ステージから見て右側の卓の一番前に座っていたリトルガールズ2名の前にすっと跪き(観客全員釘付け)、歌い出す(観客もれなくハート撃ち抜かれ)というシーン。


 ステージに目を遣ると、その光景を眺める大賀くんの笑顔には「うひゃあ~!生沢さんズルいで!堪らんなあ~カッコ良すぎやん!」と書いてあった。


 横浜でも聞いたけれど、全員の息の合った演奏が一番楽しめるナンバー。徳ちゃんと大賀くんは互いの位置を入り乱れ、増田さんともイッコーさんともコンタクトを取り合い、コーラスの2人は始終幸せスマイル。最高かよこのライブ。


 ここで一度引っ込んで、鳴り止まぬ拍手に押されるようにすぐに、本当にすぐに出てきてくれてのアンコール。みんないい汗かきまくってるな。





11.Livin’ on a Prayer


 さあ盛り上がれ!と言わんばかりのアンコール。マスクの下で一緒に歌えるのって嬉しい。端のシートだったので、気兼ねなく立ち放題動きたい放題だったのも良かった。好きだなあ、ボンジョヴィ。徳ちゃんと大賀くんの表情も見るごとにいいなと思う。


 ライブ後にステージで全員が真ん中に寄ってご挨拶。熱い拍手が送られ、というところで増田さんから、


「あの、今日は、ここが撮影してもいいところです」


 おお!漸くご宣託が!慌ててスマホを構えて、約束通り少し前にいるKちゃんの横へ行って写真を。

 私のところからだとやや斜め向きの角度になったのだが、それがまた妙にリラックスした表情を捕らえらるポジションだったのか、さほどの腕前でもないはずなのに割といい写真が撮れた。






 心からのご挨拶を頂き、メンバーの皆様を笑顔で手を振ってお見送りしたところで我々は、さあ行くぞとダッシュで会場を後にしホテルの部屋へとまっしぐら。






 と言いたいところだけど、その前にチェックインを済まさないと。

 実はこの日、たまたま見つけた、30階以上のお部屋を充てがって頂ける激安プランで部屋が取れたため、チェックインも32階で。


 受付で名前を言うと、後は優雅に座って高層階から大阪の街を眺めながら、フリードリンクを頂きつつチェックインの順番を待つという豪華さ。


 ちなみにこのバースペースは夜10時半までオープンしており、私達はディナーショーの後もここに来てビール飲んでビール飲んでビー(以下略w  いやもっと他にも飲み物があるのだが、遅く行ったためアルコールはその時点でスーパードライしかなかったのだw


 やっとお部屋について(ちなみにチェックイン前に荷物を預けておくことが可能で、ショーの間にお部屋の準備が整えば、先に運んでおいて下さる神対応)、夫だけ隔離し(これが出来るんだこのホテル!いや、シャワールームとかじゃなくて。寝室と、シャワールームや洗面台があるスペースを、引き戸で仕切ることが出来るようになっている。これは想像以上に便利)、それぞれに衣装替え。


 この日私達は、浴衣でロックしようぜ!ということで、ディナーショーを浴衣で見ることに決めていた。

 夫は昼の部のみ参加なのだが、私達女性3人が浴衣を着るんだと言ったら、ライブ3日前になって「俺も浴衣持ってる」と言い出し、実家から自前の浴衣と帯を持参し、「着られるように練習する」と言って本当に帯まで結べるようになってしまった(爆笑。


 そういう私は浴衣なんか1人で満足に着られるはずもないので、最初から「二部式浴衣」というのを購入した。

 着付けができるのはKちゃんだけなので(この人に出来ないことはない)、私は帯を結んでもらい、夫も最後の仕上げをしてもらい、Pちゃんは着付けてもらい、Kちゃんは自分で着付けて出来上がり。


