(なるべくジャズっぽいのをと思って探したんだけどさw)
ここでブログを書き始めて1年になる。
始めた時はまさかこんな内容になると想像もしておらず笑、時に逆らわないで流されっぱなしになっていると、案外楽しい拾い物をすることがあるんだなあとつくづく感じている。
1年経ったところでふと、ブログの設定を見直してみた。一体このブログは何が書いてあるのかと問われた時、絶対説明できないなと思ったのだが笑、その時突然「文芸部」という単語が浮かんだ。そうか、私にとってここは、私の中の「部活動」、つまり、本業とは少し別の、趣味ではあるけれど、趣味と呼ぶには余りにも暑っ苦しすぎるほどの熱意で何やら語り倒したいことが書いてある場所なのだなと。実際文芸部に入ったことはないのだけれど、だからこそ、ここで「ひとり放課後部活動」として、思いつく限りの言葉ーー文章も、短歌も、翻訳もーーを、熱意が冷めない限り、並べていこうかと、あらためて思った次第である。そんな想いを込めて、サブタイトルをマイナーチェンジしてみた。
こんな場所にも時々遊びに来てくださる方がいらして、本当に嬉しい限りである。
インスタグラムで繋がって下さった方の中には、やはり当ブログ随一のイチオシギタリスト、大賀好修さんと、大賀さんのバンドSensationが好きな方が多い。勿論、徳永暁人さんのファンや、満園庄太郎さんのファンの方もいる。
その、大賀さん繋がりの方のおひとりから、私のジャズのお薦めを教えてほしいとのリクエストを頂いた。
30過ぎてジャズに触れ、好んで聴き始め幾年月。ああ、とうとう私にもジャズを語れる日が来たのだと勝手に思い込み、せっかくなのでぜひブログ記事にさせて欲しいとお願いすると、快諾を頂いた。ありがとうございます。
で、普通にお勧めを書くだけでも楽しいけれど、贔屓の引き倒し!でご贔屓を愛でているこのブログならではのものにすべく、少し角度を変えてお勧めしていければと思う。
先程も書いたように、インスタで繋がって下さったお友達は皆、Sensationをはじめとして楽器をプレイする人が好きだ。そこで、その楽器ごとにお薦めをしていこうかと。つまり、大賀くんのギター、麻井くん徳ちゃん庄ちゃんのベース(多いなベーシストw)、大楠くんのピアノ、車谷くんのドラム。それと、大賀くんが昨年末コラボしたトランペット。更に大賀くんがその時に言っていた、還暦くらいになったらやりたい楽器、サックス。
本当に私の好きなものばっかりの話になると思うので、偏ったセレクトになるが、どうかご容赦頂きたい。
でもまあその前に。
自分の好みをどうやって知ったらいいかという話から。
私は、いわゆるコンピレーションアルバムを購入して聞くところから始まった。CDショップに行き、ジャズのコーナーを見ると、当時レコード会社ごとにコンピレーションしたジャズの定番曲を集めたCDが何枚か出ており、それを2、3枚買ったんじゃなかろうか、その辺からだった。
正直、その中で本当に気に入って聞いたのはアート・ブレイキーの “Moanin’”くらいだったのだが、またある日CDショップで、かの有名なブルーノートレーベルから1,000円で出ていた “BOP!”というタイトルのコンピレーションを見つける。これが私の人生を変えたと言ってもいい。ここで今私が好きなミュージシャンのほとんどを見つけることになったから。
という訳で、もし今の時代で昔の私と同じことをするなら、やはりサブスクを利用するのが一番手っ取り早いと思う。
例えばSpotifyの、検索→ジャズと行って開いてもらうとこんなのが出てくる。。
この画像の、「クラシック」というところに行ってもらうと様々なプレイリストが出てくるが、例えば下のようなところがお薦め。
これを聞いて気に入ったら、その気に入った曲のミュージシャンの、その曲の入ったアルバムから聞いてみるといい。
他にもいくつかプレイリストがあると思うので、その中を覗いて「ジャケ買い」する、つまりジャケットの写真がかっこいいなと思ったものが多いプレイリストを聞くといいと思う。え?と思われるかもしれないが、ジャズのレコードというのはどれを部屋に飾っても素敵な程かっこいいのだ。だから、自分が「見て」かっこいいと思ったものは「聞いて」もカッコ良かったりするものが多い。で、 聞いてみて、そこで好きな曲やいいなと思う曲が出てきたら、今度はそれをアルバム単位で聞いてみる。アルバムが気に入ったら、次は同じミュージシャンの別のアルバムに行ってみる。
好きな楽器や聞きたい楽器が決まっているなら、その楽器でセレクトしてあるプレイリストを何度か繰り返し聞いてみて、同じようにするのもいい。
日本人のジャズが気になったなら、個人的には、最初に入るなら、Soil & “Pimp” Sessionsがお薦め。カバーもあるし上手い。結構激しいけどねw ピアニストなら勿論、小曽根真。ただし最近の小曽根さんはクラシックの色が濃いので、ジャズなら小曽根真&ザ・トリオ名義のものがいいかもしれない。または小曽根さんの昔のソロアルバム。
