1枚目の写真がSensationの理由は、以下の記事の最中に彼らが結成10周年を迎え、新曲 “Eternal Soul” が配信になったからです。
ブルーノートでの配信ライブを結構見ているのだけど、ブログにまとめる時間が全くなかったのでインスタのみに書いて放置しておいた。
ようやく少し時間が空いたので(出来たというよりとりあえず空いた感じw)7月から8月にかけて観たのを、ここで一気にまとめて上げることにする。
記事はインスタに上げた時のまま、ほぼ変えないで上げておく。多分その方が臨場感があると思う。
★2022.07.16 Dimension★
Dimension の30周年ライブ@ブルーノート東京を見ました。
大人な感じのお客さんが相当数入っていて、熱い雰囲気ながらも弁えた感じがとっても素敵だったなあ。
いやあ、音が華やか!勝田一樹さんのサックスの音がものすっごくいい。めちゃファンになってしまった。
サックスプレイヤーだと、今月末に見る本田雅人さん(そう、また見るのよw)など、上手な人がたくさんいて、皆さんそれぞれに味があって好きだけど、勝田さんの音はまずパワフル。ガッツリ系だけどキラキラしていて、聞いていてこっちの魂持ってかれる感じ。単音楽器とはいえ、楽譜とか全然見てる風ないし。
そして増崎孝司さんのギターが、それに合わせて表情がついて、どこでも楽しそうな音がするのもとってもよかった。
Dimension、まさに増崎さん曰く、「攻め攻めの超マニアックフュージョン」笑。
「マニアック大歓迎!人生マニアックに生きないと!」by増崎孝司w
(でもマニアックならまさしく負けてないと思うよ、Sensationも。
なんつっても「ギタマニア」なギタリストがいるからねえwww)
勝田さんの入ったブルーノートのライブが確か9月にあるんだけど、あれ、配信しないかなあ~!絶対見たい。
サイトからのリクエストに答えての選曲だけあって、聴きやすくてキャッチーなナンバーが多く、Round Tripもセレネ(サビのメロディ覚えてしまった)もみんな好きだけど、個人的にグッときたのはBlack Groove。
これいいねえ。こういうミドルテンポのさあ、腰にくる感じが好きなんだよね。増崎さんの渾身のギターソロからの勝田さんのサックス渡し。聞き応え十分。
全体的に友田ジュンさんの鍵盤の音が、優しくて柔らかくて心地よかった。
そして途中のMCが最高。こんなに楽しい人達だと思わなかった。油断していたw
「僕たちは数字はつけません」とか画面見ながら吹いたよ。
「サード?セカンド?」「俺は言ってないよ!」ってwww
サポートで入っていたベースの田中晋吾さんとドラムの則竹裕之さんに引っ掛けて、「おんなじ編成だったりするしね。どことは言いませんが(言ってんのとおんなじじゃんwww)」「こことここ(勝田さんと増崎さん)が変わるとバンド名が変わる」とか笑。
「みんなお友達ですから」なんて言ってて、インストバンドファンと思しきお客さんもマスクの下で大笑い堪えてるのが解って楽しい。若干の自虐も大人の余裕。
「フュージョンを盛り上げていきましょう!」ってのがよかったよね。
もっと広く言って、インストミュージック全体が盛り上がるといいよね。
Sensationがもっと広く楽しまれるためにも、やっぱしこういう先輩インストバンドに頑張ってもらいたいな。
ああ楽しかった。火曜まで見られるのでまだ楽しみたい。
★202.7.30 本田雅人&B.B. Station★
サックスプレイヤー、本田雅人さん率いるビッグバンドB.B. Stationのブルーノート東京でのライブを配信で見た。
本田さんがメンバーにいる配信ライブというのは、リーダーのライブ含めて多分4回目。何気に一番見てるんじゃないだろうか。
本田さんのライブはとても楽しくて、見るたびに気持ちが明るくなる。サックスの音も清潔感があって好きだ。バラードでも余りねっとりとしたところがなく、どこかカラッと颯爽としている。ほんと、いつ聴いても青年のような音色。とてもアラカンだなんて思えない。いやほんと。だからさあ、音楽ってやっぱし歳じゃないのよね。