 ホテルの雰囲気がとてもいいので、どこで撮っても全部神スポットになる。でも一番の神スポットは、今回のショーの告知が出る場所よね。

 こないだの横浜の時もすっごくカッコいいなと思ったけど、今回のビジュアルも最高です。


 写真を沢山撮ってから夫と別れて(彼は浴衣のままホテルの自分の部屋へ戻って着替えてから外へ行った)、我々はディナーショー会場へ。





 ではここからは、ロックンロール・ソワレ・イン・なんば!の始まり始まり~。


 ディナーも実に行き届いたお料理。個人的にとても印象に残ったのはカリフラワーのスープ。ぽてっとした食感で優しい味。冷たい飲み物ばかりで冷えたお腹がホッとする温かさ。こういうのが途中に挟まれるのっていいよね。横浜の時にもディナーに名物のドリアが挟まれた記憶があるけど、メインとメインの間に入ってくるお料理が、実はとても大事なんじゃないかと思ったりする。








 でもディナーで特筆すべきはここじゃなくて。

 デザートはランチの時にもサイズ感が結構あったんだけど、ディナーで出されたティラミス、これが物凄いボリュームだった。普通小洒落た店のディナーで出てくるとしたら、小さめのココットにちょこんと入ったくらいを想像するじゃない?それが違うのよ。もう段違い(笑。






 手のひらに収まるかな~くらいの面積の、かなり大きなココットの器に目一杯ティラミスが詰まってる。それもココットの縁まで!で、下にお皿はついてない。

 つまり「上面ギリッギリまでかかったココアパウダーをバシバシテーブルクロスにこぼしながら、豪快にザクっと下まで掬っちゃって下さいティラミス」な訳よ(大笑。


 下までスプーンを入れて出そうとすると「ぽすっ」と音がしそう(笑。思い切り掬って行儀は悪いが口に頬張る。美味い。確かに美味い。一番下の薄いスポンジ生地にはちゃんとお酒が使われている。これはイケるわ。ということで、帯はキツかったがw、あっという間に平らげてしまう。勿論同じようにワインも飲む。赤も勧めて頂いたが、やはり悪酔いを防ぐには私は白一択。


 化粧室に立っている間にミーティング&グリーティング夜の部の抽選が行われ、惜しいことに番号だけ当たりのテーブル違いだったらしい。惜しかった~と嘆くKちゃんPちゃん。いいのよ。楽しみは一度に来たらつまんない。次があるからいいのよ。


 いつしか客電が落ち、メンバー様が現れる。横浜の時と同様、最初は「夜の御大」抜きで。




1.Child Anthem


 Totoのデビューアルバムなのね、これ入ってるの。知りませんでした。なぜこの曲をやろうということになったんだろう。聞いてみたい。3連譜を多用した、畳み掛ける全楽器のリズムが心地いい。原曲も後から聞いてみたが、それよりもっと力強い感じで、ライブ1曲目に相応しいインストナンバー。



2.I’ll Supply the Love


 同じくTotoの1枚目のアルバムの2曲目。(ちなみにこのアルバム、勿論ご存知の方も多いと思うが、この曲の後であの有名なGeorgy  Porgyへと続く。私は同じアルバムではHold the Lineも好き)


 イントロの大賀くんのギター超気持ちいい~!そこを支える徳ちゃんのリズム、めちゃグッとくる~!の上に乗っかる、最初は拓朗さん、次にEMYさんのボーカルもハードでいい。これさあ、誰が歌うにしてもどんだけってくらい音が高いよねえ? これが出るって凄いよ、2人とも。

 大賀くんと徳ちゃんのコーラスも変わらずに美しいハーモニー。



 ここで夜の御大ことGENKIさん登場。前回も優しそうな方だなあ~と見ていたのだが、今回は更にお顔がリラックスしているようにお見受け。前より沢山お話してくれて嬉しい。


 増田さん曰く、御大は缶ビールを持ったまま出そうになっていたため、慌ててスタッフさんに言ってタンブラーを用意してもらったとのこと(笑。そうか、だから声も言葉も滑らかだったのね。でも待てよ?前回も確かタンブラーに…まあいいかw




