文:聴く「 “Sentimental Sensation”ー森川七月『J〜Sentimental Cover〜』(邦楽カバーアルバム/2016年)*動画あり」





 このアルバムを買ったのは 2ヶ月くらい前になるのだが、初めて聞いた時、数曲に対する軽いノスタルジーと共に、昭和から平成にかけての時代感ありありのダイレクトな歌詞とメロディに自分の若き時代がオーバーラップして、イマイチ冷静に聞くことができなかった。まあ、ただのアホなのだが笑、私=1970年生まれと同世代、つまり「天命を知る」くらいの歳にさしかかった方々だったらきっと同じようなことを感じるのではないか。


 とはいえこのアルバム、当ブログきってのご贔屓インストバンドSensationが全曲のサウンドディレクションとアレンジ、そしてバックバンドを務める、実に豪華な1枚であり、そういう意味ではいろんな方に聞いてほしくて、あらためて紐解いてみた。するとこれがなんと、というか当たり前の如く聴きどころ満載で、これはソッコーで何か書かなければと思い立った次第である。




 昨年末行われ今年にかけて配信されていた、大楠くんもサポートしていた森川七月さんのライブで「いっそセレナーデ」がカバーされていたのだが、これが非常にツボだった。陽水さんの声質に少し似た、しなやかで滑らかで柔らかい、水を含んだような七月さんの声が心地良かった。そのため、邦楽カバーアルバムもいいかもしれない、とその時に思ってはいた。


 アルバムのソングリストを見ると、たまたまかもしれないが、92年前後の曲が多く、その頃私は大学4年という、大人と呼ぶにはやや中途半端な、就職活動も院試の準備も何もかもやり散らかして、宙ぶらりんに過ごしていた時期だった(とはいえ夏のうちにさっさと就活を放り投げ、秋以降は卒論作成と院試に邁進することになるんだけど)。だからこそ、というか、だけど、というか、音楽は結構聞いていて、その後カラオケのレパートリーになる曲もこの中にあったりする。思い入れはそこそこ強いのだ。


 全曲紹介動画があったので、最初に貼っちゃいますw




 これ見ちゃったら、下読まなくてもいいんじゃないのか?(爆笑

 ま、まあそう言わずに。


 じゃあまずそのカラオケのオハコから。以下順不同で語り倒す。


 ところでSensationのうちの3人(大楠くん、麻井くん、車谷くん)が参加している七月さんの歌う動画が半端なくたくさんあったので、今回の曲で動画があったものを全部貼っておく。どうぞお楽しみください。



Track8:最後の雨(中西保志/92年)

 声が低い方なので、歌うのはもっぱら高い声の男性ボーカル曲(高校時代初めて人前で久保田利伸の「You Were Mine」と「TAWAWAヒットパレード」を歌った時、あれほどウケるとは思わなかった。ただクラスメイトが優しかっただけかもしれないがw)で、これもそのレパートリーのひとつ(余談だが、高い音の男性ボーカルといえば、歌ってて実に気持ちよかったのが横山輝一の “Lovin' You”。リリースは93年だそうだ。今も家で1人で歌う)。


 で。七月さん with Sensationのバージョンが凄いんだ。怒涛のアレンジ祭りとでも言いたくなる感じで。

 最初サロンミュージックっぽい穏やかな感じで始まるからそのまま行くのかと思えばこれが、 2番のサビからいきなりガラッと後打ちリズムに変わる。パーカッションの音もして。で、それが間奏後、一度スイングに変わり、最後のサビでは更にまた後打ちに戻って。


 1曲の中に盛り込まれたリズムのレパートリーが凄い。同じ曲をリピートで聴いたりすることがあると思うんだけど、この曲でそれをすると、最初に戻った時に、同じ曲じゃないみたいに聞こえる笑、そのくらい変化に富んだ1曲。これは傑作。Sensationらしい楽しさが満載。原曲の、少し重めの、いかにも90年代って感じの「歌い上げ系」の雰囲気をいい意味で壊していて、心地よく聞くことができる。元の曲も好きだけど、こっちのバージョンも大好きだ。七月さんの声も、他の曲よりもドライに聴こえて、私にはちょうど良い感じ。


 全体的に言えることなんだけど、このアルバム、車谷くんのドラムがキモでね。どの曲もだけど、これなんか特に聞いていて気持ちがいい。彼はこのアルバムではディレクター名義にもなっており( “Directed by Hiroshi Terao, Keisuke Kurumatani” と書かれている)あっちでもこっちでも大活躍なんだなあと。