若い北川さんのギターとのユニゾンは聞き応え抜群(「ここでしか聞けない」には笑った)で、そこだけ何度でも繰り返して見てしまう(これが出来るのが配信のいいところよね)。また若いといえば、教え子でもある渡辺さんとのツインアルト、痺れたねえ。
将来有望な後進をさ、こうやって舞台に引っ張り上げて、一緒に演奏するって凄いことだと思う。小曽根真さんなんかも率先してされていることだけど、自分に自信があって、かつ自分の音楽の世界も一緒に広げようとする、気持ちの大きさというのかな、そんなものを感じる。
そう言えば全然ジャンルは違うけど、B'zの稲葉さんって自身のソロライブの時、必ず若い人を起用するよね。あれはもしかして、こういう意味合いもあったのかなって今更ながらに思う。
トップのTheme for BBSもよかったしFair Affectionも好き。エリックさんアレンジの和泉宏隆メドレーを聞くのは2度目だけど、聞くたびに胸が詰まるよね。
でも今回なんつってもよかったのが「夏の蜃気楼」「Seven」「Chao!!!」「Megalith」の後半の流れ。実にキマっていた。夏の蜃気楼さあ、どっかで聴いたことあるんだよね。メロディに覚えがあった。「団体」という言い方にも慣れてしまったわ。
で、相変わらずトークが面白い。一番笑ったのはエリックさん絡みの華々しい「ディレイ」の一件(笑)。スタッフさん最高です。「偽物感」とかも爆笑した。一番最後の「おしまいで~す」とかもねw あんなこと言って終わるって今まで聞いたことないよ。アンコール前に引っ込まないのも本田さんのオハコ。でもそれは「無駄な時間は省いて、(観客が)早く帰れるように」との気遣いだったみたいで、ちょっと感動した。
それと「配信嫌い」ってヤツ!なんで~⁈と思って聞いて大笑い。本田さん、安心して下さい、私はスマホとかタブレットで飲みながら聞くタイプですからwww すっごい大画面もいいスピーカーも我が家にはありません!w ですからどうかこれからも配信で見せてくださいませ!
こうして東京のど真ん中のライブハウスの音楽を1か月に何度か楽しめる贅沢は、配信が行われるようになってから得られたものなのだし、私はそれを存分に享受したいと思っている。
ところでiPadってビッグがあるのって標準仕様なの?小さい方がいいと思っていたけど、大きいのは楽譜とかを見るのには便利そう。
夏の風物詩、とおっしゃっていたけど、そう言わず他の季節も見たいなと思わせてくれるいいライブだった。でもいいかもね、夏祭り気分で見られるものがあるってのも。
配信は火曜日まで(今週は仕事が忙しいのと火曜の夜から見ないといけないものがあるのでなる早で投稿しました)。
★2022.8.11 From Ozone till Dawn Part 6 “The Launch”★
小曽根真さんが若手のジャズ・ミュージシャンを集めて行ったブルーノート東京でのライブ “From OZONE till Dawn in Club” Part 6 “The Launch”の2日目セカンドステージを配信で見ました。
全員が国立音大を首席で出ちゃってるくらいの才能の持ち主ではあるけれど、それだけじゃなくて、小曽根さんの魔法なのか、無茶苦茶楽しいライブなのに全ての音がビシッと決まってる。
まさに今の自分が求めてるライブ。
なんだろうなあ、こう、見ながらね、「これだよ」って。溜飲が下がるというか、妙に納得した気分だった。
若い人との音楽をニコニコしながら120%楽しんでいる小曽根さんと、小曽根さんの演奏を、5人のミュージシャンが全員輪をかけてニコニコしながら見てるのよ。みんな笑顔なの。どこからどのタイミングで写しても。
互いに讃え、互いに楽しみ、互いに切磋する。これだよ。まさにこれなんだよなあ。
小曽根さんは前からそうだったけど、若手の皆さんも勿論「配信で見ている皆さん」という言葉が自然と出てきて、このスタイルがスタンダードになりつつあるのかなと思うと、#配信ライ部 の私としてはやはり嬉しい。