3.Move Over


 私はGENKIさんのこれが大大大大好きだ。何度聞いても感動する。

 今回ね、イントロで、大賀くんのギターと徳ちゃんのベースに合わせて、少しずつ声を、音を上げて出していくんだけど、最初控えめだったのが、最後ドッカーンと高音が出る訳よ.あれさあ、どっから出てるの?ほんと。増田さんじゃなくてもそう思う。日本人離れしたあのボリューミーなハイトーン。

 一般的に高い声って細くなるでしょう?それが全くならない。天才?いや、増田さんがいうように、御大は国宝なんだと思う。



 歌が終わってからのMC、増田さん曰く。GENKI御大は「呼び出すのが大変」なんだそうだ(笑。最初断ることもあるらしい。でも最終的には来て歌ってくれる。なんでそんな声が出ると?と聞いても「う~ん、わかんない」との返答なんだとか。

 ゆったりとどことなく優しい風が吹いてるんだよねえ。GENKIさんの周りって。あんな凄い歌を歌うのに。



 更にここで増田さんから印象的な言葉が。


「いにしえのロックは、ジジイにしか出来ないんですよね。だから、同じ世代の方々と、いにしえの曲を楽しんで行ければと」


 ずっとお兄さんだと思っていたけど、考えたら自分の青春真っ只中の時に活躍してくれていたメンバー様たちなんだよね。そんな方々に同世代と言って貰えることはとても誇らしくもある。


 80年代ってもういにしえ=「古」なんだよなあ。

 でもね、英語でinitiation(イニシエーション)って「仲間入り;創始;伝授;手解き」なんて意味があって、文学用語でinitiation storyって言えば、若者が大人になっていく「成長物語」のことを指すんだけど(アメリカ文学はこれが多い)、その言葉の中に「イニシエ」が入ってるのって、言語を超えて共通点があるな、なんて考えてしまった。





4.  Helter Skelter


 これも鳥肌もの。前も思ったけど声の迫力ってやっぱし凄い。GENKI御大絶好調。なんて艶のある声だろう。

 大賀くんが、大好きで尊敬するGENKIさんを見つめる目が熱いのよね。まあ、大賀くんはとても熱いお方なので、誰を見るのも熱いんだけど。増田さんもそうだし、イッコーさんも徳ちゃんもさ。

 大賀くんのシグネチャーモデルであるSensation 4で奏でられる、ちょっとギラついた迫力と哀愁のある音がいい。



 曲間のMCでは、GENKI御大が増田さんとの会話の中で昔のライブハウスについて語ってくれる場面も。


「昔はとにかくライブハウスが大きな音だったから、誰も何も聞こえなくて(笑)。自分でも何歌ってるか解らない。声帯触って初めて、あ、俺歌ってるんだ、って(笑)。

 今だとボーカルの人に、すいません音小さくして下さい、って言われるね。でも当たり前だよねえ(笑)」


 そこで思い出した。一番最初。高1の時、某ミュージシャンのコンサートに行ったことがあるのだけど、文化ホールレベルとはいえとにかく音が爆音だった記憶がある。一緒に行った母が、私の耳を心配する程の爆音w 成程、これも時代だったのかな。


 で、増田さん曰く「チャラい余興の前に(笑)」次の曲を。




5.  You’re So Beautiful


 ジョー・コッカーのこれがねえ。超絶美メロ。堪りませんでした。ずっと耳に残るメロディ。解りやすい歌詞。懐の深いGENKIさんの声。

 イッコーさんのこういう時の、緩急をつけたドラミング痺れるね。大賀くんがすっごく優しい目をしているのが見えた。うわあ。すいません白ワインお代わり下さい。



 お代わりも無事に貰えたところで(誰の話だよw)、増田さんが御大に「休憩に入って頂いて」からの、


「チャラいのを、いってみたいと思います」



6.  Hotel California TOKUNAGA Ver. 


 全然チャラくないじゃん!ってなナンバー。

 え~、私的にはこの曲が、ソワレの山場のひとつだったと思います。


 徳ちゃんがね、この曲、歌ってくれるんだけど、多分、多分だよ?(なんで自信ないんだよ笑)、ほぼ全編ファルセットで歌うのおおお!!!