もちろん!そこはSensationもお忘れなく。全編ジャズって訳じゃないけど、新たなる発見へ誘われること間違いなし。サブスク解禁になってまっせ〜と麻井くんのTwitterのように言ってみる笑。
Apple Musicに有料で入っている人も、「検索→ジャズ」で入ってみて、いいなと思ったものを聞いてみるといい。もしどれがどれだかさっぱり、という場合は、個人的にお薦めなのが、一番下にあるCurator。ここのいっちゃん最初にBlue Note Recordsがあるので開いてもらい、FinestやClassic Hitsなどを聞いてもらうと、50年代を中心とした王道中の王道が味わえる。
職場の相棒Sさんは私より年下だが私よりジャズに詳しい男性だ。しかしながら我々の好みは全くと言っていいほど違う。彼はキース・ジャレットやビル・エヴァンスのような端正で計算された美しさが持ち味のホワイト系のピアニストはじめとするミュージシャン達が好きで、私はビバップの勢いでガンガン行ってしまうアート・ブレイキーなどのブラック系のミュージシャン達が好き。一度彼に好みを言ったら「うわあ、真っ黒ですね」と笑われたことがあるw
だから、もし私が今から語るミュージシャンとソリが合わなくても、ジャズは懐が深くていろんな音楽を内包しているので、諦めずに自分の好みを探索してほしいと思う。
ではここからいよいよ本題。
Jazz Guitar
実はギターってのはジャズ楽器としては最初はそれ程王道じゃないんだよね。なもんで比較的古いのはブラスやピアノに比べたら少ない方。とはいえ名演を数多く残しているのがウェス・モンゴメリー。私は昔Music Airという有料チャンネルに入っており、そこで随分古いジャズの映像を見たのだが、ウェスのプレイは一番繰り返して見たと言ってもいい。そこはかとない哀愁と優しさの漂うスーパープレイを堪能した。Four on Sixなんて大好き。ちなみにMusic Airは今はジャズの古いのは流してないんじゃないかなあ?クラシック。ロックが多いと思う。
だが、ここでお薦めしたいのはやはり大賀くん一押しのミュージシャンでもまた別の御仁。ジョー・パスとラリー・カールトン。
なんだ〜王道過ぎない?と思われるだろうがまあお聞き下さいってw
大賀くんが必死で(とは言ってないけどw)コピーしたジョー・パス。何が凄いかというと、本気でギター 1本なのである。他の音の入ってないアルバムが多い。しかもスタンダード・ジャズが多いので、ジャズビギナーには、曲を覚えられるという利点もあるのだ。
プレイの速さもさることながら、その繊細さに驚くはず。いい曲満載のアルバム。ぜひお聞き下さい。
私としてはどの曲も大好きだけど、How High The Moonは今聞くと感慨もひとしお。
で、ラリー・カールトン。大賀くんが一番コピーした方の1人。まずはRoom 335などが入った定番ものをお聞きいただければとも思うが、ラリーさんといえばやはり、「誰かと一緒アルバム」が有名。新しいケミストリーを見つけるために誰かと一緒にアルバムを作るって、凄いことだと思うのよ。自分自身も試される訳じゃない?あくなき探究心がなければできないよね。
B'zの松本孝弘と作った “Take Your Pick”も本気で文句なしの名盤だと思うが、私のイチオシは、ラリーさんと同じくらい有名で、日本でも人気も知名度もピカイチのギタリスト、リー・リトナーと作った “Larry and Lee”まんまやん、ってw
これはいいよほんと。余りジャズっぽくなくて聞きやすいしかっこいいし。で、この中にRemembering J.Pという曲があるのだが、JPとはすなわちJoe Passのことであり、2人が敬愛するギタリストを偲んで作ってプレイしたと思われる 1曲がこれまた激烈にカッコイイ。ぜひ。できればジョー・パスを少し聞いてみて、特徴が分かってから聞くと、どの辺がジョー・パスっぽいのか分かって味わい深くなると思う。
どっちがどっちのギターかって余りわからなくてもいいけど、繊細で少しこもった音のギターがリー・リトナーで、エレキの音が少し前に出ているのがラリーさんのはず。
Jazz Piano
小曽根真さんもチック・コリアも大好きだけど、もちょっと古い大っ好きな王道ピアニストが2人いるので、その方をご紹介。
まずは王道ソニー・クラーク。このジャケットを知らない人はいまいという程に有名。Cool Struttin‘に痺れた後で、ぜひ2曲目のBlue Minorをご堪能頂きたい。私はこの曲が好き過ぎて話作って書いたくらいだ(以前載せた小説の中にBlue Minorというタイトルのものがあるので、よかったら検索してみてほしい)。10分くらいある長い曲だが、全く長さを感じない。