小曽根さん(YAMAHAのピアノに向かって「な?」と話しかけるのがめちゃくちゃ可愛かった)の若い頃のオリジナルWatch What I am Gonna Doやフルートの片山さんが書いたBay bridge(この曲の哀愁の感じ、大好き)、サックス(ソプラノサックスが印象的だった)の中林さんのRun up The Back Alley(小曽根さんの「この曲ね、難しいんですよ。もっとやっぱり簡単な曲を書かないと(観客笑)。僕みたいに短くて簡単でシンプルな曲を」には爆笑)など、どの曲も素晴らしかったけど、なんつってもよかったのが2曲目、トランペットの松井秀太郎さん(美しい長い髪。ファンになってしまった)が書いたという、 “Footprints on the Blue”
すんごい退廃的。すっごいデカダン。これだよ。これなんだよ私が求めているのは。
30年代アメリカ。バーレスクの女王、彼女のあだ名は「女優」。いつも仕事が終わると隣のバーに来ては飲んで帰るのが常。そんな彼女を見守るのはその店のバンドの若きメンバー。いつか彼女と一夜を共にするのが4人全員の密かな夢であり、憧れの瞬間でもある。
その彼女がある夜からパタリと店に来なくなる。居ても立ってもいられない4人は、情報をかき分け彼女の行方を突き止めようとする。真夜中に街外れの森へ向かう途中を見たという証言を得た4人はある夜、演奏を終えると森へ向かう。果たして彼女はいた。もう1人、歳若の美女と共に。樹の影から様子を伺っているうちに2人が抱き合うのを見てしまう。早鐘のように心臓が鳴り響く。彼女の頭がゆっくりと動き、美女の首筋へと唇を這わせるのが見えた、と、次の瞬間。「女優」は自らの口を開き、若き美女の細い首筋に鋭い牙を立てる。見る間にがっくりと膝を落とす美女。「女優」の唇から赤い液体が滴り落ちている。微動だに出来ずに立ち尽くす4人に気づいた「女優」は、彼らに数歩だけ近づきこう言った。
「残念ね。坊や達には、用はないのよ」
夜明け前、4人が店に戻ると、初老のバーテンダーが掃除をしているのが見える。古い店と共に人生を歩んできたようなバーテンは、顔面蒼白な彼らを中に入れると一杯ずつ、店で一番のボトルを開けて差し出す。
「お前さん達、一体今夜、何があったんだい」
「それが、俺らもよう…」
「解らへんねん」
「解らないって、どういうことだい」
「多分、解らんままいる方が…」
「ええんとちゃうかな」
窓の外には、森の中で彼女と彼らが残した足跡を、青い靄が覆い隠す朝がそこまで来ていた。
みたいな話を勝手に作って聞いていた。
てかなんで台詞が関西弁なんだ?!
場所、アメリカじゃないのか⁈爆笑
ジャズは全然難しいものではない。ただ感じればいい。そのことを改めて教えてもらったライブだった。
メンバー全員本当に素敵だった。インスタのフォローしてしまったよ。
ラストのThe Puzzleは圧巻。アンコールのSomething’s Happeningまできっちり楽しませて頂きました。アンコールでは前日にステージに上がっていた壷坂くんが来て小曽根さんとお得意の「連弾」。気分はお祭りw ドラムのきたいさんとベースの小川さんのこの日の衣装は、斎藤工さんからのものだそう。カッコ良い衣装とてもお似合いでした。
次のfrom OZONE till Dawnのシリーズも楽しみだなあ~。
★2022.8.24 Ron Carter & Blue Note Tokyo All-Star Jazz Orchestra★
伝説のロン・カーターが来日して、自身のトリオでライブを行うだけでなく、その前にブルーノート東京・オールスター・ジャズ・オーケストラと共演するということで喜んで配信を見た。
ロン・カーター氏は85歳らしい。登場の足取りは緩やかで、ステージに上がるまできちんとマスクをしている。ここまでの姿を見ると高齢者なのだと思うのだけど、プレイが始まるとそれがあなた、全く違うのよ。
椅子には腰掛けているけど、力強く素早い指の動きがどこから見てもプロ。いや、当たり前なのかも知れないけど、もう全く高齢者じゃない。時折嬉しそうに笑みを浮かべている。いやすっげえもん見てるな自分、と思わずにはいられなかった。
嬉しいよねえ。このコロナ禍に来日して、元気に演奏して、現場のお客さんみんな拍手して、その姿が配信もされてるんだよ?
