ぶっちゃけた話をすると、俄に忙しくなり始めたスケジュールのせいもあり、これチケット買ってもまともに見られるのかなあと半信半疑だったのだが、やっぱし買っちゃうとそりゃあ無理をしてでも見ようという気になる訳で。
そんな、イマイチこう、「前のめりで乗り気!」な感じじゃないままに見始まった、というか聞き始まったdoaの配信ライブだが、これが始まったら夢中になってしまって。
もうほんと、ぶっちゃけついでに言うと、昨年の夏に配信ライブがあった時には、ある意味コンセプトアルバムが元になっていたライブだったということもあり、「CAMPだーかーらー♪」のノリになかなか入り込みきれないまま終わってしまったという感じだったのだけど、その後徳ちゃんのソロ、大田さんのソロ、それぞれに参加したSensationの車谷くん(@徳ちゃん)、大楠くんと麻井くん(@大田さん)の勇姿を見て、段々と楽しくなってきたというか、楽しみ方が解ってきたというか(結局Sensationなのかい、ってのはまあ置いといて)。
その、入りきれない頃に見た時のブログにも書いたけど、コーラスワークの美しさは本気でアルフィーのレベルだよね。本気で褒めてるんだからね。実に厚みのある美しい声の重なりは何度でも繰り返して聞きたくなる程。徳ちゃんの作るメロディが素晴らしいんだろうと思う。よく練られた、人の心に入り込みやすいコード進行。そこに重なる吉本くんの声がまたいい。聞きやすい声だよねえ。尖ってもないし、冷たくもない。彼のキャラと合ってる声。
異業種混合パーティみたいなのが一時流行ったというか、よく話題に上ったことがあったよね。職業の違うもの同士が集まって刺激を受け合うとか、まあ場合によってはテイのいい合コンみたいなこともあったんだろうけどさ。
吉本くんの存在ってそこだと思うんだよね。あ、いや合コンの方じゃなくて笑。リードボーカルがどっぷりと音楽業界だけに浸かりきっている訳じゃないところに、このバンドの風通しの良さを感じる。ボーカリストとレーシングドライバーの二足の草鞋、というところに注目が集まるんだろうけど、なんというか、見方を変えれば視野が広いというか。違う世界を知ってるって絶対いいことだと思うんだよね。私のいる業界でも、一度普通の会社勤めをしてから入ってくる人には、全部ではないけれど、有能な人が多いような気がする。
なもんで、その風通しの良さがMCなんかにも現れていて、一番下の弟的存在の吉本くんが、自由に楽しそうに、リーダーの徳ちゃんとか大田さんとかと言葉を交わすシーンは見ていてこっちまで本当に明るい気分になる。
トーク上手だよね吉本くん。でもさ、お餅をバターで焼いてカリリとさせて塩を振るって、美味しいに決まってるけど絶対体重過多になるメニューだよねw
ハーモニーが身上のバンドのせいか、“Sensationのオシャレ番長”こと大楠くん(勝手に命名。いつも素敵なお洋服着ているので)のキーボードの音と相性が実にいい。阿部ちゃんのギターの音よりもどちらかというと鍵盤の方が立ち上がって聞こえくることが多くて、それが今回はとてもよかったと思う。「DA Li La」で、ステージに向かって横向きの大楠くんがドラムの鶴屋さんと向き合ってノリノリでリズム取ってるのが実に楽しげだった。サポートメンバーの挨拶は今回なかったのだけど(配信では、なのかな)、仲の良さそうなのがよく解るシーン。
で、我が心の兄!と慕いし大田さんがメインの「季節が変わる頃またここで会おう」。Bandwagonの時にも歌ってくれましたが、いやあもう一回聞けると思ってなくて本当に嬉しかった。嬉しいなあと思いながらまた泣いていた。ソロの時とは違って、徳ちゃんと吉本くんのコーラスが入って、より温かみが増した仕上がりになっていた。
かと思えば徳ちゃんが詞を書いた “Feel Good”の、男子高校生または男子大学生の頭の中を思いっきり覗いたような、ちょっと猥雑なところもうまく歌うのよね。
