文:聴く訳す「“All I can breathe is your life” =『君をまるごと飲み込もうとして』ー “Iris” by Goo Goo Dolls & “Sensation 1”」(動画追加)





向かって左から、麻井くん(SensationのB)、車谷くん(SのD)、大賀くん(SのG)、徳ちゃん(doaのB)、大楠くん(SのK)。2015年倉木麻衣ちゃんのライブサポートの面々。5人で1つだよねこれw 麻衣ちゃんとこのライブグッズのTが可愛らしすぎて、似合いすぎよ全員。


 先日、過去に訳した英語の歌を見直して、久々に思い出した曲があった。Goo Goo Dollsの“Iris”。ああこれ好きだったんだよなあ~と懐かしくなり、自分で作ったプリントを印刷してみた。グーグーってサマソニなんかにもきていたのね。この曲は、ニコラス・ケイジ主演の「シティ・オブ・エンジェル」のサントラに入っていた。この曲が聴きたくてサントラを買った記憶がある。そして結局グーグーのアルバムも買ってしまったのよね。”Iris”の前に入ってる、”Acoustic #3”って曲が大好きでよく聞いていたのを思い出す。





 昔高校生向けに訳したものも、まあ悪くはなかった。若者向けにこう、いい具合に青臭さを出してさ、自分なりにいい感じに訳せていたと思う。

 が、大人になり、この歌詞をもう一度読み返した時に、おいおいそれでいいのかと(笑)。この詞の、特に前半はさ、これはもう、その、そういう歌詞だろうと。そう読まないといけないんじゃないかと。で、そこをそういうふうにダイレクトな場面であると読むからこそ、後半の痛切さが伝わってくるんだろうと思った訳よ。血を流すとかね。若さゆえの脆さみたいな。


 だからあえてここでチャレンジしてみる。直訳とはかけ離れた感じにはなるが、言いたいことはこれだろうという訳が出来たんじゃないかなあ。ただしこれは学校では使えそうもないので(笑)、お気をつけ願いたい。


 でさ、それを載せる前に。訳しながら気が付いたんだけど。1番の歌詞に、


All I can breathe is your life


ってのが出てくるんだけどさ、これってさあ、Sensationの1枚目のアルバムの、徳ちゃんこと徳永暁人さん作詞&ゲストボーカルの「パラシュートが開かない」の中の、


「君を丸ごと飲みこもうとして」


っつーのと発想は同じじゃないのかあ?w

 って思ったので、そこを見習って訳しておきました、決してパクリじゃないよ(笑)。




 徳ちゃんのあの詞さあ、自分の中にあるセクシーを全部出し切って書いている感じがいいんだよね。いつもの爽やか青年路線とは違う、「オス!」って感じが出てるのよ。にもかかわらず不思議なのは、セクシー全開なのに、いやらしい感じがしないのよね。いい意味で言ってんのよ。あの、こう、べったりと張り付くような、なんつーの?こう、粘液を感じるようなのって私ダメなのよ。絶対。男でも女でもね。そういうのが好きっていう人もいると思うし、それはそれでいいのだけど、私はどうもな。それこそ肌が合わない。


 ここで再度、Sensationの1枚目のアルバムについて復習を。え?一回書いただろうって?いいんです見てない人もいると思うから書くんです。


 2012年に出たこのデビューアルバムを、今年になって初めて聴いた時の衝撃は今でも忘れられない。歳を重ねている=長い間の音楽ファンである私にとっては、ここしばらくの音楽シーンにはあまり食指が動くものはなかった。もちろん、全部聞いてる訳ではないので、知らないだけなのかもしれないけれど、例えばこう、聞こえてくる音楽に耳を傾けた時に、心がときめくようなことがなかったというか、あるとすれば、時々古い、知らなかったジャズの曲を聴いたりする時であり、いわゆる今街角の若い人のイヤフォンから流れてくるような音楽には興味が持てなかった。いいな、とか可愛いな、とかちょっと珍しいな、とか結構うまいな、とかはあるけど、それだけ。その先へと全く誘われない。全然唆られない。強烈に私の心に迫ってくるものはなかったんだよね。


 それは多分、「既視感」が強すぎるためだ。音楽なんだから「既視感」とか「既知感」じゃおかしいとは思うけど、要するに、これってあの時代のアレと同じじゃん、みたいなさ、そんな気持ちになっちゃう訳よ。もっとストレートに言えば、「新しくない」「面白くない」というか。なもんで、ここ数年は特に映画や海外ドラマなど、ビジュアルを伴ったものに触れる機会の方がずっと多かったと言える。


 その、「新しくない」「面白くない」という気持ちが、まさにBLOWされたんだよねえ、Sensationを初めて聴いた時。忘れもしないわ、あの6月頭の夜。もう、横っ面思いっきりぶっ飛ばされたくらいの衝撃だった。なんだこれは、って。



はーい徳永さんこっちに目線ください、みたいなw


 ではその「なんだこれは」を皆様にも体験して頂くべく、相変わらず太っ腹!な全曲紹介動画行きます。まずはこちらをどうぞ。




 1曲目の「Sensation」のイントロ、うわあって思ったら、こちらの身体をキチンを支えていないとそのまま持ってかれるレベル。突風が吹いて彼らの世界まで一気に攫われるという感じで。そのままメロに突入するんだけど、このコードがまた切ないのよ。ただ勢いだけじゃない、その中に潜んだ切なさこそが、このバンドの真骨頂というか。サビの後のアコギの音がその若干のセンチメンタルを盛り上げ、怒涛の如く続くベースとキーボードのソロ。それを支えるシャープなドラミング。気がつくとエレキギターのソロが始まり一気にサビへ。もうこの辺の流れの素晴らしさ。何度聞いても、いつ聞いても、毎日聞いても新しい発見があるというか、新鮮な気持ちで聴けるというか。


