配信ライブというと普通はアーカイブがある訳だけど、このミシェル・カミロのブルーノート東京における来日単独ライブは、生配信のみのガチ1本勝負で、久しぶりに「間に合わないと見られない」といういい意味での緊張感を強いられるライブだった。
実はこの日程だと、徳大田のジョイントライブのアーカイブ期間が被っていて、更には後日、というかカミロさんのライブ当日に解ったのだが、本気で望んでいた動画の配信がこの日の夜から行われることになってしまい、どれも全部堪能したい私はどれから見たらいいのか本気で悩む訳だが、文字通り90分1本勝負なんだから悩んでる暇ないだろ!と思い直してライブ直前に配信に臨んだ。
いっやあ、魂を抜かれるとはこのこと。
ステージと観客のまさにガチ勝負。
にこやかな笑顔に似合わず思いっきりガンガンくるラテン系のピアノに負けないように気合い入れて見ないと本気で倒れそうだった。
そのくらい、ド迫力、超高速、ドッカン級のライブだったと思う。
しかし間違いなく楽しかった。
オリジナルを交えながらもスタンダードも3曲。
デイブ・ブルーベックの “Take Five”、ホレス・シルヴァーの “Song for My Father”、そしてディジー・ガレスピーの “Manteca”。
デイブ・ブルーベックとホレス・シルヴァーとの、人柄がわかるエピソードも良かった。
ホレス・シルヴァーは私が一番好きなジャズ・ピアニストと言っても過言ではないので、まさかこの名曲を演ってくれるなんてもう嬉しくて嬉しくて画面の前でちょっと涙ぐんでいた。
奥様へ捧げたオリジナル曲と、それにまつわるお話も素敵だった。
奥様に内緒で作って、ある日コーヒーを持って入ってきた時に
「この曲は?」
と聞く奥様にミシェルさん、
「君の曲だよ」
「え?」
「君のだよ。君に書いたんだよ」
ってちょっとちょっと何事?!こんなカッコいいことできちゃう訳?!みたいな笑。
いやもうほんと、言葉にならない程心動かされたライブだった。
これが配信だと、ブルーノート会員価格でなんと2,000円ポッキリ。たとえ1回しか見られなくても安いもんだわと思った。
ああ、見てよかった。ほんとよかった。
また見よう、ブルーノートのライブ。
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