文:訳す「 “Meet you all the way” ーSensationの大楠さんがインスタのストーリーで弾いて&歌ってくれたTotoの “Rosanna”を訳してみた」




 まずは主役の写真を。上の真ん中、下の右側がSensationの鍵盤主任、大楠くん。

 上の写真は久々に徳ちゃんこと徳永暁人さまも特別出演。

 そしてどちらも大賀リーダーの顔が…w



 この3年の流れを思う時、どういう訳かいつも思い出す映画がある。ヴィンチェンゾ・ナタリ監督、エイドリアン・ブロディとサラ・ポーリー主演の2008年頃のSF映画「スプライス」。未知のウイルスではなくて未知の生物がテーマだから、作り物だと知っていても結構グロいのでおすすめはしないけど、「進化」って馬鹿にできないよな、という、そういう映画でもある。グロテスクな物悲しさのある作品。グロいのは好きじゃないんだけど、これは結構好きだった。エイドリアン・ブロディよりも結末のサラ・ポーリーのありようがエグい。想像力の世界の凄さを思い知る映画でもある。






 想像力があれば、世の中のWhat’s the next?ってのはそんなに見えなくもないものじゃないかと個人的には思っている。とはいえ、決して想像通り、思い通りに行かないのが、恋愛だ。

 今回もそんな恋愛の歌がテーマ。


 暑い夏の午後、相変わらず部屋に籠って開いたインスタに、当ブログきってのご贔屓インストバンドSensationの鍵盤主任(この言い方が気に入ってしまい勝手に名付けている)、大楠雄蔵さんのストーリーが上がっており、開いた瞬間「やったー!生演奏だ!」と解った時の嬉しさ、そしてその曲が何か判明した時の喜びと言ったらない。え?幸せが小さいって?いやいやそんなことない。だって「U-zo from Sensation presents! スペシャルイントロドン!」だよ?(何人に解るんだよwww)


 しかも今回なんて、キーボード2台(うち1台の赤いのってあれかな、Sensationの配信ライブの時にも使ってたヤツかな)のプレイ&歌付きよ!歌付き!最後の方一瞬だけどw でも嬉しかった〜!この曲はここがキモだし、ここは歌って欲しいよね。


 という訳で今回はその、Totoの有名な “Rosanna”を訳してみたいと思う。





 泣く子も黙る有名バンドのToto、その82年のアルバムに収録されていた「ロザーナ」。このアルバムはToto最大のヒットとなったアルバムとのことで、シングルカットされた1曲目の「ロザーナ」も当然大ヒット。


 でもこの曲で一番有名なのは、スーパードラマーだったジェフ・ポーカロの叩く「ハーフタイム・シャッフル」のプレイ。確かに耳に残るリズムである。もう「ロザーナ・シャッフル」ってまで言われてるとのこと。


 で、この辺の事情はドラムマガジンさんに詳しく載ってるので、シャッフルの知識を深めるのにも役立つし、時間があったら下のリンクを眺めてみてほしい。このブログにも最後貼るけど、「ロザーナ」のPVもある。


 この記事読むと、Toto、そしてスティーリー・ダンと、大楠くんを辿ったつもりが、同じくSensationのギタリスト大賀くんに辿り着くことに気づく。ドラマーっていうと「オレンジウォッカの飲み過ぎで早逝した」と言われている伝説のドラマー、レッド・ツェッペリンのジョン・ボーナムをパッと思いつくんだけど、ジェフ・ポーカロも相当すごい人なんだなと遅まきながら解る。何事も勉強ね。

 ドラムマガジンのリンクはこちら

 

 ちなみに、これもいろんなサイトに間違った情報が載ってるみたいだけど、このPVに出てくるロザーナと思しき赤いドレスの女性は、女優のロザンナ・アークェットじゃございません。名前が同じだからって、結構いい加減な情報が流れてますわw シンシア・ローズという女優さんです。ウェストサイド・ストーリーめいたPV、なかなか楽しい。





 では、歌詞行ってみようか。


********************


All I want to do when I wake up in the morning is see you eyes
Rosanna, Rosanna
I never thought that a girl like you could ever care for me, Rosanna

All I want to do in the middle of the evening is hold you tight
Rosanna, Rosanna
I didn't know you were looking for more than I could ever be

*Not quite a year since she went away, Rosanna
Now she's gone and I have to say

**Meet you all the way, meet you all the way, Rosanna
Meet you all the way, meet you all the way, Rosanna

I can see your face still shining through the window on the other side
Rosanna, Rosanna
I didn't know that a girl like you could make me feel so sad, Rosanna

All I want to tell you is now you'll never ever have to compromise
Rosanna, Rosanna
I never thought that losing you could ever hurt so bad

*


**



<語彙>

care for = like

compromise(目的語がないので自動詞) 妥協する;屈服する、屈辱的な譲歩をする


********************


 ではいつものごとく文法解説から。

 と言ってもこの歌詞、難しいところあんまりないんだよね。

 まず冒頭、


All I wanna do when I wake up in the morning is see your eyes.


