文:見る「やっぱりダブルがいいよねーMai Kuraki Live Project 2021 “unconditional L♡VE”(配信ライブ)」





♪倉木麻衣 Mai Kuraki Live Project 2021 “unconditional L♡VE”


 こんな世の中にならなかったらきっと、まいちゃんのライブ見ようなんて思わなかった。そう考えると、このままがいいなんて決して思わないけれど、貴重な体験のきっかけになっているのは間違いないのかもしれない。

 配信は12月19日まで。



 ええと、ライブ話する前にいきなりですがまいちゃんにリクエスト!

 倉木麻衣さま、もし宜しかったら、ぜひウェディングドレスのブランドを作ってください!まいちゃん名義の!


 あの2着目にお召しになっていたドレス、あれに完全にヤられました。片側がややベル気味の袖口の長袖(内側、くるみボタンで止める風だったでしょうか?)と、もう片側がノースリーブ共布バングル付き。全体にビーズかな?立体的だったと思うけど。あんな可愛いくて美しいドレス、 着られるもんなら着てみたいって思う人いっぱいいるんじゃないかなあ。


 それと、和風テイストのお歌もあるので、いっそ色打掛も一緒にプロデュースしてほしい!まいちゃんのハッピーオーラで花嫁さんも絶対ハッピー倍増!レンタルドレスの予約者にはもれなくまいちゃんのメッセージカード付き、とか!w


 更に!

 その、薬師丸ひろ子さんにも似た可憐な声で、ぜひ絵本の読み聞かせCDを!またはマタニティオンリーのライブなんてどうでしょう?まいちゃんの声は本当に綺麗で優しいので、お母さんもお子さんも絶対ハッピー!






 さて。

 有観客でやるはずだったライブの中止を決めた時、どれ程彼女は悔しい思いをしたろうとふと考えることがあった。折りしもその裏ではほぼ同じ時期に、会場のキャパやメソッドの違いなどあれど、有観客を大々的に謳い、実際に行ったミュージシャンがいた訳である。彼女の気持ちは如何ばかりであったろうかと思いを馳せずにはいられなかった。


 その彼女が、配信ライブを行うと聞き、惹かれるものがあった。また、サポートメンバーにはSensationのメンバーではなかったものの、我らが徳ちゃんこと徳永暁人さんが入るということで、チケットを購入することにした。


 まいちゃんの音楽にはいろんなジャンルが混じっているが、根っこにあるのはR&Bである。コード進行やメロディなど、昔本当によく聴いた音楽を彷彿させる。私にとっては懐かしいけど新しい、そんな気分。


 白いパンツスーツでの数曲はミディアムテンポ。ちょっとドキドキしながら自宅で見ているこちらの気持ちを少しずつほぐしてくれるよう。まいちゃんは腕を上げたりマイクスタンドからマイクを外して歌ったりしながら、ゆったりとステージを歩く。だんだん盛り上がってきたところで、前出のドレスにチェンジ。バラードや、逆に力強いナンバーを歌い上げる。


 感心した、と言ったら上から目線で申し訳ないのだが、まいちゃん、デビューの頃のか細いばかりの声と違って、艶があり、伸びやかで、張りもある素敵な声だった。特徴的なウィスパーボイスは変わらずなのだが、どんどん進化して大人になって行った感じ。実に平凡な例えだけど、蛹が蝶に変わったような、そんな印象を受けた。


 それだけでなく、凄いなと思ったのが、彼女、絶対に音を外さないのである。普通、音って1音くらいは結構外すものである。高いところとか逆に低いところとか。それが、彼女はまるでピアノの鍵盤でも叩いているかの如く、どんぴしゃりの音を出してくる。これって案外易しいことじゃないよね。ひとつひとつの音を丁寧に歌っているとも感じた。作った人は嬉しいよね、こんなに大事に歌ってくれたらさ。


 丁寧で、でも力強いところは強く。一本芯が通った感じ。歌詞の清らかさも相まって(TMも透明度が高かったけど、まいちゃんも負けずに透明感高い。まいちゃんの透明感と言えばその肌も!前にファンデーションのCMに出たよね?もっと出ていいんじゃないかなあ化粧品のCM!)、彼女のイメージはでもやはり、ジュリエットでもオフィーリアでもなくて、リア王んとこの1番よく出来た娘、三女のコーディリア。





 真面目で真っ直ぐで他人にも自分にも嘘がつけず、損ばかりしてしまうが、最後にはその真っ直ぐな愛ゆえに父の誤解も解け、ハッピーエンド…ではないんだけど(「リア王」は悲劇だからさ)、コーディリアの美しい心根が響く、そんな人物。若い時はそんなに魅力的に思えなかったんだけど(どうしてもオフィーリアの儚さとかさ、そっちに意識が行く訳よ)、よく考えたら一本気で、融通が効かず、強くて純粋な女性キャラクターって素敵じゃない?


