文:見る「そんな時代もあったねとー植田真梨恵 LIVE “師走デストロイ“ @OSAKA RUIDOー」(配信にて)





 海外ドラマファンあるある。テレビをつけてOAしてると興味がなくてもふと見てしまう。今、FOXチャンネルで朝「ブルー・ブラッド NYPD 家族の絆」の再放送をしているのだが、なんとはなしに見ている。所々目をやる程度だけど、意外に面白い。主役の警察一家は10人くらいの大家族で、それが一つの大きなテーブルに座って全員でご飯食べるシーンが毎度のお決まりなんだけど、なんか、サザエさんの豪華版というか笑、刑事モノなのでほのぼのって訳でもないけど見ててちょっと楽しい。急に兄弟喧嘩が始まったりする軋轢も上手く描けてる。





 今調べたら第10シーズンくらいまでもうあるw どんだけロングシリーズなの。 


 

 さて、この冬はどうかしたのかってほどの配信ライブラッシュである。何故それ程に配信を観るのか。そこに配信ライブがあるからである笑。

 見た順にできる限り、記録していこうと思う。



♪植田真梨恵「師走デストロイ」 配信日:12月4日〜11日


 植田真梨恵嬢、初めて見るし初めて聞くしの初めてづくし。ついでに言うと、今のSensationの麻井寛史さんがプレイする姿を見るのも(Youngの頃の麻井くんは同じくYoungな大賀くんと共に稲葉さんのソロライブでの姿をDVDで拝んでいる)初めてだったし、サポートドラムがSensationの車谷啓介さんだったってことを初めて知ったのは配信見る少し前で(苦笑)。


 そんな中で見たんだけど、これが想像以上に入り込んでしまった。褒め言葉になるかどうかわからないんだけど、彼女を見ていて聞いていて、初期のChara、ううん、1枚目のアルバムのCharaを思い出した。大好きだったんだよねえ。どれだけ聞いたかわからないくらい。


 初期のChara。危うくて、妖しくて、悲しくて、切なくて、小狡くて、愛しくて。「オンナ」という単語の持つ魅力とめんどくささを全て体現したような存在だった。大学生だった私にはある意味、絶対にああなれないと知っているからこその憧れのようなものだったのだと思う。


 真梨恵嬢は、雰囲気はちょっと違うんだけど、歌の持つ魅力には少しあの頃のCharaのような味を感じた。でもCharaよりももっと、女であることの不自由さとか、もどかしさとかを体現しているようにも思えて、今の私にも、そして多分あの頃の私にも、結構グッとくるものがあった。


 振り切れたパフォーマンス。絞り出す声。髪を弄る仕草さえも、どれも痛々しいくらい「彼女自身」。オフィーリアでもジュリエットでもなく、もちろんダーシー氏を探すエリザベスでもなく、多分サロメ。


 相手の首を切り落としてまで欲しいと思うほどの愛。でも私の中のサロメはどこかできっと情念は冷めていて、自分でも自分を持て余している。深さは怖さでもある。


 「メリーゴーランド」を降りる、と歌う歌詞の新しさにもやられたが、とにかくメロディがいい。「心と体」「夢のパレード」それとアンコールの2曲「BABY BABY BABY」と「ダラダラ」がよかった。


 「ダラダラ」さあ、なんかさあ、胸に迫るものがあったねえ。遠い遠い大昔のことを思い出してさ。なんかもう、思い出したくもないんだけど、ほんのひと時、あんな情景があった。綺麗な思い出でもないし、どっちかっていうと忘れてしまいたいし、普段思い起こすことなんか絶対ないんだけど笑、今回それがふと蘇ったのは、もしかしたら、麻井寛史さんのせいかもしれない。





 そう、麻井くんよ。麻井くんの歌声よ。


 初めから終わりまでコーラスを取っているのは麻井くんなのだけど、この声がなかなかいい。いや、なかなかじゃなくて実にいい。というかかなりのツボだった。ベーシストなんだからベースのことについて語らないといけないのだけど、声がいいとなったら声について語りたいのよ。柔らかくて少し高め。余り掠れていないのが特徴かな。割と少しハスキーな声が多い中(それはそれで好きなのだけど)、麻井くんの声には適度な湿り気がある。それがいい。適度ってのは大事。その麻井くんの声が真梨恵嬢にいいい具合に絡むのよ。真梨恵嬢の声はかなり尖っているので、それを受け止める麻井くんのソフトな声は、聞いていてとても気持ちよかった。なんというか、どんな声質でも受け止められるって感じで、来るものを全部ふわっと支える、まるで分割で買わないといけないくらい高級な低反発マットレスみたいなw いや冗談抜きで。とにかく、あの声には正直クラッときたね。


 ベースを弾く姿もかっこいい。時間を追うごとにどんどんアクションが増えて行くし、表情も柔らかくなっていくし。





 麻井くんのベースって、歌うのよね。ベースであれだけ歌心があるって本当に素敵。ジャズではよくあるけど、ロックでは余り経験がなくて。上から下まで自由自在に音が動く。Sensationのアルバムでもね、麻井くんのソロのところはふと手を止めて聞いてしまう。今回はどちらかというとロック寄り、いや、ドがつくくらいのロック系なので余りその辺は目立って聞こえなかったけれど、安定の指さばきは見ていてカッコよかった。





 で、更に安定のタイトさを聞かせる車谷くんのドラミングには相変わらず痺れた。彼のライブの音は徳ちゃんのソロで聴いたけど、その時とは音作りが少し違っていた気がする。合わせるんだよねえ、歌い手とかバンドとかに。9割はグッと真面目な、キリッとした顔(車谷くんのキリリ顔ってホントにイケメン)なんだけど(そういえばSensationの4人ってさ、どの場面で見ても、演奏中みんな基本的に顔が笑ってないよね。真剣そのもの。大楠くんは比較的ソフトな表情だと思うけど、他の3人は「口は真一文字!」がスタンダード笑。シンガーじゃないってのも理由だろうけど、一つ一つの音にまで意識を届かせているんだろうなというのが解る。大賀くんが1番笑顔が多そうだけど、それだって演奏の最中は少なめ。気合い入ってる時って人間そんなにニコニコ笑えないものよね。そういうところも4人とも職人気質でいいなあと思う)、時折見せてくれるこれまた柔らかい表情が、車谷くんの魅力。このギャップ王子がw


 セットリストを「後ろに貼っておきます」とか、ライブハウス感満載のMCも良かったし、「配信で見てくれてる人も、ありがとう」と繰り返し伝えてくれる真梨恵嬢。いい詞にいいメロディ。少しぶっきらぼうだけど、弾けるような笑顔が眩しかった。


 思いがけない拾い物をしたような気分で、繰り返し見たことを記しておく。

 写真は、最初の2枚と最後の1枚はTwitterより。



















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