これってさあ、 この歌の後きっとThe Whoの「サマータイム・ブルース」に繋がるんだろうなあって勝手に思ってた。ヤリたくて(失礼w)仕方ないのに「あんたはまだまだ子供だよ」って言われて結局「Ain’t no cure for the summertime blues(どうすりゃいいのさサマータイムブルース)」って。
大田さん、MCで「白と黒の猫が飼いたい」と言った時、この人は本当に私の心の兄なんだなと実感しました笑。猫好きだなんて。wktkしてしまう。「だめ。ダメなもんはダメ」面白かったw
選曲も良かったと思う。DESIRE、Go Ahead、ゼロの気持ち、Bring Me Back My Freedom(失礼を承知で言わせて頂くが、吉本くん、本当に英語の発音がいいよね。LockとRockもちゃんと区別ついていたし。聞いてて解ったよ。これは凄い) 、Window、そして新曲のWild Beastあたりが好きかな。え?偏ってるって?仕方ないじゃないですか好みですからw
徳ちゃんがギタースタンドにベースを置いて、ノリノリでライブをしている姿は、きっと見る人が見たら涙を浮かべちゃうんじゃないかなと思った。無理しないで、とか、きっと心配しちゃうよね。
徳ちゃんのいっこ上の私だから少し解るんだけど、歳を重ねるってことはさ、自分の理想と現実にどう折り合いをつけて行こうかなって、日々工夫することでもあるんだよね。そこで徳ちゃんみたいに上手い方向にシフトしていける人は強い。だから彼は思い切りカッコいいんだと思う。
大好きな大賀くんの大好きな仲間の徳ちゃんがこんなに素敵なことを知り、もっと大好きになってしまう。最近よくインスタに上げている徳ちゃんがライトアップベースでプレイするムチャクチャカッコいい姿、あれがライブで見られるのも、そう遠くないかもしれないね。
さて。今回の配信を見て、もっと男子に聞いて貰いたいと思う気持ちが更に強くなった、doaを。
昔、工業高校で講師をしていた頃、何人かの生徒がdoaが好き、と言っていたんだよね。バンドしてる子だったりすると特に。また、後から別方向で聞いたところだと、車好きの男子だと、サーキットに見に行ったりするでしょ?そうするとかかってるんだってね、doaが。そこで知ったなんてケースもあるようで。
若い男子のもやもや、というか、心のギシギシしたところを上手く表現していると思うの。歌詞はもちろんだけど、こう、心を掴むメロディもね。なんというか、親しみやすさがあるよね。徳ちゃんお得意のノスタルジックなメロディラインとか、絶対好きだと思うんだよね。
でもさあ、昔っから、アルフィー編成のバンド=スリーピースバンドってのは女子率が高くてね笑。だから男子はなかなかライブに行こうとは思えないのかもしれないけど、今の状況が少し落ち着いたらぜひdoa見に行ってみてほしい。というか、そこのdoaファンの女子!男子連れて行かない?w 彼氏じゃなくて友達でいいよ全然。むしろその方がいい。彼氏だとね、女子が目をキラキラさせてステージ見てるとヤキモチ焼くから。モチは吉本くんだけで結構w
なんて、だめかなあこういうのって。いいと思うんだけどなあ。
私はその昔、まだ独身の頃、既婚者子持ちの友人♂に小田和正さんのライブに誘われて、現地集合現地解散で、彼は会場先乗りで私は違う電車で行って夏のバーゲン見て、ライブ前に会ってご飯食べて1杯飲んで、彼はホテル取って泊まってきて、私はそのまま電車に乗って帰ってきたってことあるよ。いやほんとに。
彼とは今でも友達だし、第一、彼はその数年後私の結婚式来てくれたし。私の夫ももちろん知ってるし。
そういうの、ありだと思うんだけどなあ、私は。
さてさて。
今回、ここで白状したいことがある。
男子の気持ちは上手に表現しているけど、女子の描写はぶっちゃけどうなの?と、実はずっと思っていた。doaの歌詞。
多分ね、最初に聞いたのがCAMPだったのがいけなかったと思うんだけど笑、「長い髪揺らして白いワンピース着て肩が細くてちょっと頼りなくて」みたいな女子像が多くない?doaの歌詞って、と思っていた。ねえ、でもそうじゃない?全体的に見て。偏見かなあ?
