文:聴く読む訳す「オトナになった女子がオトナになる前ー大賀くんと“Sensation III”と英文法問題集とEasy Loverー」(動画更に追加)

 







 某新聞をイマイチつまらなく感じ初めて暫く経つ。元々新聞は結構好きな方で、仕事がある日でも朝から、まあ満遍なくではないけれど、そこそこ目を通していた。特に、入試制度がガタつくようになってからは、社会欄や教育欄など、知っておくべき情報があれば、必ずチェックするようにしていた。もちろんそれは今でもしているのだけれど、でも、前に好きだった読者欄や、昨今のウイルス情報などは、どうもイマイチ余りきちんと読む気がせず、サラサラと眺める日が続いている。後者は必要があれば読まなければいけないと思うが、ここのところは、ほんの少し距離を置いている。それくらいはまあ、許して貰えるだろう。いい歳の大人でも。


 しかしながら、楽しみにしている記事やコラムもある。まずは復活した1面の「折々のことば」。毎日必ずそこから読む。1面の見出しよりそっちのが大事。それと、今年度からかな、日曜に移動した、ピーター・J・マクミラン氏の「詩歌翻遊」。今までの連載の中でも気に入っている2、3の記事は、手帳に挟んで持ち歩いている。流暢な英語での翻訳で、声に出すと大変気持ちいい。これ、本になったら買うなあ。そして、人気イラストレーター益田ミリさんの「オトナになった女子たちへ」。ふわりとした文章の中に、ミントのようなハッとする爽やかさと気づきがあり、読んでいて心地いい。彼女の本が人気なのが解る気がする。





 で、そのミリさんの、7月23日付の朝刊の記事に、こんな文章があった。


「生まれる時代は選べないけど、自分にとっての希望が同じ時代にあるというだけで自分自身を説得することはできる。」


 冒頭の4行なのだが、思わず二度読んでしまった。いやあ解る。その通りだと思った。激しく共感。「自分にとっての希望が同じ時代にある」、なんていい言葉だろう。

 ただし私はミリさんと違い、本は古典が好きなので、別に同じ時代ではなくても問題ない(苦笑。むしろ、その、自分の全く解らない時代の詩や小説を、その時代に思いを馳せて読むのが好きなので、手に取るように解ることはなくても、想像することに一種の快感を覚えている。


 が、だ。

 音楽は違う。


 いやいや、音楽だって、クラシックの傑作とかたくさんある訳だし、そういう意味では、今私が言った、その時代に思いを馳せて聴くことも十分可能だし、その方が好きだという人も多いだろう。当時の音楽を今の演奏で聴くのだって一つの大きな楽しみだ。これは私も解る気がする。





 が、ミリさんの文章の続きを読むと、あああああ、そうそうそう!解るなあ~と頷かずにはいられなかった。

 ここで、ミリさんの今回の文章の冒頭をそっくり真似て(あえてパクってとは言わずにw)、私の気持ちを綴ってみたいと思う。まあ、本歌取りってことで(違。



 『生まれる時代は選べないけど、自分にとっての希望が同じ時代にあるというだけで自分自身を説得することはできる。わたしはミュージシャンの大賀好修さんのファンなので、大賀さんのギタープレイが希望のひとつなのだった。

 大賀さん率いるSensationのアルバムは、まるごと4枚聞いて楽しむのはもちろん、選んだ1枚だけを聴くのもいい。なんならその1枚から適当に選んだ1~2曲を聴くだけでもいい。サウンドがじんわりと胸の中にしみ込んできて、大賀さんが同じ時代に生まれてくれて本当によかった、どうもありがとうございます、とナニかにひれ伏したくなる(ナニに?)。』









 どうよ。ミリさんが、私の気持ちを完璧に言い当てる文章の下地をお作りになっているとお分かり頂けたのではないだろうか。

 え?結局大賀くんの話を書きたいだけだろうって?まあ、否定はしない。する訳がない。


    Sorry but I cannot help talking about him all day long.




 ちなみに大賀くんといえば、Sensationにスポーツに似合うアルバムがある。3枚目のSensation III、渾身の力を込めてお勧め。「Fantasista」(下に動画貼り付けてあります。最後にも、他の動画やこのアルバムに関するインタビュー記事もあり。どれでもお好きなものをどうぞ)や「field of dreams」など、大賀くんが好きなサッカーに似合う曲が目立つが、以前の記事でも紹介した、真夏の滴る艶っぽさを含んだ「陽炎」や、深呼吸的存在の「Natsu no Kaze」(この曲大好きだ)、アルバムトップの掴みの1曲「Kaleidoscope」(2分27秒からのギターソロには毎回ヤられる)など、バラエティに飛んでいるのも楽しい。唯一のボーナストラック的な、ボーカル入りの1曲「Can’t live, Can’t help」の詞の不思議な世界観も嫌いではない。実はDLで全てのアルバムを購入した癖にディスクをわざわざ書い直した(という話は、PC版ブログページの右側のオススメ記事に書いてあります)理由の1つは、この曲の詞が知りたかったからである。 