 海外でテレビでOAされたらしい(Amazonだったかな)、アンソニー・ホプキンズが演じた“King Lear”を昨年WOWOWで見たんだけど、現代への翻案の見事さと相まって(ホームレスとなりカートを押しながら独白するリアのシーン、秀逸だった)、コーディリア像も良かったと思う。フランス軍に従事してるんだからね。シェイクスピアもびっくりよ。


 まあ、この話はどっちかっていうと、悪役となる長女ゴネリル&次女リーガンの方が俳優として長けた女優がやる=こっちのが面白いってことになってるんだけど笑、それでも、コーディリアがいなければこの2人だって生きて来ない訳で。


 脱線したが、そんな、清潔感に溢れたキャラクターであるコーディリアのようなまいちゃんは、ドレスのまま大ヒットナンバーを押さえ、次に3つ目のデニムの衣装に着替えると、軽やかに新しいアルバムの曲を歌い出す。


  Unconditional Love、好きだなあこの曲。R&Bの基本、切なくてハネる&ノレるを貫きながら彼女らしい爽やかさが全体を彩っている。爽やかと言えばこの時の衣装が素敵。ジーンズのリメイクと思われるロングスカートなのだが、前にも後ろにもフロントに大きくスリットが入っていて、おお大胆!と思いきや中は黒のサイハイブーツでビシッと決めている。カッコいいなあ。こういうスタイルも、真似したいって思う子多いんじゃないかなあ?


 カッコいいR&Bだけど、可愛くて清潔感いっぱいって、ほんとまいちゃんじゃなきゃ出来ない芸当よね。普通コレ系だったら絶対フェロモン200%ってな感じで攻めてくるもんだろうに笑。こういうのもきっと、まいちゃんに女性ファンが多い理由のひとつなのかも。




 とまあ、まいちゃん話ばかりしていますが、もちろん見てましたわよ、徳ちゃんを!いやあ素敵。まいちゃんの後ろにスッと立ってベースを弾く徳ちゃん。まいちゃんに話を振られて笑顔の徳ちゃん。ソロでチョッパー披露する徳ちゃん。そのどれもがカッコいい。


 なんだろう、この人は、フロントに立つことだけが仕事みたいな顔だって全然出来る立場にあるはずなのに、後ろで支える仕事にこそ喜びがあるみたいな顔をすることがある。下支えって言うのかな、その重要さが解っているからこその顔。こういうのが痺れるのよ。徳ちゃん最高。


 昔っから、バンドを生で聴いていると、絶対フロントから右とか左とかに目線がずれていく自分がいたっけとふと思う(大賀くんはその延長線上にいたんだよね。だから、そんな職人気質を持った人の集まりであるSensationが堪らなく好きなんだよなあ)。


 サックスや弦楽器、琴などが入ったアンサンブルは本当に聞き応えがあった。その皆さんが女性だったってことも、ステージにより一層の華やかさを添えていた。コーラス、ピアノ含め、舞台上にまいちゃん入れて総勢7人の女性陣!これってほんと楽しい。ギターの増崎孝司バンマス、素晴らしい仕事っぷりです。そして最後に、ドラムの大津さん、イケメンですね〜!笑顔が素敵でした。





 生ではなく配信ライブであることの無念さもきっとあったと思うが、そんなことはおくびにも出さず、みんなで楽しもうね!いつか会える日まで待っていてね!と呼びかけるまいちゃんの姿が眩しかった。

 倉木麻衣さん、あなたの今回の決断は正しかったと私は思う。少なくとも、支持する人は少なくないはず。いつかステージで見ることができる日が来たら、きっと会いに行きますね。キラキラと光る透明なクォーツのようなあなたの歌を聴きに。 


 最後の写真はTwitterより。






 

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