は、


[All I wanna do [when I wake up (in the morning)]] is (to) see your eyes.


となっており、下線部がS(主語)、isが動詞の文である。

「朝起きた時に僕がしたい全てのことは、君の目を見ることです」の意。超直訳。


 2番の頭は知覚動詞seeの構文と見るのが正しい。<see+O+~ing>「Oが〜しているのを見る」

 それと、


Not quite a year since you went away


の部分は、後ろが<since+過去の文>なので前は現在完了形の文であると推測される。


It has not been quite a year since you went away


「君が去って以来一年も経っていない」となる。


 決まった公式のような文があるのでご紹介。


例文:「僕らが出会って3年が経つ

Three years have passed since we met each other.

It has been three years since we met each other.




 先程の下の写真にいなかった車谷くんと、ジャズシンガーの森川七月さんと大楠くん。



 で。

 いろんなサイトの訳を読み、私が見た限り、1つを除いて全てのサイトで解釈的に大間違いをやらかしてんじゃないかと思うのが、サビの歌詞。


Meet you all the way


ここよ。まさにここ。大楠さんが歌ってくれたのもここ。殆どのサイトが「会いたい」と訳しているが、これは実は間違い。ああ言い切ってしまった笑。


 meetという中学生で習う語だけど、確かにこの動詞には「〜に会う、偶然出会う」などの意がある。だからまあここだけ読んだらそんなに間違ってはいないようにも思える。

 でも!

 日本語の辞書には載ってないんだけど、英英辞典を見るとこんなことが載ってるのよ。


meet

1 arrange or happen to come into the presence or company of (someone)

■make the acquaintance of (someone) for the first time

(オックスフォード新英英辞典)


下線部注目。■の部分は「初めて誰かと知り合いになる」といった意味。つまりね、meetって単語は、初めて会う人に使うべき「会う」であり、何度か顔を合わせた人に使うと違和感のある語なの。テストに出ます。太字にしておきました(爆笑。


 習ったでしょう?初めて会った人に言う挨拶は


Nice to meet you.


って。で、別れる時なんて言うって習った?


See you again.


でしょう?Meet you againじゃないよね?それは上記のような理由があるからなの。

 だから、以前会ったことのある人に、あまりくだけてない感じでこんにちはって言う時には、Nice to meet youではおかしいので、Nice to see you again.(またお会いできて嬉しいです)って言えばいい。


 そうなると、「ロザーナ」の歌詞でmeetを「会う」って訳すのは御法度ってことが解るよね。だって初めてじゃないんだもん。


 自分にとっての師匠(学部・修士・研究生と7年も世話になった)A教授からの教えで、今でも守ってることがいくつかあるんだけど、そのうちのひとつが、「知っていると思っている簡単な単語ほどちゃんと調べなさい」ということ。

 meetもそう。ちゃんと調べると違う意味がある。受験生だけでなく、こんな風に和訳を趣味でしている人であれば、英語を訳す時、知ってる単語の意味だけで処理しようとしたり、辞書を引く手間を省いたりは絶対しない方がいい。時間かかってもいいから調べるべきだと思う。


 昔ビリー・ジョエルのCDで、対訳付きってのを買ったはいいけど、どう考えても全然調べてないなって訳文を見つけちゃって(英語の決まり文句を直訳しとったw)以来、そういうものを「正確さ8割位」な感じで見ていたりする。あれでお金取ったらあかんやろ〜!って思ってた笑。





 話を戻す。じゃあmeetには他にどういう意味があるのか。これ、受験必修語だからぜひ覚えてほしい。実際出てたんだよ、センター試験に。


meet

8. <要求・期待など>を満たす(satisfy),かなえる,…に応ずる

(ジーニアス英和大辞典)


8番目の意味なの⁈なんて驚かないでほしい。これ結構出てます、海ドラなんか見てても。で、どのくらい受験必修語かというと、一般的には全受験生のバイブルとなっている総合問題集、いいずな書店の「英文法・語法Vintage」の1010番に出てます。


1010. My only daughter always studied hard and was able to live up to my expectations.

①demand  ②increase  ③meet  ④surprise     (中央大)

