文:訳す「夏の落とし物ーJohn Sykesの “Please Don’t Leave Me”を訳してみた」




 おおこれは懐かしい、Uniteで青山英樹さんと撮った神的1枚。


 何もかも自分の思い通りに行かないように見えることがあるよね。実はそうじゃないんだけどさ。人間の目って複眼じゃないから、一度に見られることは少なくて、いいことが目に入らなくなってしまう。

 誰かに恋をしてしまうとまさにそういう感じで、どうしてそんな相手にいつまでも未練があるのか、自分でも解らないくらい思いを剥がすことができなくなる。

 なんて時代ももう通り過ぎてしまった私に執着があるとすれば、昨日食べ残したケーキをいつ食べるべきなのかとか、非常につまんないことばっかしでw




 高見沢さんかと思ったw


 ジョン・サイクスというミュージシャンを、今回ひょんなことから知ることとなり、彼の、きっと一番人気じゃないかと思われる曲 “Please Don’t Leave Me”を聞き、その歌詞の解りやすさに、ああキャッチーってのはこういうのを言うんだなとつくづく思った。

 ちょっと切ないメロディに、夏の恋を悔いる内容。いやあドンピシャでしょ。こういう恋を、人は多分生涯に2回以上は絶対、してるんじゃないかな。



 個人的に、恋をすることより、失恋することが大事だと思っている。敗れて傷ついてボロボロにならないと、人は人に優しくなれないもんだ。もちろん元々優しい人だってたくさんいる。けれど、私みたいな凡人は、軽く落ち込んだだけで優しさを奪われるくらい人間がちっちぇえもんだから、傷がいっぱいつかないとダメなんじゃないかと思っている。てか今もダメなんだけどさ。


 こういう解りやすい詞を読むと、ついついそのまま訳すだけでなく、自分なりの、ちょっとだけ風変わりな訳詞にしたくなってしまうので、今回はそれもしてみた。


 ではまず原文を。


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In the summer we'd be crazy

We'd fool around all the time

Oh how I loved that girl when she was mine


But now she'd left me for another guy

And it really brought me down

For without that girl

I was lost and found


☆Oh darling please don't hurt me this way

Oh darling please don't leave me

Oh darling please don't hurt me this way

Oh darling please don't leave me


Now I get messed up and I fool around

But there's no fun anymore

They say times must change

But I'm not so sure


Lost lovers of summer

As you go your separate way

Remember memories you owe

Won't bring back those special days



In the summer we'd be crazy

We'd fool around all the time

Oh how I loved that girl when she was mine


Lost lovers of summer

As you go your separate way

Remember memories you owe

Won't bring back those special days



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英文法的に説明が必要だとすればラストくらい。


As you go your separate way

Remember memories you owe

Won't bring back those special days


1行目のasは多義語で、いろんな意味があるのだけど、ここはオーソドックスに理由(=because)で取ってみる。それとこのyouは一般人称のyouとも取れるが、この詞を読んでいる読者に呼びかけていると考えても良いだろう。


2行目のrememberは、動詞で始まっているので命令文であると解る。that節のthatの省略が起こっており、「次のことを覚えておいてくれ」という意味。で、次はこんな構文。


memories [you owe] won't bring back those special days


you oweの前に関係詞が省略されていて、memoriesが先行詞。ここ全体が文の主語になっている。受ける動詞はwon’t bring (back)。



 では、今回はまず直訳バージョンから。


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その夏俺たちは互いに夢中だった

いつだって一緒にくっついてた

どんなに愛していたんだろう

彼女が俺のものだった時に


でも今、彼女はとっくに俺から去って

他のやつのところへと

本当に参ったよ

あの子がいなきゃ

俺はまるで誰かの落とし物


☆ねえ、そんな風に俺を傷つけなで

俺をひとりにしないで

俺を打ちのめさないで

俺から去っていかないで


今、俺はもうめちゃくちゃで

遊び歩いたりしているけど

全然楽しくなんかない

時が経てば変わるってみんな言う

けど、そんな気がしない


夏に終わった恋人達よ

俺達は別の道を行くんだけど

覚えておいてほしい 抱えてる思い出達は

あの特別な日々を戻してはくれないってことを



その夏俺たちは互いに夢中だった

いつだって一緒にくっついてた

どんなに愛していたんだろう

彼女が俺のものだった時に


夏に終わった恋人達よ

俺達は別の道を行くんだけど

覚えておいてほしい 抱えてる思い出達は

あの特別な日々を戻してはくれないってことを


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で、以下は折角なのでちょっと遊んでみました的な訳詞。

お気に入りの七五調にしてみた。




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狂ったように互いだけ

求め続けたあの夏に

どれ程焦がれていたろうか

腕に抱かれて眠る君


今や全てが過ぎ去って

気づけば取り残された俺

夏の盛りを捨て切れぬ

片方だけのビーサンだ


★海岸線にひとり立ち

君の名前を呼んでみる

返らぬ声は波に溶け

返らぬ恋が打ち寄せる


心は粉々 散々で

一夜の遊びも虚しくて

時が経てばと言うけれど

思いは落ち葉のよに積もる


二度と届かぬ夏は過ぎ

行き合いの空 歩き出す

思い出だけを携えて

戻らぬ日々と言い聞かせ



狂ったように互いだけ

求め続けたあの夏の

素肌の匂いだけ抱いて

君の心はすり抜けた


二度と届かぬ夏は過ぎ

行き合いの空 歩き出す

思い出だけを携えて

戻らぬ君を見つめてる


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昔、オフコースの曲に「夏から夏まで」ってのがあって、ちょっと雰囲気が似てるなあと思いながら訳した。

あれも多分、87年とか86年とか、その辺。

80年代ってのは、名曲揃いで、ある意味贅沢な時代かもね。


という訳で、スーパーハイパーギタリスト、当ブログきってのご贔屓インストバンドSensationのリーダー大賀好修さん、今回もありがとうございました。これも歌ってほしかったな〜。















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