好きを公言して憚らない大賀好修さん率いるバンドSensation(祝!本日デビュー9周年!)の、ライブ動画。Instagramに入ってる、“A Whole New World” のカバー、これが傑作。記事の前にぜひ!こちらからどうぞ。
私はまだ彼らの音楽を知って間もないのだけど(この辺りについては、宜しければ右隣の欄、オススメ記事へどうぞ)、その魅力にずっとヤラレっぱなしでここまで来ている。もちろんそれは、大賀さんに魅了されてるからに他ならないのだけれど、それだけではなく、バンドの音そのものにも相当魅了されているからである。毎日聴いても飽きないし、聴けば聴くほどに深い味わいがある。例えば、好きなブランドのコーヒーのように、欠かせない存在になっているのは確かだ。いつかきっと、彼らの演奏をナマで見られる日が来る。その日を心待ちにしている。
さて。
私の通っていた女子校が、80年代後半の当初としても結構雰囲気緩めの学校だったことは以前にも書いた。
高1の最初の授業で、「『赤毛のアン』を読みなさい」と楽しげに語ったT先生が、それから間もなく言った。
「源氏物語はね、『あさきゆめみし』を読みなさい。私も大好き」
高校は本当に自由なんだな、漫画を勧めてくれるなんて、と当時の私は思ったが、そうではなく、大和和紀の描く「あさきゆめみし」は、連載が始まった時からずっと、漫画の域をとっくに越えた、立派な文学作品だったのだと、今の私には解る。
小学校3年から、叔母からの英才教育(笑)を受た私は、大和和紀の漫画は、当時手に入るものは全てと言っていいほど読破していた。「はいからさんが通る」にズッポリハマってしまった叔母が、今で言うところの大人買いをし、本屋で手に入る漫画を一気に購入して来たのである。私はどの作品も文字通り舐めるように読み回し、それが原因で視力を落とした。母は烈火の如く怒り、その時あった全ての漫画を破棄してしまったのだが、それでも数々の連載は続き、コミックスになり、叔母がそれを買い、私に回してくる、という母にとってはこの上ない悪循環がその後も繰り広げられたのだった。
おかげで私はその後もコンスタントに大和漫画に触れることになり、「あさきゆめみし」は最後まで読み切ることが出来た。古典が出来るようになったかは別としても、あれで古典への親しみが湧いたのは確かである。
こんな懐かしいことを思い出したのは、最近、文藝別冊で、大和和紀総特集号が出たからである。新聞で知り、早速取り寄せてみた。いやあもう懐かしい作品のオンパレード!私としては感涙ものであった。
特に、様々な漫画家さん達の特別寄稿のページが面白く、河原和音とおかざき真里、きたがわ翔、そして久世番子が最高だった。久世先生、「几帳抱き」っていう命名、最高ですね(笑)。
さあここで、コティ的大和和紀大プッシュ作品のご紹介を。はいからさんもヨコハマ(レコード出た時買ったよ)もあさきゆめみしもいいけれど、私がハマったのは別にある。
「アラミス‘78」
こんなに楽しいラブ・スラップスティックはない。今でも1番好きな大和ワールド。このギャグセンス。絶対面白い方がいいに決まってる、という考え方。自分の人生に多大なる影響を受けたと思っている。
「天の果て地の限り」
額田女王、美しかった。学校で習う中大兄皇子をどうしても「なかのおおえのみこ」としか読めずに困った記憶あり。これで万葉集に興味が湧いた。あさきゆめみしより好きな古代ロマンワールドだったかもしれない。
「紀元2600年のプレイボール」
アラミスの次か、同じくらい好きな青春時代野球漫画。これの最後思い出すだけで泣ける。キャラだったら薬子とにしきさんが好きだった(笑)。
「あい色神話」
これ大好きだった!優等生女子と芸術系男子の、高校生からの10年間を描いたストーリーもの。こんな高校生や大学生や大人に憧れて仕方がなかった…なれなかったけど…。何度も読み返してはため息をついたものだった。
「翼ある者」
「ひとりぼっち流花」の後日譚だけど、これ1本でも読み応えあり。美しい話だったわこれも。「あい色」もそうだけど、芸術系の男にこの辺りからどんどん弱くなる(苦笑。が、幸か不幸か、私の周りには誰もいなかった。道を踏み外さなくて済んだのかもしれない(笑。まあ、別の意味では踏み外したけどたくさん…)
「菩提樹」
大学生になっても読んでた気がする、これ。医大生の話なんだけど、一大青春もので、ドラマ化しないかとずっと思ってたくらい。大好きだったほんと。主人公だけじゃなく、6人全員の人生が丹念に描かれるのもとても良かった。
「影のイゾルデ」、絶対読んでると思うんだけど、ちょっと覚えていないのよね。でもこれ、「トリスタンとイゾルデ」のイゾルデがモチーフだと言うので、せっかくなのでいつかこれだけは買ってみようかとも思う。
大学生になり、一般教養の英語IIという授業で初めて、「トリスタンとイゾルデ」を読んだ。もちろん英語で。先生は、シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」を引き合いに出して、違いも含めて語ってくれた。大学1年生の女子にはとても興味深く、とても美しく、とてもロマンチックに聞こえた。だからこの先生に付いて、英文学を学ぼうと思った。
そんな純朴な女子大生だった私が、まさかダンの詩を好んで読むことになろうとはねえ(苦笑。人生は、本当に解らん。
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