 これがもうね、実に聞き応えあるというか、単純に美しいのよ声が。徳ちゃんの声って普段は低くてボリュームがあって、という印象なんだけど、この御大2名の前にあっちゃあ当然味わいが違ってくるのよね。


 でも徳ちゃんはあえてそこを生かして!自身の声質の、御大がたと違ういいところを活かし切って、ファルセットで歌ってくれたんだと思う。なんかGENKI御大とは違った意味で鳥肌が立ちました。そして惚れ直しましたw いやあ徳ちゃんやっぱしカッコいい!


 9月からお仕事の形態が変わるらしいけど、そんなの関係ねえ!by小島よしお(オヤジギャグかよw)。シカオちゃんもそうだし、気骨のある人が通る道なのよ!私は今までと同じく全力で応援しますわ。


 でさあ、そのカッコいいボーカル兼ベースの徳ちゃんに、絡む訳よダブルネックギターの大賀くんが。


 後ろからじっと、歌う徳ちゃんを見つめる大賀くん。

 それに気づく徳ちゃん。

 目を合わせる2人(1曲中通算5回コティ調べ)。


 2人で肩を並べたり、寄り添い合ったりしながら、あ~もうなんなのこの息の合ったメオトぶりは!君達!美し過ぎだろう!!!ファンとしてめちゃくちゃ感動なんだけど!!あ!お兄さん!白ワインお代わり!(やめろもう)





 なんていう盛り上がりが過ぎてw、さあいよいよアレが始まるのかなというところで大賀くんを見ていると、増田さんのMCが始まったと同時に自分のタブレットのページをパシッパシッと3回めくる動作。あ、間違い無いわね、来るわよ、やっぱ好き…


増田「あれ?ここに、こんなものが」


 見ると増田さんがキーボードの脇から何やら手に取っている。うん?あ!あれは⁈観客段々笑いがクレシェンド。


 増田さんが見せたのは、バラエティショップや100均で売っている、パーティグッズのひとつ。赤で囲まれた白い細長い生地。たすき掛けのアレだ。そしてそこには大きな黒い文字で


「本日の主役」


と書かれている(爆笑。それを大賀くんに渡す増田さん。かける大賀くん。観客拍手喝采。

 文字が前に見えるようにかけられずに客席から「見えなーい」と声がちらほらかかると徳ちゃん「それじゃ見えないよ」と突っ込む。大賀くんは直しながら、


「なんか、誰か友達の結婚式に来たみたいやw」


そしてかけ終わるとすかさず


「みんな!今日は僕の友達の結婚式にこんなにたくさん集まってくれてありがとう!」(観客笑)


 そしてお昼と同じく、増田さんのJR大阪駅のメロディが始まり、 


大賀「え~西九条駅行き、電車が参りま~す!白線の内側まで下がってお待ちくださ~いっ!」

徳永「駆け込み乗車はおやめください!駆け込み乗車は!」

大賀「おやめくださ~い!」






7.  やっぱ好きやねん


 マチネの時とはまた違った楽しさが会場に溢れている。

 客席を練り歩く大賀くん。だが今回は、マチネの時より客席に目立つ男性陣の前に止まって歌うというサービスっぷり。そうだよねえ。同性のファンがいると嬉しいよね。

 私達と同世代またはちょいお兄さんな感じのメンズの肩に手を乗せたり、正面を向いて歌ったり。そうこうするうちに私の後ろに来てくれたのですかさずハイタッチ。するとどうだろう、私の前に跪くではないかっ!きゃああああ…


 と言いたいところだが、大変残念なことに、大賀くんは向こうを向いていた(爆笑。

 つまり私にはやや背中見せポジションだったって訳。


 でもいいんだ。距離にして1メートルもなかったもん。手伸ばせば届いたもん(スンデの所で踏みとどまった)。ま、背中だけどwww


 大賀くんは、そんな私の思惑をよそに、タブレットの歌詞をガン見しながら歌い続けており、その間ずっと「本日の主役」タスキをかけていてくれるものの、ステージに戻ると勢いでヒラっと落ちてしまう。それを拾って自身のアンプの上に置き、そのまま曲はエンディング。