 「ドラムが囁いてる」って凄いと思うのよ。ドラムって囁かないでしょ?フツーは笑。ジャズが解ってる人じゃないとこれはできないんじゃないのかなあ。車谷くんの実力魅力大全開の1枚でもある。



Track 1:セカンド・ラブ(中森明菜/83年)

 アルバム1曲目。掴みは完全にオッケーな名曲&唸る程の名アレンジ。これも「最後の雨」と同じくリズムがガラリと変わる曲。

 しっとりとしたピアノでジャジーに始まりそのまま行くのかと思えば2番のサビでいきなり跳ね出す。1番のサビからふっと出てくるギターもいい。ここまで出て来ないで引っ張るって辺りも計算されてるよね。間奏で元に戻るのかなと思わせておいてラストではやっぱし跳ねる。コードなんかも、1小節の中で、例えば原曲が2回変わるだけのところにもう1種類挟まったり、元とは少し変化しいたりして、洒落た感じになっている。


 明菜ちゃんって言うと、デビュー曲の「スローモーション」、レコード持ってました。「セカンド・ラブ」のが全然売れてるんだけど、「スローモーション」が好きだったのよ。中1くらいだったんだけどさ笑。絶対歌詞の意味とかわかってないよねw




Track 12:追憶(スターダスト・レビュー/91年)

 カラオケといえばこれも。スタレビはカラオケの定番ですからワタクシの。よく選ぶのは「夢伝説」。15の時初めて聞いて以来ずっと好き。Sensationの4人の爽やかさにも似合う曲だと思うよ。

 スタレビはライブにも何度も行ったなあ。よく地方に来てくれるバンドで、チケットが取りやすかったってのもある。いつ行っても楽しくて、歌が上手くて。いい印象ばかりが残っている。


 今回はアルバムのラストナンバーで、大楠くんのピアノ1本に乗せて歌われている。七月さんの声がどこまでもしっとりと、色っぽく聞こえるが(そう、色気。今回のアルバムの七月さんはこれに尽きる)、大楠くんのピアノの清く端正な美しさが随所に感じられて、いい。


 ここで突然ですが。

 大賀さーん!

 聞いてないと思うから叫んでみますシリーズ!笑

 これ、大賀さんのアコースティックギターと歌で聞いてみたいです!

 元はガッツリと女性の心の詞なのに、実際に歌っているのはスタレビの根本要さん。つまり男性ボーカルな訳ですよ。だから、男性が歌うことが前提でいいと思うんです。男性が歌うからこそのサラッとした色香というか、そんなのが似合う曲だと思うんです。

 だから!

 これをぜひ!大賀さんに歌ってほしいと思ったりしたんです!

 ぜひご検討を!笑





 さて。

 七月さんの声が艶っぽいので、バックまでそういう音質=セクシー路線にしちゃうと、「どっぷり」になるというか、まあtoo muchになる訳だよね。バーでいつものジントニック頼むはずがなんの弾みか間違って “Between The Sheets” 頼んじゃったみたいな(そんなことあるのか⁈www どうでもいいけど昔R&Bばっかし聞いてた時にアイズレー・ブラザーズの同名曲を初めて知り、歌詞の余りの明け透けさに爆笑した記憶がある)。アルコールやたら強くないですかこれ、的な。「お父さんたちのお気に入りライブラリ」にだけエントリーしちゃうような笑。そこをSensationの4人が上手い具合に少しドライな雰囲気を醸し出して、女性でも比較的聞きやすいアルバムにしているのかなという気がしてるんだけど、方向性の見方これで合ってるだろうか笑。やっぱしさあ、ある程度乾いた空気感がないとこういうのって聞けないじゃない?何事もバランスよね。



Track 3:Goodbye Day(来生たかお/81年)

 知りませんでしたわ~、これ、ドラマ主題歌だったんだね!まあ、小5くらいの頃なので笑、私は見てませんでしたが。

 まず、いい曲なんだ、単純に。好きだなあ、来生たかお。声が素敵。だから、派手なアレンジにせず原曲の良さを活かしているところが、他のアレンジしまくりの曲とメリハリがあっていい。


 とはいえ、頭のベースラインとかいいんだ!歌に入る直前とか全体が締まってグッとくる。1番と2番の間のソロもいい。麻井くんお得意の歌うようなメロディ。手を止めて聞き入ってしまう。それと大賀くんのギターソロ。大サビの裏のギターとか、そんなに目立たないけど「おおっ」って思う。いやあ~これは渋い。激渋。