 ここで面白い動画発見。SensationのFacebookに、この「Sensation」のリフの部分を、各パートで撮って、更に全員で合わせたものが載ってた。こういうの大好き。お借りして、全部載せてみたい。興味深いな。

大賀くんのギター

麻井くんのベース

大楠くんのキーボード

車谷くんのドラムス

全員で


 「二重螺旋」の美しさ、「曼荼羅」の綺羅きらしさ(若干のギラつきを含みつつの)、を経てからの「Aqua」の清澄さ。水滴が落ちるようなベースのイントロを経て本編のキーボードの美メロ。その根底に流れる、下に沈むようなのギターの弦の音も印象的。そして控えめながらもこちらに刺さってくるようなギターソロ。大賀くんのギターってさ、こういう、派手じゃないけど輝いている、という時の音の個性が素晴らしいと思う。一発目の音でやられるのよねえ。その辺、解ってて作ってんだろうなあ。で、そこからの「Ripple」。これは大賀くんのインスタライブの時にも披露されていたけれど、細かいところのテクニックがいくつも光る曲。そして美メロなのよこれも。ベースのソロ、ドラム、当然美メロだからキーボードなど、それぞれの楽器の音が立っている。1曲目のように前のめりじゃないけど、キリッと立ち上がってこちらに迫ってくる。いや、優しく見つめている感じかな。その後の「storm」、これ何故か全部小文字なのだけど(笑)、とその後の「Four」は、まさに4つ巴の音のアンサンブル。1分40秒から始まるジャズ的ギターソロはまさに必聴。前も書いたからここで切るけど、もう痺れまくり。


 ここで、SensationのFacebookよりRippleをどうぞ。美味しいとこだけの抜粋。アルバムよりアグレッシブな渾身のギターソロ。ループで聴きたい。


 この人たちは、決して、勢いだけで持っていこうとはしない。そこに必ずいやらしくないほどのいい塩梅に隠された緻密な計算があって、この音が気持ち良くないとか、よくあるよねこのメロディとか、力技で持って行ってしまいました、なんてことは絶対にないのが聞いていると解る。ライブでもこうだとしたら凄いわ。この、気持ちいいことこの上ない音の洪水をシャワーのように、いやいやスコールのように、全身に浴びてみたい。



ライブ後の余韻だね。プレイヤーもオーディエンスもきっとこんな感じよね。


 そこからの、徳永暁人氏ボーカルの「パラシュート」ソングですからね。これについては以前の記事(6月に上げた「徳ちゃんと大賀くんの話」を参照)で散々語ったところだが、さまざまなところで見られるのが、この曲を歌っている彼=徳ちゃんは、そらもうセクシー全開!だということで(笑)。徳永暁人氏のポテンシャルMAX100000%級のセクシー全開の曲は、彼のバンドdoaでもあまり見られない姿らしく。それって凄いわよねえ。そんな、普段見せない姿を晒すことをSensationに許しちゃったのね徳ちゃん、というか、徳ちゃんのそんな姿を曝け出させたSensationってバンドが凄いと思う。

 聞く相手を引き摺り込み、それだけではなく更にのめり込ませるパワーがこの、Sensationの1枚目のアルバムにはある。




 また、Sensationのアルバムは、是非とも一度はイヤフォンを通してお聞き頂きたい。とにかく音が詰まっている。右方向や左方向など、あっちこっちのチャンネルからいろんな音がやってきて、さながらオーケストラのよう。是非お試しあれ。






 さて、お待たせしました、それではグーグーの歌詞を。

 その前に、Spotifyのリンクを。下にYouTubeも貼ってあります。



Iris by Goo Goo Dolls


And I'd give up forever to touch you
'Cause I know that you feel me somehow
You're the closest to heaven that I'll ever be
And I don't wanna go home right now

And all I can taste is this moment
And all I can breathe is your life
And sooner or later, it's over
I just don't wanna miss you tonight

★And I don't want the world to see me
'Cause I don't think that they'd understand
When everything's made to be broken
I just want you to know who I am

And you can't fight the tears that ain't coming
Or the moment of truth in your lies
When everything feels like the movies
Yeah, you bleed just to know you're alive

★repeat 3 times





「アイリス」translated by Cotey



君に触れるのを永遠に

諦めてもいい

君がその中で

感じているのなら

まだ行ったことのないような

高みに1番近づいている君

僕はまだ

君から離れたくない


今この時だけを

味わい尽くしたい

君の全てを

飲み込んでしまいたい

やがて2人の波が過ぎるまで

今夜は君と一緒にいたい


★誰にも見つかりたくはない

誰も判ってはくれないから

何もかもいずれ壊れてしまうなら

君だけに解ってもらえればいい


溢れぬ涙に抗えはしない

嘘から生まれた真実にも

全て作り物に思えるなら

温い血を流してみればい


★repeat 3 times






「やがて2人の波が過ぎるまで/今夜は君と一緒にいたい」

(And sooner or later it’s over / I just don’t want to miss you tonight)

ってのはさ、要するに、パラシュート徳ちゃんの歌う、

「イタいとこまで一緒に/ねじれたまま急降下」

ってことなんだろうねえ。東西問わずやなあ。


 最後に、大賀くんのInstagramのオープンアカウントに落ちている動画。Sensationの素晴らしき鍵盤担当大楠くんと一緒に演奏されています。見てくださいませ。ここで大賀くんはSensationのライブにいつか、SAXプレイヤーの鈴木さんを入れてみたいと発言している。是非!是非是非!私、ジャズはサックスが大好物なのよ!


 最後の最後に、「Sensation」「Aqua」をどうぞ。













Photos are from Sensation’s Facebook.





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