 タスキコーナーは、一見そこで終わりに思われたのだが、曲の後、大賀くんはそれをコーラスの拓朗さんへと手渡し。「本日の主役」の文字をこちらに向けて、タスキを律儀にかけてくれる拓朗さん。

 そう、これがほんとの「タスキリレー」w

 すると増田さん、次の曲の合図。


「え~、本家は今頃、アチラでやってるのかな?」

 沸き立つ観客。拓朗さんがフロントマイクの前に出てきて始まったナンバーはお馴染みの懐かしい、この時期といえばのアレ。


 拓朗さん、音が出る前に顔の横で手拍子。

 ぱっ ぱんっぱっ っぱっぱん!(文字では再現不可能でした笑)

 さあみなさんご一緒に。





8.  太陽のKOMACHI ANGEL


 イントロでババっと客席に降りて、というか、客席を全力疾走する拓朗さん。その後息が上がることもなく、KOMACHI  ANGELを平気な顔でいい声で歌う拓朗さん。

 若いって素晴らしい。この一言に尽きる。

 大変な盛り上がり。観客だけでなく、メンバーもみんな楽しそう。この日味スタに行った気分が最高に味わえた1曲。



 曲の後、タスキを肩から外し、今から御大が出てきて歌うマイクスタンドに、そっとかけて行こうとする拓朗さんに増田さんすかさず


「それさあ、そのタスキ、御大に回す度胸があるのか?」(観客大笑)


 即座にタスキを外し、どうするかと思えば、それを大賀さんにリバースする拓朗さん。


大賀「俺の立場はw」(観客爆笑)


 と、そこでGENKI御大がカンバック。アンプの上に再び置かれたタスキを指して


「これあると、雰囲気変わるよね?w」


 相変わらずいい感じで飲んでいる御大。

 客席に「飲んでますか?皆さん」と呼びかけ続けてくれる増田さん。


「飲み放題なんですから、皆さん、どんどん頼んで下さいね」

 するとそこで客席から


「増田さん!今日は飲まないの⁈」


 きっとオンラインサロンの方だろう。増田さんのオンラインサロンでは月の最終配信の後、オンライン飲み会(別に飲まなくてもいいんだよ)が催されている。


「あの、僕達は、後で沢山頂きます」

と増田さんがお返事をすると今度は別方向から声がした。


「増田さん!男前!」


「ええ⁈そんなこと今まで言われたことないよ!w」


 いやいや。

 増田さん、こんな楽しくて充実したショーを、このメンツを即座に集めて大都市2ヶ所で出来るなんて、発起人が男前じゃなかったら出来ませんから。

 私は大賀くんが心から大好きだし、徳ちゃんのファンでもあるけど、増田さんにもずっとついて行きます。





 確かにホテルのショーは値段が張るよね。最近の普通のライブは高くても1万2,000円くらいかな?それの軽く倍だからねえ。


 でもね、例えばだけど、私みたいな地方民の遠征組だとね、ライブ行って、ホテル帰って、外で食事して、またはルームサービス頼んで、コンビニでお酒とつまみ買って、なんてやってたら、軽く倍くらいかかるのよ。

 それと、ライブ会場からホテルまでだって、交通費がかかることもある。


 コロナ禍において、その移動がなく済んだってのも、参加してよかった一つの点なんだよね。ライブ見て、そのままホテルの自室へ戻れるって最高よ?即手洗いして、シャワーして、飲み直せるんだよって結局飲むのかよまたw


 ディナーショーっつったら1枠5万くらいかららしいし(もっと高いかも)、そう考えると、豪華なお食事が楽しめて、ホテルライフが楽しめて、友人との歓談が出来て、って言ったら、かなりコストパフォーマンス高いかもね。



 ところで、次回またコーラスのおふたりにこんな風にスポットを当てて頂けるなら、いっこリクエスト。


 EMYさんに、浜田麻里さんの“Nostalgia”を歌って欲しいいいいいい!