 この殊更優しい歌詞の曲は、ぜひSensationでアレンジし直して、大賀くんと麻井くんと2人で歌うってのはどうかな。だめかなこういう雰囲気の曲は。





Track 5:恋の予感(安全地帯/84年)

Track 6:つぐない(テレサ・テン/71年)

 安全地帯の曲だけど、作詞は井上陽水。名曲よね。私も大好き。

 アルバム中、これだけギターレスじゃないかと思うんだ。ベースに深みがあって、やや大きめの音で気持ちよく響くなあ~と思って聴いてて気づいたんだけど。噂の「サンセーション」ってやつだね?ドラムがブラシで一層囁くように奏でられていて、ピアノのどこまでも優しい音色が耳に残って。この密やかなアレンジ、好きだなあ。原曲の感じが本当によく出ていると思う。


 ここで再びいきなりですが、麻井さーん!

 この曲、特にサビなんか、ライトアップベースがめちゃくちゃ似合いそうなんですけど、いつの日かまたあれ、弾いてくれませんか~⁈待っててもダメかもしれないけど笑、ちょっとだけ待ってます。


 そこからの6曲目。今度はギターの音から印象的に始まって。で、「ええ⁈この歌詞ってまさか…」と来る訳だw  知らないで聴いたら誰も「つぐない」が始まると思わないよね。そのくらい斬新!ソフトなラテンサウンドというか。パーカッションがめっちゃいい。いい仕事っぷりです車谷くん!

 このどっぷり昭和に浸った曲がこんな風に生まれ変わるとはね。1番と2番の間のギターとベースがツボだった。2番の途中からサビ前にかけてかすかに聞こえるワウのギターとか、2番の後の間奏の大楠くんのピアノも。


 でも私的に最も「ほほ~!」と思ったのが、サビ前からのベースのリズムなの。4拍子を「1、2、1、2」と数えての、2拍目のところを挟んで前と後にリズムが来るんだけど。私の書き方がよくないので伝わるかどうか~!w (って思ってたら上の全曲紹介の動画聞くとちょうどここが乗っかってるので、是非お聞きください)

 普通、こういうリズムの時って1のところにもアクセントがくることが多いんだけど、それがないの。だから引っかかったような独特な感じで跳ねて、それが気持ちよく腰に来る笑。ラテンの感じがこの辺からもじわじわする。


 ちなみに71年は大賀くんが生まれた年だから、これを演奏してる誰もが、そして聴いてるこっちも大部分がリアルタイムでこれを知ってるわけじゃないのがまたいいのかもね。新しい解釈になって。ラスト数小節の怒涛のギターソロなんて最高に痺れます。




Track 11:たそがれマイ・ラブ(大橋純子/78年)

 男性が8割、という昔の職場で、数名でカラオケのある小さなスナックに行き、隣に座った仕事上絡みのあった3つくらい年下だけど先輩の男性からこの曲を歌ってくれと指定され、ものすっごく挑戦的に「知ってますよねえ?知らないってことはないですよねえ?」と言われ、即座に「ええ知ってます。歌えますよ」と言い放ち、その挑戦を受けて立ってしまったことがある。もちろん歌った。歌い切った。お店中の拍手まで貰った。しかしあの時彼はなぜあんなに私に挑戦的だったのか。今でも意味がわからないが、まあ最初から意味なんてなかったんだろう。そんな、たそがれマイラブ。難しかったけど、気持ちよく歌えたことは覚えている。


 まず、冒頭のベースに全部持って行かれます。昇天間違いなし。元は歌い上げ系の曲だけど、それを全体的に割とサラッと仕上げているのがいい。何度リピートして聞いても気持ちいい。

 何が聞きどころかってこれはもう、1番と2番の間の、ベースとギターの掛け合いよ。4小節ごとの掛け合い。聞いてて嬉しくなってしまった。後ろで鳴ってるピアノもドラムもささやかに盛り上げて。これは堪らんよ、Sensationファンは。ぜひ味わって頂きたい。





Track 2:シングル・アゲイン(竹内まりや/89年)

 いわゆる「火サス」(=日テレ・火曜サスペンス劇場)のテーマソングで、当時これを知らない若者はいなかったはず。いまだにいろんな人にカバーされているところを見ても、みんなに愛される曲なんだろうと思う。決して幸せな内容の曲じゃないんだけどね笑。てかまあ、そこがいいんだよねw