例えばこういう曲で、ジャズにはまずテーマとなる部分、サビというかな、それが来て、その後それぞれの楽器でのテーマソロやImprovisation(インプロヴィゼーション=即興)が続く、という一連の流れを掴むといいと思う。
この間配信になったSensationのライブでプレイしたOn The Sunny Side of The Streetを思い出してほしい。あれはソロやインプロヴァイズの部分が比較的短く、4人でラリーのように回していたよね。あとはFour、あれはソロが長めで、やっぱりギターだけじゃなくて当然ピアノやベースやドラムにも花になる部分があったでしょう?あれがジャズプレイだ。
ソニー・クラーク・トリオ名義のものも名盤なのでお薦め。
もう1人大好きなピアニストはホレス・シルヴァー。彼の一番有名なのじゃなくて、多分それより前のアルバムが一番好きだ。他にライブ盤もとても聞き応えがある。
彼はとにかくリズムがいい。ファンキーピアノの第一人者みたいなところもあるみたいだけど、そんなのはどうでもよくて笑、聞いて気持ちよかったらいいなくらいに考えてほしい。
このアルバムのThe St. Vitus Danceがもう死ぬほど好きで。一度に100回くらい繰り返して聞いても飽きない。随分前の話だが、当時駅ビルにあったEarth, Music & Ecologyを覗いていたら急にこれがかかって、何でこんな渋いものがこんな可愛いレディースファッションの店でかかるんだと不思議に思いながらも 1曲終わるまでその場を立ち去ることができなかったことがある笑。
シンプルにピアノ、ベース、ドラムの編成なので、音数が少ない分楽器それぞれを堪能できる 1曲。他にブラスサウンドも入ってる。バラードもいいよ。
Jazz Bass
ジャズベースは勉強不足で 1人しか挙げられない。しかしこの 1人がまた、「重い・暗い・激しい」と三拍子揃ったインパクト大の御仁なのでお許しを。
チャールズ・ミンガスはまさに繊細さと力技とを兼ね備えたベーシストで、 1回聞くと忘れられないメロディとプレイに驚く。
アルバムでは本当はこれよりも、Good-bye Pork Pie Hatの入ったMingus Ah Umのがお薦めなんだろうけど(この曲の暗さと言ったら他に類を見ないw でも実は大好きwww)、ベースだったらこのアルバムの、Haitian Fight Songをまず聞いてほしい。12分の大作。政治的色合いも多少濃いめに反映していた人のようで、邦題が「ハイチ戦闘の歌」っていうんだけど、そんなこと全然気にしなくていいからとにかくトライ。のっけから迫り来る音で、ベースってこんなにかっこいいんだって本気で思うはず。またこの曲のテーマはまさにベースのためにあると言っても過言ではない。そこにドラムやピアノやブラスサウンドがガンガン入ってくる辺りはまさに鳥肌。ベースがリードってこんなに痺れるもんかね、という感じ。
注意すべき点はこのアルバムのジャケットで、人によってはあるいは子供にとっては恐怖以外の何ものでもないはずなので笑、適宜隠して頂きたいと思う。
Jazz Drums
さあ来たよ、ワタクシイチオシのミュージシャン。王道中の王道、ジャズメンと、そしてジャズドラマーと言ったらこの人は外せない、アート・ブレイキー。
アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズ名義のものがたくさんあるのでここから入るとよい。またクインテット名義のものもいい。
まあ王道っつったらまずこれよね。「モーニン」を知らずしてジャズ語っちゃいけないってくらいの曲、というか、これ聞いたことない人多分いないから大丈夫、そのくらい超有名な曲だから。
この「モーニン」ってのは「朝」ではなくて、moaning=moanin’ のこと。「呻き」なのよ。まさに何かに苦しんで、悩んで、困って、うんうん唸ってるイメージ。だからメロディはマイナー調。ところがこれが爆裂にカッコいいんだ。クールってのはこういうのをいうんだろうなあって感じ。アート・ブレイキーはドラマーだから、ドラムがめっちゃ派手に入ってるのも多いけど、この「モーニン」はそこまでではなく、むしろやや抑え気味のところに美学があり、ピアノやサックスの方がなんぼも目立っている。そこもいい。
こんな、今更王道かよってくらいの曲なんだけど、これを聞かずしてジャズは通れないと思う。もしも気に入ったら、それこそサブスクでアート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズをガンガン聞き倒してほしい。
Jazz Trumpet