 浜田麻里さんといえば色々、Return to Myselfも大人気だろうけど、私、Nostalgiaって大っ好きだったのよ~!どうか!どうかいつか歌って欲しいです!




9.  Since I’ve Been Lovin’ You


 演奏の後大賀くんが思わず「最高でした」と言ってしまうくらい最高の1曲。ツェッペリンのナンバーだけど、御大曰く「なんでこんなのが受けたのかわかんない」と思っていたらしいw 増田さんも、「キーボードがない」とか言っててw でもGENKI御大、最後には


「アルバム凄いですよ。聞いてみて」

って言ってニコッと笑っていた。他にも色々とイアン・ギランなどの名前を出しつつ音楽談義が繰り広げられて、そこに大賀くんが少し入って、最終的には「そんな時間終わり」と言って話をまとめていたw



 ここで増田さんがGENKIさんについて


「出て、っていうと、その日はダメなんだよね~とか言うんですよ。でも出てくれるんです。GENKIさんのボーカル、僕は国宝だと思っているので、もっと歌って欲しい」

 お客さんもみんな大喝采。


 で!この辺でラスト2曲ってことになって、ショーライブ恒例の無礼講ターイム!お客さん全員前に押し寄せ。私も徳ちゃんと増田さんの間くらいのところから見られる位置を取れた。



10.  You’re the Only One for Me


 Vow Wowの最高なナンバーをみんなで。しかしカッコいい曲だし、カッコいいプレイだなあ。なんて思う間も無く浴衣でノリまくってたんだけど。


 大賀くんと徳ちゃんが寄ってプレイする時って、大体大賀くんが徳ちゃんの方に寄って行くことが多い。だから徳ちゃんサイドにいると、必ずと言っていい程大賀くんがやって来る。今回もそうだった。


 この日何度となく見た、徳ちゃんと肩を寄せて笑顔でギターを弾きまくる大賀くん。

 それに呼応するかのような笑顔で視線を返し、ベースを弾く徳ちゃん。


 それが、それがね、私のね、目の前で繰り広げられたのよ。

 2人しか目に入らないような、至近距離で。


 ぶっちゃけていうと、今もあの姿が目に焼き付いているくらいで。


 心の中では、2人があの姿のまま、アクスタになってんのよ(大爆笑。


 誰かあれを作って欲しいwww




11.  Rock’n Roll


 アンコールはお馴染みのこのナンバー。言葉はいらないよね。最高ですわほんと。


 増田さんに寄って行ってベース弾く徳ちゃん。

 その後から大賀くんが来て、今度は一緒に増田さんとプレイ。

 イッコーさんの方を向いて笑顔で答える大賀くん。

 コーラスの2人も見るたびにノリノリで、もしかしたらステージを一番楽しんでいるのかもしれないってくらいのキラキラした笑顔だった。


 もうなんだかね、そんなみなさんの姿をね、尊いなあって思いながら眺めていた。


 最後に写真OK!と言われて、ハッと気づいて慌ててスマホを撮りに行く。先ほどと同じベストポジションって訳には行かなかったけど、幸い私は腕が長いw 伸ばして撮ったらこれまたなかなかいい写真が取れて大満足だった。








 そして、撮影タイムが終わり、最後のご挨拶、というところで、大賀くんがふと、自身のアンプの上から例の「本日の主役」を取り上げると、それを増田さんにかけた。

 そうだよね。本日の主役は、増田さんだったよね。

 みんな温かい、いや、熱い熱い拍手と共に、メンバーを見送った。最後、「宇宙一のキーボーディスト(by大賀)!」な増田さんに抱きつく大賀くんがものすっごく幸せそうだった。