尊いもの見たなぁ。
個人的には聞き覚えのある “Soft Winds”が良かった。盟友とも呼べるような付き合いの長い、有名プロデューサーのクリード・テイラーが23日になくなったとのことで、彼が好きだった曲を捧げると言って始まった。「大好きだった。とても寂しいよ」と話していた。
クリード・テイラーはボサノバを世界市場に広げた人として有名。93歳だったそうだ。
しゃがれ声でGood eveningと言った後で「月曜よりは声が出てるな(My voice sounds better on Monday)」と言ったり、Soft Windsを演りますと言ってからふとオーケストラに向かって「あ、君たちが良ければだけど(By the way, you guys agree.)と言ってみたりと、始終リラックスした雰囲気のカーター氏。一緒に来日したギターとピアノも最高に上手い。この方々については後日のライブの時にあらためて。
で。配信はセカンドセットだったのだけど、どうやらこのセカンドでだけプレイされたのが、アンコール2曲目の、みんな大好き「スペイン」!これを聞くたびに、チック・コリアは天才だなと思う。誰もが聴きたいと思う、誰にも作れないような曲を書くなんてねえ。
そういえばSensationも演ってるんだよねえ?スペイン。
もう既にスタンダードなんだからさ、これ、いつかスタジオで録って、アルバムに入れてくれ…ない…かな~⁈
なんてのは、夢のまた夢かしらね。
サックスの本田雅人さんがこの曲のソロでフルートに持ち替える。そしてピアノの宮本貴奈さんと掛け合うのが素晴らしく良かった。優しい音色の楽器が共鳴しあうことで柔らかい高揚感が出る。
カーター氏のプレイも見ものだったが、実はこのBNASJOのラストナンバーも、本編に違わぬ見ものだったと思うよ。
明日まで見られるので、あと2回は通しで見たいな。
★2022.8.28 Ron Carter “Golden Striker”★
大御所ジャズ・ベース・プレイヤー、ロン・カーター率いるトリオ、ゴールデン・ストライカーのブルーノート東京でのライブを配信で見た。
御歳85の、193センチの長身がゆったりと歩く様は確かに高齢者なのだが、背の高いスツールに腰掛けて一旦ベースを弾き出すとこれがまた神々しいばかりのオーラで、画面の上からもそれが読み取れるような雰囲気だった。
とはいえ、話しぶりはとても丁寧で、曲紹介と共に挟まれる亡き友たちへの言葉はどれも優しく、想いに満ちたものだった。
10年くらい前に映画で使われたって言ってた“Theme of Eddie” (Eddie’s Themeで出ているようだ)の軽やかさ。
“Cedar Tree” では最後にほんの少しLong Train Runningっぽいリフが聞こえたりして。びっくり。幅広すぎじゃない?
個人的には、カーター氏の友人アントニオ・カルロス・ジョビンの“Opus Five”、これが一番好きだな~。最初メジャーコードで始まるんだけど一気にマイナーになるの。そのマイナーメロディがヤケに美しくて。ドナルド・ヴェガ氏のピアノが殊の外美しい。
ブルーノートとプレステージの2つのレーベルで一緒にプレイしたDuke Pearsonの曲もめちゃかっこいい(聞いたことあるんだけどタイトルが解らない~! “Blues for DT”って聞こえたんだけどそれだとヒットしないので、多分私の情報にミスがあるんだろう誰かおせーてどうしても探せないのよ~)。これはラッセル・マローン氏のいぶし銀のギターが光る名演。
カウントをとりながら始めるマイナーソング “Little Waltz”もいい。今回マイナーな曲が沁みるんだよなあ。今風のマイナー曲ってコードをいじりすぎてる気がすることがあって、それはそれで全然悪くはないんだけど、こう、バシッと決めて欲しい時がたまにあるのよ。そういう意味ではこの曲くらいの若干ストレートめな塩梅がいいんだよね。
ベースを堪能できるソロ(なんだか楽しそうでもあった)ではバッハの「無伴奏チェロ組曲」のメロディが解りやすいし耳に残った。尊敬している作曲家と、ブルーノートのライブレポート記事で読んだ。フィンガープレイでのバッハ。いいなあ~。お客さん拍手喝采。
ラストはこの間のブルーノートのオーケストラの時と同じ “Soft Winds”。1曲目と同じ優しげなナンバーで、いい気分でライブから帰れそうな、そんな感じ。またしてもお客さん拍手喝采。鳴り止まないまま配信は終わったんだけど、やっぱしあそこでライブも終わったってことよね?
今この時期に、海外からやってきて、お客さんの前でライブをするって物凄いエネルギーだ(しかも85だよ?)。そうやって頑張ってくれているミュージシャンがいることを思うと、その声に応えたいなと考えるし、どうにかして応える方法はないものかとも思案する。
もしもそのひとつの解決策が「ライブの配信をまめに見る」ことであるとするなら、私は今の状況が些かでも改善するまでは、それを甘んじて受け入れ、興味を持ったものは出来る限り見続けたい。
私達だって否が応でも歳をとる。長い目で見れば、今のライブの、いわば「二刀流」のあり方は、その時が来たら、きっと役に立つと思うから。
そしてその頃、このカーター氏のように元気に、どこかでライブを楽しめたら嬉しい。
写真は全て公式様より。Twitterとインスタからお借りしました。
そしてこの怒涛の配信ライブの合間に、Sensaton・3ヶ月連続配信シングル第2弾、“Rising Impulse” がリリースになりました。サブスクにあるのでぜひ!
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