 元は割とドラマティックな曲調だったと記憶しているが、こちらではSensationによってソフトなバラード調にアレンジされている。間奏の大楠くんのピアノが際立って素敵。それと、最後のコードがメジャーなのも特徴だよね。


 この歌詞を解釈するに、主人公の女性は男性に対して最初は相当未練ありつつも、最終的にはヨリを戻したいと思っている訳ではないので、まあ多分、「ああスッキリした」って思う日もそう遠くないんじゃないかと思う訳よ笑。だから最後はメジャーで爽やかに終わるのが、私は合ってると思う。

 なんて言うんだか忘れたけど(教えて貰っても忘れてしまう辺りが天命を知る年頃だな。悲しい)、一番低い音が半音ずつ下がっていくところとか少し強めの音に響いて、原曲を生かしたけどオリジナリティもある、いいカバーだなあと。


 最近つくづく、カバー曲が上手なのってやっぱし実力があるって証拠なんだと思う。ガラリと変えるもよし、オリジナルに忠実なのもよし。何より、原曲に対する大いなるリスペクトと共に、それに対するしっかりとした解釈がないと出来ないじゃない?元々好きだけど、やっぱしあらためてカバーアルバムっていい。





Track 9:やさしさに包まれたなら(松任谷由実/74年)

 まりやと来ればユーミンだって外せない訳で。

 余りにも有名な曲なので、正直言うと、せっかくユーミンなら別のを聞きたいなあなんて思ったんだけど、それがまあどうして、1番と2番の間の間奏、麻井くんのベースソロ8小節のかっこいいことと言ったら!歌ってるのよほんと、軽やかに。最近「ギターソロ飛ばし問題」があちこちで取り沙汰されているけど、私は逆にこのソロだけ繰り返して聞くよ?笑。


 また、2番の後で転調してから大サビまでの大賀くんのアコースティックギターのソロ。これも鉄板で外せない。いやマジでここはキモ。大賀節炸裂って感じ。もちろんここも繰り返して聞く。終わりのコードも本当にお洒落感満載。有名な曲だからこそ、よく練られた1曲だと思う。


 ユーミン、好きな曲たくさんあるんだけど、Sensationにカバーしてもらえるとしたらなんだろう。何がいいかな。

 昔、好きな曲のひとつ「静かなまぼろし」をm-floがカバーしたバージョンがあって。コードなんていじりまくっていた記憶がある。デジタルの世界のカバー、カッコよかった。


 他に好きな曲なら「DESTINY」「翳りゆく部屋」「ツバメのように」「A Happy New Year」「ダンデライオン」「真珠のピアス」「青春のリグレット」「霧雨で見えない」などだけど、Sensationには、ここはぜひ一番好きな「ノーサイド」をリクエスト。これは彼らの人気曲 “Fantasista”に対してのアンサーソングにもなるんじゃないだろうか。サッカーとラグビーの違いはあれど。どうかしらね。


 あとね、「DOWNTOWN BOY」もいいと思うんだけど。どう?

 「あんなにナイーブな人にはそれまで会ったことなかった私」「あなたは素敵なdowntown boy 不良のふりしている」って、まるでSensationのために(そして大賀くんのために)あるような歌詞じゃん!w

 以上、勝手にリクエストのコーナーでした。





Track 10:もう涙はいらない(鈴木雅之/92年)

 これも92年だったのね。マーチンといえばやはり私にはこれより少し前、多分87年の「ガラス越しに消えた夏」なんだけど(大沢誉志幸に傑作って多いけど、中でも白眉)。でも今回のこれもいい曲よね。ちょっと不倫っぽい歌詞かななんて思ったりして。まあ時代なのかなこの辺も。


 原曲を大胆に、そして大人っぽくスイングジャズにアレンジ。4人の息が合ってるなあって思う1曲。揺れるところがピタッと合ってないとこういうのってダメよね。2番の後からのギターが見事。大サビ後の最後、ギターとドラムの音が1回シュッと消えてからのベース(このベースもライトアップ似合いそうだ~)とピアノ、そこに再びギターとドラムが入って、一番最後綺麗に締める。マーチンもきっとこういうアレンジ、気に入りそう。


Track 4:はがゆい唇(高橋真梨子/92年)

Track7:どうぞこのまま(丸山圭子/76年)