「またやるので、ぜひ!」


 増田さんの言葉が嬉しい。


 私の場合、福岡とか北海道とか言われてしまうと難しいかなあと思うけど(それと時期だなあ~!年末年始は仕事的に厳しい~!春にしようよ春に!お花見の頃でもいいし!バレンタインもいいいよね!)、願わくばいつかまた横浜のあの素敵なホテルで開催してほしい。横浜、大好きだ。






 夢のようなショーが終わり、私達3人は32階のバーへ。先ほども書いたがアルコールはビールだけとはいえ、よく冷えた缶がズラリと並んでいる。久しぶりに飲んだスーパードライはなかなか美味しかった。


 3人で、積もる話を沢山して、時折大阪の夜景を眺めて楽しんだ。

 これだけ都会で雑多なのに、大阪の空はなんでこんなに綺麗なんだろう。飛行機の白い機体が映える昼の青空もそうだが、漆黒の夜も空の色が深くて美しいと思った。なんだろう?東京と何が違うのか聞かれたら答えられないけど、少なくとも、この街が好きで、この街に住んでいる大好きなミュージシャンのみなさんの気持ちは、ほんの少しだけ解る気がした。






 部屋に戻り、話の続きをして、夜も更けたのでPちゃんとは散会して(Pちゃんは翌朝8時前後の電車で帰京していた。若いって素晴らしいパート2)。お風呂に入って(湯船とシャワーが別。勿論トイレも別。最高)、また少し喋って、気付いたら2時半で、そういえば今日朝の4時から動いていたよなと思い返したところで記憶が途切れたw






 翌朝は、6時半過ぎに足が攣って起きてしまう(爆笑。

 いや、笑ってる場合ではない程に痛くて起きてしまう。久々のつり方w せめてストレッチくらいして寝ればよかった。


 ぐだぐだのまま起きて支度をし、Kちゃんと共に2階のレストランへ。今回は珍しく朝食付きのプランだった(だからめっちゃお得だった)。

 32階の、例のバーのフロアへ行くこともできたのだが、このホテルの名物とも言える黄色と青のトゥクトゥクのあるお店で食べてみたかったので、下に降りて行った。私はクロワッサンと小さなカップケーキ、アイスティーにシトラスウォーターにカフェオレと、ほぼお菓子w  それに対してヘルシー志向のKちゃんの周りにはおかゆを中心にしたこの上なく身体に良さそうなものが並んでいる。流石。







 名残惜しかったが11時に支度を整えて1階へ。夫と待ち合わせていたので、そこでKちゃんとはお別れ。またね、またすぐに会おうね(実は伏線)。



 夫と車に乗り込み、大阪の街を後にする。短い時間だったし、街を堪能した訳じゃないけど、生涯心に残るような極上体験をさせて貰った。この街にはいつかまた来てみたい。









 吹田のサービスエリアでお土産を買う。他にもいくつかのSAに止まって、些かゆっくり帰る。途中で、今度は山の方から帰ることにしたので、だったら寄って欲しいところがある!と最後の最後まで我儘を言い、大好きなブルワリーのタップルームに行く。缶を買っただけだが、本数制限が20本までだったので余りに嬉しくて、でも遠慮して10本にしたが、ふと夫を見ると顔が固まっていた(爆笑。





 自宅近くのコンビニで、パスタや焼きそばを買い、帰宅して夫の旅の顛末を聞きながら(あべのハルカスまで歩いてしまったらしい。あんなに運転してからなのに!w)食べる。



 ああ楽しかった。



 夫にも、Kちゃんにも、Pちゃんにも、ホテルのスタッフの皆様にも(Uさん、メールで色々とリクエストしたにもかかわらず、快く全て受け入れてくださってありがとうございました。お会いしてご挨拶できて本当によかったです)、何よりライブに出演して下さった皆様、ライブのスタッフの皆様、発起人であろう増田さん、本当に感謝しています。こんな幸せな時間を頂ける日が来るなんて思いませんでした。


 もしかしたら、観客まで含めて、マチネもソワレも、全員が本日の主役、だったのかもね。


 クレジットのないお写真で、一般のものでないものは、徳永さんの公式SNSよりお借りしました。