訳:「私の一人娘はずっと一生懸命勉強し、私の期待に応えることができた」

正解:③


こんなナンセンスな例文出すから受験生がこの本嫌がるんだよなあ(苦笑。解説にはlive up to = meet「(期待・要求など)に応える」と出ている。応用問題ではなくて必修問題です。





 さあまたまたOOMの過去ブログから借りてきました。徳ちゃんと一緒写真。

 しかしなんですかこの可愛いのは3人とも笑。アイドルじゃんwww



 言いたいことは全部言ったので笑、話をロザーナに戻す。で、更にall the wayという熟語を調べると、


all the way 

1 (途中)ずっと;はるばる

2  <米略式>さまざまに

3  完全に

agree all the way with her in improving the school

学校をよくするという点で彼女に全面的に同意する

(ジーニアス英和大辞典)



とある。この3つ目の意味だと解釈出来るので、


meet you all the way=[I will] meet you all the way

完全に君の要求を満たそう=君の言うことならなんでも聞く


となるはずなのである。

会いたいよ〜なんてもんじゃなくて、もう絶対服従(笑。猫がお腹を見せてこっちに向かってゴロゴロしているような、そんな絵面まで見えるようだ(違うかw。


 まあ、「君を満たす」なので、性的な意味合いと取れなくてもないよね。1番の歌詞が「起きた時」「寝た後」のことを歌ってるので、そこに引っ掛けてダブルミーニングで考えても楽しいかもだけど、まあこの辺りは「そうかもね」くらいに留めといた方がいいかも。 表に出さないほうが楽しいじゃない?こういうのは。


 それではこのmeetの件が解ったというところで、まずは直訳行ってみよう。


********************


僕が朝目覚めた時したい全てのことは、君の目を見ること

ロザーナ

君のような女の子がこんなに僕を好きになるとは決して思わなかった

ロザーナ

真夜中に僕がしたい全てのことは、君をしっかりと抱きしめること

ロザーナ

君が、僕がそうであり得るよりも多くを探していることを知らなかった


◯君が去ってまだ1年も経っていない

ロザーナ

今彼女は去り、僕は言わないといけない


●完全に君の要求を満たすよ

すっかり君の期待に応えるよ

ロザーナ

完全に君の要求を満たすよ

すっかり君の期待に応えるよ

ロザーナ


窓の反対側から君の顔がまだ輝いているのが見える

ロザーナ

君のような女の子が僕をこんなに悲しませるなんて知らなかった

ロザーナ

僕が君に言いたいことの全ては、君は決して妥協する必要が(この先)ないだろうということ

ロザーナ

君を失うことがこんなにひどく僕を傷つけるとは考えたこともなかった




********************


 これじゃあ色気もへったくれもないので笑、もう少し「いい感じに」(by 大賀好修)仕上げたのが以下の訳。極力言葉を削ってみた。男性の歌だしね。多くは語らないでしょう?まあ、TotoのPV見てると結構暑っ苦しいので笑、削んなくてもいいのかもだけどw


 「君はこの先決して妥協しなくていい」(willがあるから未来と取った)は、つまりは「自分に嘘をつかなくていい」ってことだと思うんだよね。

 妥協しなくていい、辺り見るとやっぱしこの歌詞には若干、男女の相性的な話も含まれてんのかもなあって思う。君は君の思うままでいいんだ。僕がなんでも叶えてあげるから。だから帰ってきて〜!!!って、まあそういう歌なんだと笑。

 笑えるけど、ちょっとだけ悲しいのは何故なのかしら。さすがは名曲だわ。


********************


目覚めたら 瞳を見つめたい

ロザーナ

あんなに愛されるなんて 思わなかった

ロザーナ

真夜中にはこの腕で包みたい

ロザーナ

君の探していたものは 僕にはなかった


☆いなくなったのがこの間みたいだ

ロザーナ

君を失って 今言えるのは


★君の欲しいものは

なんでも差し出そう

ロザーナ

君が求めるもの

全てを手に入れる

だから ロザーナ


窓の向こう まだ笑顔が輝いて見える

ロザーナ

君を思うと 胸が裂けそうになる

ロザーナ

自分に嘘がつけなくなったんだね

ロザーナ

君を失って 僕は抜け殻なんだ



********************





ここでいつものあれ、言っときます。

Sensationの大楠さ〜ん!聞こえてないから大声で叫びま〜す!

今回もストーリーに素敵な演奏&歌声、ありがとうございました!

次もほんっとに楽しみにしています。

いつでもいいので、気が向いたらまた上げてくださいませ。

お題がくるのを心からお待ちしています(お題じゃないから!w)



では、ロザーナのPVを。









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