 最後に残ったこの2曲はちょっと馴染みがなくて突っ込んだ話ができなくて。ブロガーとして失格w

 「はがゆい唇」、まさかの92年、まさかのドラマ主題歌、まさかの鎌田敏夫脚本。なぜ覚えてないんだwww 見てなかったから仕方ないかw TBSのドラマだったらしいんだけど(TBSといえばこの少し後にOAとなった「高校教師」、これは見てたよ。英文科全員見てたんじゃないかってくらい笑。ちょうど大学4年で、中には教員採用試験に受かった男子が数名いて、しかも英語教師が困った役だったもんだからそりゃあもう女子は勝手に盛り上がるというもんでw)。


 ギターで始まる今回のアレンジ。重なる音はスライドギターかな。この曲だけはドラムが比較的大きめというか、パーカッションも入ってるので余計クロースアップされて聞こえるのかも。

 歌詞のインパクトが大きすぎてなかなか他が入ってこないというかw、入るようになるためには数回聞き直さないといけなかったという、まあそういう1曲。


 「どうぞこのまま」は実は全く知らない曲だった。調べると原曲もボサノバを基調とした歌だそうなので、その辺を考慮してセレクトされたのかも。「さよならは涙とうらはら さめたコーヒーのようなもの」この歌詞には唸った。今回一番唸ったかもしれない。これは凄い。言い当ててると思う。


 アレンジはどこまでもクールで、イントロのアコギが冴え渡っている。マイナー調の曲だがそこまでどっぷりではないのがいい。2番の歌詞に入る前、ベースのみ1小節分挟まっていてカッコいい。キーボードが姿を密やかに隠していて、気がつくと鳴ってるなあってわかるのもいい。





 さあ、ここまで全曲思いつくままランダムに語って参りました。少しでも興味を持って頂き、動画だけではなくてアルバムにも触れてもらえたら嬉しいです。

 サブスクはないようですが、iTunesにはあります。なお、お買い求めの際にはぜひとも、2014年の七月さんのジャズカバーアルバム「4EVER」もご一緒に。こちらは昨年の8月の真ん中くらいに当ブログの記事にしてあります。ご参考になさって頂けたら幸いです。


 最後に。

 ほぼ恋愛事情ばかりを歌った曲にちなんで、昔私が教えられたある言葉を書いておく。


「Aさんと出会って(=お見合いして)うまく行かなくて、Bさんと出会ってまたうまく行かなくて、Cさんと出会った時に、『やっぱりAさんがよかったな』って思ったら、Aさんに戻っていいんですよ。もしAさんにその時誰もお付き合いしている人がいなかったら」


 恋愛下手で、ひとり娘のくせにとことん縁遠かった私は、母の勧めで、市町村が主催しているボランティアの結婚相談に通っていた。そこで年配のある方が言った言葉だ。


「今の人は、フランクに誰とでもお付き合いするかと思えば、一度縁がなかった人とはそれきりになってしまうんですよね。

 でもお見合いなんだから、別に一度に深いところまで付き合っている訳じゃないんだし、こういうことがあっていいんですよ。

 連絡取ってみて、それでダメなら仕方ないけど、でももしかしたらあちらだって、あなたのことを覚えていて、同じようなことを考えているかもしれないじゃないですか。

 縁というのは分からないものだから、当たってみればいい。何度当たって砕けてもいいんですよ」


 今の私も同じことを思う。

 見合いでも恋愛でも同じで、戻ったっていいし、何度当たって砕けたって構わない。

 人を好きになれない人より、好きになって破れて壊れて砕けて傷ついて、また立ち上がって誰か好きになる人の方が、魅力的だと思う。


 ついでにもういっこ、私がよく言う言葉も書いておく。


 受験は恋愛と似ている。君達は受験を通して、恋愛を学んでいるのと同じだ。

 これは違うと思うなら固執せず相手(=問題集)を変えれば良い。

 めっちゃいいからと友達が薦める彼女(=参考書)が必ずしも君に合うとは限らない。

 彼女の気持ち(=解らない問題)を最後まで解ろうとすることが大切だ。

 自分だけで解らなければ、1人で悩まずに遠慮なく人に相談(=講師に質問)するのがいい。

 一番好きな彼女(第1志望の大学)にフラれたって、もしかしたら君を好きだ(=合格)と言ってくれる別の彼女(第2志望の大学)がいるかもしれない。

 だけどどうしても1番を諦めきれなかったら、またアタック(=浪人)するという選択肢もある。

 絶対に諦めない。でも必要以上にこだわらない。それが大事。


 まあ、恋なんて、せいぜい悩んで、のたうち回って、破れてなんぼ。

 そうでしょ?

 ねえ。








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