 中はこんな感じ。しかしなんで筑波嶺なんだろう。その昔茨城に縁があった人間としては気になるところである。

 「虚ろなこの身体 消えるまで 君にツイていくよ 世界の果てまで…」ってのは、まるでブロンテの『嵐が丘』だなあと思った次第。好きだなあ嵐が丘。ちょっと暗いけどそこがまた味だよ。昔からこの小説は題材として取り上げられてるよね。ケイト・ブッシュとか有名だよね。今回のこの曲も、恋苦しいとでも言おうか、そんな世界が4つ打ちのアップテンポな曲に合わせて繰り広げられる。ギターの音色もボーカルに合わせるように、派手ではないけどとても華麗。最後まで、消え入るまで君についていく。そして世界は美しい、だもんねえ。恋は人を狂わせるのよね。嗚呼。





 鴻巣さんの訳も気になるが、小野寺先生、集中講義で教わったことがある。懐かしい。光文社古典新訳文庫、すごく良いんだよねえ。大好き。表紙やレイアウトも含めて。


 カラッとした空気感が身上のSensationのアルバムの中でも湿度かなり低めで、湿気の多い夏の清涼剤になること請け合い。午前中から部屋いっぱいに流してみてほしい。

 ところでこの3枚目の「乱舞」と、2枚目のアルバムに収録された「Rumble!」は、わざと遊びがあるタイトルにしたということなのだろうか。聴くたびに思う。


 で、「Fantasista」。2つめはStay Home Version.





 次はアルバム全曲ダイジェスト紹介。太っ腹!    




 以下は、今日語りまくった3枚目のアルバムがリリースされた際の、大賀くんのロングインタビュー。残っていたので追加で貼らせて頂く。Part1から3まであるので(笑)、若干長めですが、聞けば楽しさ倍増は間違いなし。






 さて、この後ミリさんは、家の中の様々な場所に置いてある本について語るのだが、その中に、

「英文法レベル別問題集1超基礎編」

というのが出てきて(しかも2度)、私的にはかなりツボだった。

 いわゆる「レベル別」と我々が呼ぶ問題集は、東進ブックスから出ている超特大級のベストセラーで、その昔受験生だった人達、特に浪人を経験している人は必ずと言っていい程このシリーズに取り組んだものだった。文法と長文の2種類が、それぞれ6冊セットになっており、大体の受験生は、どちらも3と4までは終わらせてからセンター試験に臨んだ。





 超基礎篇1をすっ飛ばして、2や3へ行くケースももちろんあるが、基礎力に自信のない人は、是非ともこの1からじっくりと取り組むべきだろう。この、レベル別シリーズには姉妹編として、中学生向けのシリーズもあるのだが、実は中学の応用レベルの問題集は、この、英文法レベル1超基礎篇よりも難しい問題が入っていたりする。それくらい、超基礎篇1は、逃してはいけない問題が入っている。だから、ここからしっかりやってみようと思われたミリさんのチョイスは正しいと思う。


 この、東進の安河内先生の渾身の問題集は、時代的にはやや古くなった感は否めないが(英語は毎日人が使っているナマモノなので、新鮮さが大事である)、それでもいい問題集であることに変わりはない。


 しかし私のお勧めは別にあって。学研から出ている駿台の戸澤先生の「英文法・語法400」。これはいい。比較的新しい方だしね。Vintageを全部は覚えられないけどちゃんとやらないと、と思っている高2生にお勧め。まずは400問全部マスターしてからVintageに行くと、若干遠回りだけど、頭は整理できると思う。






 大賀くんと同じ時代に生きていた、ということがきっかけとなり、最近、80年代の音楽を聴く、いや聴き直す機会に恵まれていたりする。便利よねえSpotifyって。聴きたいなと思ったら大体入ってる。しかも歌詞までついてる。こんだけ音楽好きなのに、私ったら、こんな便利なもの、どうして今まで使わなかったのかしらね(苦笑。


 そんな中、最近ブログにもアップした、大昔書いた小説が入っていたのと同じUSBに、これまた大昔作った、80年代から2000年代初期の洋楽の歌詞カード的プリントの類がごっそり入っていることに気づいた。


 昔勤めいていた高校で、ある先輩が一太郎で作った歌詞カードの雛形を貰い受け、それを元に様々な曲を取り上げ、プリントを作った。英語の歌詞と、日本語訳、それとミュージシャンの説明、写真を貼り付けて私が作ったプリントは、全部で60曲分ほど。いやあ、作ったなあw 完全に仕事じゃなくて趣味だよね。