でも、それってさあ、どうなの?って懐疑的に思ってて。
そんな女子、実際地球に存在する?(爆笑)
女はね、もっとずっと強いの。
涙なんて流さないんだよ。人前では。泣くなら絶対隠れて泣くんだよ。誰にも分からないように。そして翌日は何もなかったみたいな顔してるんだよ。
そしてそれを解ってくれる男子ってのは、これも地球には存在しないの笑。
なもんで、doaの曲の歌詞に出てくる女子の、全部じゃないけど一部には、少し、いや、かなり抵抗があった。
ところが、この歌詞を知って、ガラッとイメージが変わった。なんだ、解ってるんじゃんdoaって。
「サボテンの花」って言われると「え?チューリップ?」と言いたくなる年代に若干近いのだが笑、そうではなくdoaの曲である。この歌詞は本当に凄いと思った。よく書いてくれたなと。大田さん、天晴れ過ぎます。ライブでもいつか聞いてみたいな。
あのジャスミンティーが飲みたくて
夜中にコンビニまで来たの
幸せそうな男女見て
逃げるように出てきたの
眠れない夜が明けるよ
何度も見直すライン
中途半端な期待ばかりして
まだ何も始められない
サボテンの花が咲いている
私のように冷たく
せつない嘘を嘆いても
果てしなく続く砂漠
Oh, I miss you baby
いつものスープが辛かった
14:00過ぎのランチタイム
汗をかいてる自分が
恥ずかしいから出てきたの
サボテンの花が枯れていく
私のように乾いたDays
どんなに泣いても叫んでも
誰にも届きやしない
Oh, I miss you baby
サボテンの花が咲いている
私のように冷たく
せつない嘘を嘆いても
果てしなく続く砂漠
Oh, I miss you baby
いやあ。
痛い。これは痛いなあ。
ものすっごくよく書けてる。リアルな女性の姿が。
あのね、1番の詞は30代くらいの女性だと思うんだけど、2番はね、読み方によったら私の世代、つまり「揺らぎの世代」を書いたのかなって思えるのよ。きっと女性なら聞いたことあるよね、ホットフラッシュって。私はそれはないんだけど、カラダが変わってくのはここ数年現在進行形でよく解ってる。「サボテンの花が枯れていく 私のように乾いたDays」って、リアルでちょっと痛々しいくらい。
汗をかいている自分が恥ずかしくて店を出た。こんな悲しい文章があるだろうか。何が理由かは解釈によって全然違うだろう。人なんて全然自分のことなんて気にしてないはずなのに、みんなに見られているように思えるとか、汗をかくことに纏わるなんらかの嫌な記憶が思い起こされてしまって羞恥心の塊になってしまったとか、或いはさっき書いたみたいに、揺らぎ世代の体の変化でもうどうしようもなくて、それを悟られまいとして店を出るしかなかったとか…。
ああああああ。切ない。もう堪らない。なんでこんなことが解るの大田さん。おうちで話したりしてるのかも知れないけど(既婚を公言してるからいいよね書いても)、それにしたってこのリアルさは凄い。大好きミュージシャンの1人、スガシカオさんがこのくらい激しいリアリティを持って書く人だけど、そんな雰囲気。シカオちゃんが「粘膜」という言葉を選ぶのに対して、大田さんだと「乾き」になっているという、この辺のさあ、なんというかもう。いやあ参るよね。
B'zの「トワニワカク」という曲はB'z始まって以来の中高年ソングだと思ったけど、このdoaの「サボテンの花」は、doa始まって以来、または音楽業界始まって以来の揺らぎソング、だったりしてね。
なもんで、doaの女性像が白いワンピース着て、ってのは丁重に却下することにする笑。そしてどうかこれからも、こんな、刺さるけど寄り添ってくださるような、そう、この寄り添うってのを求めているのよ、私達強いからさ、守ってもらわなくてもいいから笑、だからどうか寄り添ってください、これからも。
第2部も楽しみに見ようと思う。3人のコーラスワークと、オシャレ番長大楠くんを楽しみに。
写真は最初の3枚は公式ブログおよびTwitterより。
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