ジャズトランペットって言ったら誰もがマイルス・デイヴィスって言うと思うんだよね。それは間違ってないし、マイルスだって好きなんだけど、いっやー私はやっぱしこっちかな。甘い声で優しく歌うジャズトランペッター、女子受け間違いなしのチェット・ベイカー。
こないだのSensationの配信ライブでもさ、勿論大賀くんの艶のある声の通り具合とか歌の巧さは、みんな唸ったと思うし好きだと思うのよ。ところが最終的に最高に女子ウケしていたのは、実は麻井くんの声だったというねw。
どこが違うかというと、やはり麻井くんの声のがややソフトなんだよね。このソフトな声ってのに女子は絶対的に弱い。しかも高い音でコーラスが出来る。男性で、ソフトでやや高い、優しい声っつったらもう、チェット・ベイカーかなとw。こないだのSensationの配信などで、麻井さんラブになった人はぜひこれも聞いてみてほしい。
ガチのトランペッターとしてだったら、アート・ペッパーと一緒にプレイしているのが好き。こちらはちょっと趣向が変わって、男子が2人で楽しくやってる感じがいい。
イケメンでモテ男だったチェット。数年前にイーサン・ホーク主演=チェット・ベイカー役で「Born to Be Blue ブルーに生まれついて」という映画が出来たくらい。未見だけど、いつか見たい映画リストには入っている。
Jazz Saxophone
実は私が一番好きなジャズプレイヤーは、テナーサックスのハンク・モブレーである。だから大賀くんが還暦になったらサックスを、と言った時、いやいや還暦になる前に吹いてよ、と本気で思ったりした。似合うと思うよ、テナーサックス。アルトだと大賀くんには少し小さいかなという気もするのだけど。
ハンク・モブレーはちょっとSensationのメンバーみたいなところのある人で、つまり、いろんな人に呼ばれてプレイするのが得意な人だった。例えば、前出のアート・ブレイキーのジャズ・メッセンジャーズには最初はジョン・コルトレーンがいたらしいんだけど、袂を分つこととなり、それでその後に呼ばれたのがモブレーだったという話を読んだことがある。とにかくゲストとしてさまざまな人のアルバムに顔を出しており、そのせいでか彼自身名義のアルバムでも一緒にやってる人が豪華。これまた前出のホレス・シルヴァーとかもよくセッションしている。
アルバムなんて何枚もあるし、みんなそれぞれに好きだから、どれ選んだらいいかわからない。Roll Callかな、一番聞いたのは。Hank Mobley and His All Starsもいい。Straight No Filter(どんなタイトルだかw)もThe Turnaroundも最高。
曲単位だったら、East of The Villageなんて、メインのメロディ歌えるくらい聞き込んでるからね笑。小説が書けた曲でもあるUltramarineも好きだなあ。有名どころだけど、No Room for Squareも激渋でいい。
この辺の感じって今の我々が好きな音楽、好きなミュージシャンを追求していくのと同じだと思うんだよね。「ここでやってるこの人の音が好きだから、次はこの人のリードアルバムを聴いてみよう」ってのは、まさに、「B'zでやってる大賀くんのギターがかっこいいから、次は大賀くんのバンドを聴いてみよう」ってのと、全くやってること同じでしょ?笑。
だから音楽ってのはさ、隔たりってないのよね。
繰り返しになるが、Sensationの4人というのはまさにモブレー的で、いろんなミュージシャンに呼ばれてはあらゆる音楽をプレイしていると思う。で、その4人が組んでバンド、という訳だから、まさにジャズっぽいバンドと言えなくもない。そこに痺れる。音楽は、特にジャズは年を重ねれば重ねる程に味わい深くなるものだと勝手に思っているので、これからもずっとずっと、Sensationの4人には素敵な音を奏でていって欲しいと思う。
と、ここまでで8枚のアルバムジャケットを紹介してきたが、最後におまけの 1枚を。
これはこのブログでは昨年の夏(8月だったかな)に暑っ苦しく語り倒したアルバムだが、ジャズで純粋なシンガーものが 1枚もないのでこれをお薦めしておく。中身については記事を参照して頂きたい。
ジャズシンガー森川七月さんのアルバムだが、バックが全てSensationという豪華極まりない 1枚。歌ももちろん素敵だけど、バック聞くだけでも価値あり。これを聞いて、先日の配信ライブに思いを馳せると、また違った角度から脳内再生出来るのではないかと思う。
リクエストをくださったフォロワー様、本当にありがとうございました。書いてて本気で楽しかったです。
なお、リクエストは随時受付中です。何か私でお役に立てそうなこと、例えば英詞の和訳とか、妄想創作とか爆笑、何かあればぜひお申し付けくださいませ〜。
Sensationの写真は全てFBより。
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