 作る際、1番困ったのはもちろん訳詞である。CDに和訳がついていて、それをそのまま使ったり、ネットに落ちているのをアレンジして使ったり、まあ色々したんだが、とにかく、正しいのが見つからない(笑。自分だってちゃんと訳せない癖に言うのはなんだけど、でもそれが間違ってることくらいは解るのであって。酷いのになると、ビリー・ジョエルだったと記憶しているが、CDについている和訳が破綻していた。ちょっと調べれば解る熟語を、そのまんま直訳しており、意味不明になっていたりして。こんなんじゃ、全部使うってことは出来ないよね。


 そして最近、とある朝、何故か頭の中で急に流れ出した音楽が、よりにもよってフィル・コリンズとフィリップ・ベイリーの歌う”Easy Lover”で。自分でも笑ってしまった。そしてふと、これもあの歌詞プリントで作ったっけなあと思い出した。




 その時の訳詞を見直したりはしなかったのだけど、せっかく思いだしたし、ということで、あらためて訳を試みてみた。


 が、大体、easy loverが解らない(笑。全然easyじゃない女を歌った歌なのだから。まあ、その辺が面白いところなのよね。じゃあなぜeasy loverかというと、要は「性的に」easyということなのだろう。だから訳ではぜんっぜんeasyじゃないから、ということを前提に訳してみた。


 ちなみに、これは1回も使わなかったプリント、つまり「お蔵入り」だったような気がする。

 まあ、あんまり使える曲じゃないけど、もしこれを教材として使いたい方がいらしたら(ないと思うけどw、「訳詞:コティ」まで入れておいてくれたら嬉しいです。

 ますは元の詞。大体ですが。



Easy lover
She'll get a hold on you believe it
Like no other
Before you know it you'll be on your knees
She's an easy lover
She'll take your heart but you won't feel it
She's like no other
And I'm just trying to make you see

She's the kind of girl you dream of
Dream of keeping hold of
You'd better forget it
You'll never get it
She will play around and leave you
Leave you and deceive you
Better forget it
Oh you'll regret it

No you'll never change her, so leave it, leave it
Get out quick cause seeing is believing
It's the only way
You'll ever know, oh


Now don't try to change her, just leave it, leave it
You're not the only one, cause seeing is believing
It's the only way
You'll ever know, oh

She's an easy lover
She'll get a hold on you believe it
She's like no other
Before you know it you'll be on your knees
(You'll be down on your knees)
She's an easy lover
She'll take your heart but you won't feel it
She's like no other
And I'm just trying to make you see
(Trying to make you see, yeah)

You're the one that wants to hold her
Hold her and control her
Better forget it
You'll never get it
I shall say that there's no other
Till she finds another
Better forget it
Or you'll regret it


And don't try to change her, just leave it, leave it
You're not the only one, ooh seeing is believing
It's the only way
You'll never know, oh


Easy Lover by Phillip Bailey and Phill Collins


★ヤバい奴(オンナ)

掴まったら最後 マジで

他にはいない

気づいたらすっかり向こうのペース

あいつはヤバいって

骨抜きにされたことすら気づかない

どこにもいない

目を覚ませよ


夢に見るよなタイプだよな

ずっと抱き合いたいような

忘れた方がいい

手に入る訳がない

遊び歩いて捨てられて

捨てられる上に騙される

忘れた方がいい

泣かされるのがオチ


変わることなんてないから

放っておくしかないんだ

早く手を引けよ 今に解る

それしかないんだ

今に解るはずだから


抱きたいだけじゃなく

自分だけのモノにしたいって?

忘れた方がいいな

出来っこないから

「あなただけ」なんて言うのは

次が見つかるまでの間さ

忘れるしかないだろ

泣かされる前に


★★変えようなんて思ってもムリ

放っておくしかない

お前だけじゃないんだぜ

今に解る

それしかないんだ

今に解るはず


★★ repeat

★ repeat

(訳詞:コティ)






 昔訳した時には、これは2人の男が1人の女を狙っているがために互いに牽制しあって、あんな女やめろよって言ってる歌かと思ってたんだけど、多分そうじゃないね。これはさ、とあるヤバい女にぞっこんになっちゃってる男に、悪いこと言わないからやめとけよ、俺にも経験あるけどさ、と経験者は語るってな感じで友人が説得してんのかもしれない。フィル・コリンズのドタドタした感じのドラムが若干うるさ目だけど(笑、まあこれはこれで、80年代の派手さというか、そんな気分で聞けばいいのではないかと思う。

 しかしこれをなんで朝思い出すかなあ~。


 昔、私が、訳詞がなくて途方に暮れたように、今でももしかしたら、少し古い洋楽の歌詞を探している人たちが、どっかにいるかもしれない。60曲全部はムリだとしても、少しずつ昔の訳に手を入れて、面白く上手に出来たものを、ここに貼り付けて行けば、もしかしたら、いつか誰かの役に立つのかも、なんて思ったりした、2021年の夏である。



Sensation IIIの時の大賀くんのインタビュー記事@barks

Sensation IIIのmusingのページ。メンバーのインタビュー動画あり。
















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